フィガロジャポン編集部の、ワイン本気飲み! 残暑の中で味わいたい! 2000円以下のおすすめ白ワイン6選。
Gourmet 2023.09.04
8月も終わって、夏も終わり。暑さを懐かしんでちょっとさみしさが......と言いたいところだけれど、当分は汗のひかない厳しい残暑が。赤ワインを欲するのはまだ先、しばらくは白ワインシーズンが続きそうな模様です。今回は、グルメ班がよく行くワインショップから白ワインを持ち寄っての試飲。しかも税込2000円以内という縛りの中で、びっくりするほどおいしいワインが揃いました。
この値段なら新世界系が台頭するかと思いきや、イタリアの土着品種が健闘? いや、フランス定番品種の底力? コスパ満点ワインは、コップで気軽に飲んでもいいし、大きなグラスに注いで高見えさせちゃうのもアリ。
>>関連記事:グルメ班が選んだ、手土産にも最高な南仏のロゼ8選!
浅妻千映子 J.S.A.認定ワインエキスパート。フードライターとして雑誌やウェブメディアで取材、執筆する傍ら、ワインスクールのアカデミー・デュ・ヴァンでワイン&クッキングクラスの講師をしていた経験も。好きなワインのタイプは海、汗、火花、キノコ、鉄棒、鉛筆など感じる、ミネラル系。
まりモグ フィガロジャポン編集部、本誌グルメ担当。2021年、J.S.A.認定ワインエキスパートを取得。好きなワインのタイプはブルゴーニュをはじめとした冷涼地系。
編集YK フィガロジャポン編集部、WEBグルメ担当。ワインエキスパート1次試験を突破、現在はテイスティング試験に向けて修行中。好きなワインのタイプはイタリアをはじめとした日当たり良好系。
※価格はメンバーが店頭で購入した時の価格です。現在の価格とは異なる場合があります。
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「コルク開ける時、何使ってますか?」
編集YK(以下Y) 最近、ダブルアクションのワインオープナー(2段階で簡単にコルクが抜けるオープナー)を買いました。税込1100円のプルタップスですけど笑
まりモグ(以下M)ラギオールじゃなくっていいの?笑
浅妻(以下A) うちでほとんど使ってないラギオールあるから持ってこようか、今度?練習に使ってよ。
M 浅妻さんの家では何使ってコルク開けてます?
A くるくる回すだけのスクリュープル。現行品は傘下になったル・クルーゼのロゴが入ってるけど、かなりの年代物なのでロゴなしです。信じられないかもしれないけど、コルクの周りのアルミを取らないで刺しても抜けるからキャップシール切らなくていいのよ。ぜひやってみて。5秒早くワインにありつけます。
M うちではル・クルーゼの、パコってはめて、レバーを引けばポンって抜けるやつ、あれ使ってます。だからソムリエナイフ使えなくなっちゃって。
A そうそう、私もナイフ使えない。
M うっかり人の家で使ってみると、コルク折っちゃったり。
Y 僕も折るのが嫌でダブルアクションに変えた感じです。
M 折ると本当悲しくなるよね。茶漉し探してきて......
A 「いま飲みたいのに!」っていうあのストレス。
M こないだ6人分のワインを茶漉しで......
A 均等に......、「お茶淹れてんのか!」ってなるよね笑
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ペトラ ベルヴェント・ヴェルメンティーノ 2021
Y 奇しくも3名とも1本ずつ、イタリア産を持ってきてしまうという......。
A どうする、北から攻める?
M じゃあイタリアの北から順にということで。
Y ではトスカーナ州のヴェルメンティーノから。「ヴェルメンティーノ トスカーナ2021」度数は13%。
M ああ、いい香り! グラスに注いだ瞬間に。
Y 開いてますね。
A ついだ瞬間、食欲ならぬ飲欲そそられますな笑
M ちょっと渋みっぽい感じもあるような。
Y 最初にネタバラシすると、これを買ったのはワインを作っている人が理由で。「ペトラ」っていうメーカーなんですけど、オーナーがフランチャコルタ「ベラヴィスタ」のモレッティ親子なんです。創業者の娘が醸造家になる前、ボルドーに修業に行って、ボルドースタイルに感動したそうで。でもロンバルディア州だとそのスタイルは作れないからということでトスカーナに畑を買ってペトラを作ったそうで。そこのエントリーラインの1本なんです。
A 青臭さとかはないですね。
M ミネラル感もあっておいしい。ちょっとペトロール香があるような? 気のせいかな?
A うんうんわかる、ちょっと石油っぽい。リースリングを連想させる何かがどっかにある気はする。
M リースリング好きとしてはウェルカムです! 夏にいい気がする、果実味もあるし。
Y 果実味ありますね、レモン、ちょっと熟した感じ
A 軽いだけでもなく、重さのバランスすごいいい感じ。
M ごくごく系だけど、水みたいな感じではない。
A 安っぽさもないです。「安いビストロで出てくるよね」っていうタイプではない。
M 店価格で5000円でも納得感はあるな。
A そうね、もっと大きいグラスで出せばかなり高見せはできるかも笑
Y こちら、最近行きつけのイオンリカー千歳船橋店で買ってきました。なので、結構手に入りやすいんじゃないですかね?税込1958円です。
M 余韻もまあまああって。買いかもしれない。
A やっぱり魚料理にってことなのかしらね、このエチケットは笑
M 私はバスクのゲタリアっていう港町で食べたプランチャ、魚の形をした網に魚を挟み込んで両面を焼いたものなんですけど、いま思い出して食べたくなってきた。
A 生というより火の入った魚かな。
Y カルパッチョとかだったら案外いけるかもですけど。
M 火の入った白身魚かな。
Y 僕、白身魚のソテーにミントとかを合わせたいですね。
M ハーブ、ローズマリーとかでもいいかも。
A でも、このエチケットに描いてある魚は、いわゆる白身って感じじゃなさそうね笑
Y なんだろ、ミノカサゴとか? 底魚系ですね。
A 姿は良くないけどおいしいやつ笑
M 海推しですよ、コルクに人魚まで描いてあるし。
A ほんとだ、ブドウ付き人魚笑 大変良いです。
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カンティーナ・トッロ トッレビアーノ ダブルッツォ ビオロジコ
M 海繋がりということで次はこちらです。エチケットにある魚は、サメなのか......?
