「交際中だけど他の人に惹かれている」ただの片思い? それとも終わりの始まり? 専門家が解説。

Lifestyle 2026.01.23

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カップルだけど他の人に惹かれている――。photography: Samuil_Levich / Getty Images

職場でもプライベートでも、ある出会いが誘惑に変わることがある。それは自身やカップル、相手への愛について何を意味するのか? この感情をどう扱えばいいのか? 答えの手がかりを探ってみよう。


「この唇が私の唇に触れた熱い感覚......ものすごく夢中になった。感覚が刺激され、自己肯定感が高まった気がしたの」35歳のステファニーは、同僚であるロマンとの情熱的なキスを思い出しながら早口に語る。もしその場をすぐに立ち去らなかったら、このキスはさらに先へ進み、15年の結婚生活と夫であり、ふたりの子どもの父であるアントワンとの関係を危険にさらしていたかもしれない。同僚のロマンは「クラッシュ(ときめき)」、つまり肉体的魅力の対象だった。数か月間、ロマンは明らかに好意を示すサインを送り続け、ステファニーは夫から欲望を感じられず、放置されていると感じていたため、より敏感になりやすくなっていたのだ。夫アントワンは当時、燃え尽き症候群で1年半にわたりセラピーを受けており、家庭の義務や引っ越しの準備、妻の誕生日を放棄していた。ステファニー自身は人生の転換期にあり、若くして子どもを持ち、起業が成功し、早くから重い責任を背負い、自由な時間を失っていた。そんな時にロマンと出会い、瞬時に心がときめいてしまったのだった。

ホルモンの高揚

この状況をどうすべきなのか? カップルや自分、相手への愛について結論を出すべき? 少しだけ火遊びをする? 築いてきたものを壊すリスクを冒す? 感情を黙ってやり過ごす? 感情には明確な取扱説明書はない。ただひとつ言えるのは、長期的な関係にあっても、他の誰かに惹かれることは正常であり、むしろ健全な場合もあるということだ。結婚や長期的な関係は、恋に落ちることや愛情の芽生えを防ぐワクチンではない。「人生で多くの人と接触し、統計学的には人々が親密になれる相手はひとり以上存在します。」と心理学者アメリア・ロベは述べる。

しかし、自然の原理だからといって簡単に解決できるわけではない。特に新しい出会いでホルモン、気持ちが高揚するときはなおさら。覚醒や興奮をもたらすノルアドレナリンとアドレナリン、欲望・快楽・依存を司るドーパミン、視覚刺激と想像力を高め、性ホルモンの分泌を促すキスペプチン......。心拍数が上がり、瞳孔が開き、想像が広がる――パッションがふつふつと湧いて、その背景には官能、執着、そして依存が続くのだ。

現実原則という限界

「この欲望と快楽の回路に"依存"しやすく、それを愛と混同してしまうことがあります」とロベは警告する。問題の核心は「クラッシュ」と愛の混同。欲望と愛、実際このふたつには異なる性質がある。「両者の違いを受け入れるのは難しいですが、欲望は代替可能であり、多数の身体を受け入れられる一方で、愛せる人は人生でほんのひと握りです。悲劇的なことに人間は、欲望と愛を両立できる排他的な存在だと信じることにあります」と精神分析医であるジョゼフ・アゴスティーニは指摘する。

ステファニーがロマンとそれ以上進まなかったのは、彼が単なる"クラッシュ"だと気づいたから。「キスの後、数分考えました。夫婦関係や家族、自身が築いてきたものを危険にさらしたくなかったのです」とステファニーも振り返る。

「カップル間の倦怠と眠った性欲は、誰でも、情熱にかられて不倫を重ね、身を滅ぼす『ボヴァリー夫人』のようになる可能性があります。つまり、愛人を持つことがカップル間の倦怠期を解消する究極の解決策だと想像してしまうのです」と心理学者ロベはコメントする。「誘惑に屈し、性的な魅力をロマンチックに美化し、離婚する前に、状況をよく分析する必要があります。この"クラッシュ"は、相手の本当の姿に直面する前に、ただ空想する時間だけで終わるかもしれません」

では、愛とは何なのか?「愛は、日常に根ざした永続性を持つパートナーを選ぶことです。その人となら、日常の凸凹や危機を耐えられる。それは心と心、魂の結婚であり、期限のないものです」とアゴスティーニは述べる。

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別れの口実?

"クラッシュ"は愛情に変わることもある。サンドリーヌは友人のパーティーでジュールと出会い、長年の恋人であるトマと一緒にいたにもかかわらず、即座に惹かれあってしまった。サンドリーヌは友人にジュールを紹介するという口実で再会し、ふたりの間に強い絆を感じて恐れを抱いた。「私は彼に対して恋愛的な感情を抱くようになったのを感じました。彼は自信に満ちていて、人生をしっかり歩んでいるように見えました。一方で、私は停滞していて、仕事も夫婦関係もマンネリ化していました。そんな時に彼が現れ、私の生活を一変させたのです」

欲望は、カップルの関係の亀裂を明らかにし、破滅に導くことがある。「カップルに性的な関係がなくなると、崩壊は些細なきっかけで起こります。そして"クラッシュ"は別れの口実、パートナーから離れるための口実になることが多いのです。」とアゴスティーニは指摘する。それは、一種の引き金であり、現在の関係を見直すきっかけにもなる。

芽生えた感情に気づいたとき、サンドリーヌは関係を断ち切る決断をし、ジュールとのときめきのひと時は終わった。サンドリーヌは恋人のトマには話さなかった。「数か月後、ジュールは別の女性と一緒になるために私との関係に終わりを告げました。結局、彼が私にはできなかった決断を下したのです」と彼女は振り返る。ジュールはもう彼女の人生にはいないが、後になって彼が変化の起爆剤になったことに気づいた。

モラルとの折り合い

"クラッシュ"が欲望の段階にとどまる場合、問題はそれを話すかどうかだ。ステファニーは「夫には絶対言わない」と断言する。私はその男性と最後まで行かなかったけれど、もしそうしていたとしても、それは自分のためだけ。快楽を得て、女性として見られていると感じるためです。夫との関係とは無関係です。夫を愛しているし、彼は子どもの父親、それは変わりません。そして、もし別の機会が訪れても、それも沈黙を貫きます」本当にそれでいいのだろうか? 結局、それは「自分のモラルとの折り合い方次第」だとアゴスティーニは述べる。

彼によれば、「長年一緒にいて、何か違うものを求めるということは、たとえその欲望が長い間抑えられていたとしても、究極的には人として生きている、欲望と共生しているということです。その思いをパートナーと共有し、罪悪感から解放され、秘密にしないこと――」カップルの成熟度は、内面を言語化し合うことにかかっている。

From madameFIGARO.fr

text: Caroline Hamelle (madame.lefigaro.fr)

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