ルイナールのサステイナブルなパッケージがお目見えに。
Gourmet 2020.04.01
1729年創業、世界最古のシャンパーニュメゾン、ルイナールは、創業以来大胆に革新を重ね、1764年にはロゼシャンパーニュを最初に市場に送り出したメゾンでもある。以来“シャンパーニュメゾンで初”という試みは、地下38mにあるワインの熟成に理想的な、ローマ時代の白亜室の石切り場跡「クレイエル」の使用、1896年の広告のデザインをアール ヌーヴォーを代表するチェコ人アーティスト、アルフォンスミュシャに依頼し、アーティストとコラボレーションを行うなど、枚挙にいとまがない。そんなルイナールが、2年以上の歳月をかけて完成させた環境に配慮したパッケージ「セカンドスキン」を発表した。
環境に配慮し、100%リサイクルも可能、既存のギフトボックスより9倍軽くなった画期的なパッケージ。
この新しいパッケージは、持続可能な管理がされているヨーロッパの森林を供給源とし、天然木質繊維から丹念に作られた紙製で100%リサイクル可能。既存のギフトボックスより9倍軽く、二酸化炭素排出量を60%削減することにも成功した。また、そうした環境への配慮のみならず、ルイナールならではのこだわりにあふれたデザインもポイント。まるでシャンパーニュセラーのクレイエルを彷彿とさせる白亜のようなテクスチャーのディテールは、高級感のある繊細なエンボス加工を施すことで完成させた。一体成形でボトルの輪郭をぴったりと正確になぞることができるまでには2年以上かかり、7回の試作を繰り返し、さまざまな製紙技巧を試みている。とげとげしさがまったくないパッケージは、精密な高圧ウォータージェットでボトルの輪郭をカットするという、ルイナール専用に特別開発された加工技術により実現。独特な上品さのみならず、ボトルの象徴的な曲線に沿い、ルイナールを楽しむその時まで完全な状態で保存することも可能なのだ。「セカンドスキン」は現在使用しているギフトボックスに代わり、今年の冬より西ヨーロッパで徐々に展開予定。日本では2021年春にお目見えする予定だ。その時を楽しみに待っていよう。
ローマ時代の白亜質の石切り場跡をシャンパーニュセラー「クレイエル」として使用しているルイナール。パッケージのテクスチャーは、このクレイエルの白亜質を表現した。
MHD モエ ヘネシー ディアジオ
tel : 03-5217-9736
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texte:NATSUKO KADOKURA