ヴィクトリア朝の名品だった! 4000円のヴィンテージブローチについた驚きの鑑定額は?
Lifestyle 2024.12.18
ある女性が1980年代にアンティークショップで20ポンド(約4,000円)以下で買った銀のブローチが、19世紀ヴィクトリア朝時代の珍しい宝物であることが判明。オークションにかけられ、15,000ポンド(約300万円)の値がつくと予想されている。
歴史的に重要だったブローチ。
フローラ・スチールさんは30年以上前の1988年、イギリス・ミッドランズのアンティーク・マーケットでブローチを購入した。フローラさんは、そのブローチが色とりどりのシルバー、サンゴ、ラピスラズリ、マラカイトがあしらわれた力強いデザインに一目惚れしたという。
この一連の出来事について、「この力強いデザイン、奇妙な文字、珍しい石のブローチは、すぐ私の目に留まりました。私はいつもこのブローチが大好きで、いつか誰がデザインしたのか分かるだろうと思っていました」と彼女は語っている。
そして、2023年12月、フローラさんは何気なく2011年に放送された、視聴者が持ち寄ったお宝を鑑定する番組「アンティーク・ロードショー」の "Most Wanted Finds"の放送を見ていた。すると、彼女のデザインそっくりのブローチが登場。実は、このデザインはヴィクトリア朝ゴシック・リバイバルのデザイナー兼建築家であるウィリアム・バージェスがデザインした「歴史的に重要な」ジュエリーだということが判明した。
「アンティーク・ロードショーに憧れていたので、そのブローチが映し出された時『35年前に見つけたブローチを思い出すわ』って呟いたのです。それでなんとなく、ヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)の図面をよく見てみようと思ったら、なんとそこに私のブローチがあったんです。椅子から転げ落ちそうになりました」
このブローチのデザイナー・バージェスは、サウス・ウェールズのカーディフ城とカステルコーチの設計で最もよく知られており、彼の設計は現在もV&Aに展示されている。その他の有名な設計には、バッキンガムシャーのゲイハーストハウスやデヴォンのナイトシェイズ・コートなどがある。
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実はこれで3度目...「ありえない!」と宝石鑑定士
その後、彼女はすぐにオークション会社に連絡。フローラさんのブローチは2024年春頃、レスターシャー州マーケットハーバーのギルディングズ・オークションで1万ポンドから15,000ポンドで競り落とされることになったという。
実は、アンティーク・ロードショーのエピソードをきっかけに、バージェスのブローチが再び発見されたのは初めてではない。ギルディングズとアンティーク・ロードショーの宝石専門家ウィル・ギルディングさんによると、これで3度目の出来事であるという。
2011年には、ある視聴者が番組を見ていた際、地元のリサイクルショップに売りに行くつもりだった不要品の中にあったブローチだったことに気がつき、オークションで31,000ポンドで落札されたこともあった。
「1度だけなら驚きです。2度目は素晴らしい!なのに3度目....ありえない!興味をそそる裏話を持つ魅力的なジュエリーとして、来年このブローチを市場に出品し、その歴史の一端を担えることを光栄に思います」とギルディングさんは語っている。
フローラさんのブローチ。15,000ポンド(約272万円)の値がつくと予想されている。
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text: 大村朱里