"活性炭"、まさかの料理素材として注目!
Gourmet 2017.10.28
トレンド食品として注目の、消化もいい活性炭入りバーガー。photo : istock
ソーシャルネットワーク上では、デトックスジュースから、ワッフル、アイスクリーム、ハンバーガーまで、なにもかも真っ黒! その正体こそが活性炭だ――。
太古の昔から利用されてきたこの物質が、健康業界にいま革命を起こしている。
活性炭はいたるところで話題だ。カリフォルニアの大人向けレストランでも、人気パティシエ、クリストフ・アダンの新レストラン、デポ・レガルを筆頭に、さまざまなところで着目されている。このブームは本当に私たちの食卓を席巻しつつあるのだろうか?
「ソーシャルネットワークではこのところいろいろなレシピが注目を集めるようになっていますが、当店ではもう随分前からのヒット商品です」と、自然食品販売のネットショップ、オナテラのマーケティング責任者、ジェレミー・ベギエは語る。
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活性炭って何?
活性炭は、バーベキューで使う炭とはまったく違う。昔からおばあちゃんたちの愛用品だった上に、2017年度の健康トレンドとなりそうな勢いのこの黒い貴重な物体はいったいどのようにつくられるのだろうか。「ヤナギ、ボダイジュ、ヤマナラシ、あるいはポプラなどのやわらかい木を使います。ココナッツの殻がもっとも上質な素材です。それを完全な無酸素状態の中で600~900度の温度で熱処理します。続いて2度目の熱処理。空気と水のある状態で再度加熱することで、無数の凹凸ができるのです」と生物学を修めたベギエは説明する。炭自体に特別な性質が備わっているわけではなく、むしろその凹凸や細孔が毛管現象によって、健康を害する細菌やそのほか、消化器系に蓄積された毒素を引きつける役割を果たすというわけだ。
炭という物質がもつ特徴をどう活かすか? 粉末状の活性炭。 photo : istock
「炭は体内を通過するだけですが、移動しながら、身体の悪いものを取り込んでいくのです」と、ベギエは活性炭を日常的に摂取することを薦める 。では、スーパー活性炭とはどういうものなのか?「最後にもう一度、また別の温度で熱処理を行ったものです。さらに多くの細孔ができて、より効果が高まるのです」と続ける。つまり一言でいえば、おばあちゃんの時代からあるシャルボン・ド・ベロック(お腹の膨張感に効くという昔ながらの薬、ドクター・ベロックの炭 )と基本は同じだが、異なる温度で複数回、加熱処理が施されているので、より効果がアップしたもの、というわけだ。
料理にはどの形状のものを買えばいい?
活性炭にはカプセルと粉末のものがある。もちろん料理には、粉末のものが使いやすい。液体にすぐ溶けるので、たいがいの料理に入れることができる。「焦げた味がしそうな気がしますが、心配ありません。炭には味がないのです」。だから、黒い粉は甘い料理、塩味の料理、どちらにも混ぜることができる。調理の過程で、活性炭の効能が損なわれるのではないかと思うかもしれないが、ご安心を。活性炭の作用は力学的なものだし、家庭用オーブンの出力は炭の性質を変えてしまうほど強力ではない。
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活性炭はどんな料理に使えばいい?
デトックスジュース、ワッフル、バーガー、カフェラテ、自家製パン、アイスクリーム、パスタ、なにもかも黒、黒、黒…… インターネットを見れば、無数の可能性があることがわかる。「通常はカロリーの高い料理でも、炭が消化を助けてくれます。ガスが吸収されて膨満感も軽減されます」。
ただし、「たとえば活性炭をバーガーバンズに混ぜ込むにしても、使う量はわずかですから、デトックス効果はあまり期待できません。それでも、バーガーが消化しやすくなることは確かです」。なるほど、活性炭の粉末を料理に使えば、どんな料理もより健康なものにはなるが、料理一品ごとで見た場合、ベギエが薦める毎日の摂取量、つまり1日5~10グラム(1日大匙1から2杯)はカバーしきれないだろう。「活性炭の効能を本当に生かしたいのであれば、あらゆる料理に入れるくらいの覚悟が必要です」。
用量はどのくらい?
大人なら、毎日、5~10グラム。すなわち、1日大さじ1から2杯。子どもは、小さじ1~2杯。(1キロ95ユーロが相場)。時々摂取するくらいでは、身体に驚くべき効果は表れないとなると、このトレンド自体そんなにに効果的ではないかも?
「大昔から伝わっていながら、あまり認知されていないこの民間療法が一般に知られるようになるのなら、いいことだと思います」というのがベギエの結論だ。ブームはさておき、毎日の食事にちょっとした変化がほしい時の、遊び心をくすぐる一手段として取り入れてみたらどうだろう。スムージーに大さじ1杯、あるいはパン種に大さじ2杯加える、それだけのことで、身近な人たちの好奇心を刺激できるはず。毎日摂取するには、飲みやすくて値段も安いカプセルがお薦めだ。
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texte : La rédaction(madame.lefigaro.fr)