A ちょっとエイみたいな見た目かも? いずれにしても強そうな。
M これはリニューアルした恵比寿のトロワザムールで買いました。
A バーカウンターがなくなって、おつまみが充実したとか? 興味津々。
M そうなんです。そしてバーがあったところにはおすすめのボトルが特集されて並んでいます。
Y はい、注ぎました。アブルッツォ州のトレッビアーノですね。
A ソムリエ/エキスパート試験だと、イタリアは全州の場所と名前、それから、各州の名物を紐付けてを覚えるのよね......(遠い目)
M 私、バーニャカウダがピエモンテ州の料理だってそこで初めて知りました。
Y ベルモットがトリノとか、リモンチェッロがカンパーニャ州だとか......。「イタリア産」の輪郭がくっきりしますね。
M おお、なんかベージュ色?薄いゴールド?
Y そうですね、麦わら色?
M さすがナチュールの名門・トロワザムール、これ完全に有機栽培のブドウを使用していて。
A おお、もわっと。寒天みたいな感じだな、テングサっていうか。この香りって甘口高級ワイン、イケムとかにも感じるんだけど、好き。
M マスカット感。ジューシー?
A 甘いとは言わないけど、甘いって表現する人もいるかも。
Y 喉越しはスイスイ通ってく感じしますね。
M 「樽は一切使用せず、ステンレスタンクで」そうでしょうね。キレイです。
Y トレッビアーノってそもそもちょっと甘めな印象が。
M ソムリエ教本によると......「トレッビアーノはフレッシュな早飲みに適した白ブドウ。生産量が多いので、60年代に大量に植樹された。ヴィンサントにも使用される」
Y フランスだとユニブランとかサンテミリオンって呼ばれている、コニャックとかアルマニャックにも使われる糖度高めのタイプのブドウですね。
A うんうん、私、かなりこれ好き。寒天系の香りやっぱり好き。
Y 最後、香りがするっと抜けていくから飲みやすいですね。
A このミネラルのモワッと広がる感が、たとえば安いシャブリで、最後に酸が足りなくてうまく切れないというのはよくある印象なんだけど、これは結構きれいに切れる。モワッとのまま残らない。
Y 飲んだ後の余韻がおもしろいですねこれ。
A でも、あんまり温度が上がるとダメかも。
M ああ、ダラっとしちゃうかも。食べ物だとなんだろう。割となんでもいけそうだけど。
A 白い魚だったら、オリーブオイルよりもバターで調理したものが気分かな。
M あとはパスタがいいな。
A 乳製品のものに合いそう。あと鶏肉?
M 焼き鳥はいけるかもですね。モモとか。
Y 脂多めのとこですかね、皮とか。
M 生産地、アブルッツォのトッロって村らしいんですけど、知ってます?
Y 知らない、聞いたことない......笑
M 「完熟したブドウの香りと、酵母由来のほのかな複雑さを感じられる」ってありますけど。
Y 温度上がってきたらパン・ドゥ・ミというか。
A 確かにパンの香りする!
M 「温度が上がると余韻がぐんぐん伸びる」とも書いてある
A 温度が上がって伸びるところとダレるところ、バランスが難しくない?
Y 一回ガッと冷やして、食中の温度変化を楽しみたいやつですね。
A うん、一本楽しめるね。
M 途中で味変じゃないけど笑
A 普通にフリットとかいいかも。
M 油の甘さと合わせて。イカのフリットとか? イカリング、大好きなんですよ笑。というか、いい歳して揚げものが好きすぎる。
Y 僕は胴体より足。ゲソ天がいいかも笑 山形にある個人経営のスーパーで「エンドー」ってとこなんですけど、店内で揚げてるゲソ天が名物で。ノーマルなものからトリュフ塩とかキムチ味なんて変わり種もあり、冷凍の配送もやってるのでオススメです笑
A 今日うちにイカあるんだよね、娘の理科の解剖の宿題用で......笑 宿題終了後は何して食べようか迷ってたけど、揚げに気持ちが向いた。
M 私もコロナの自粛期間中、暇な時にイカ捌いてました笑。 あの胴体の中「え、こんなの出てくるんだ」ってめちゃめちゃ発見があって。
A イカって皮が2枚ない? 薄皮。ちょっと手間だけど、あそこまで剥くと、いい寿司屋で出てくるみたいにぐっと歯当たりが柔らかくなるのよね。
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カンティーナ・トゥデルヌム グレケット・ディ・トディ
A 次のはまた濃いなー。
Y ウンブリア州ですね、海のない州。
M 「緑の心臓」って言われていましたっけ?トスカーナ州の南東。この色はゴールドかな?
Y 濃いイエローじゃないすかね。
A あれ、これブショネ?......あ、ブショネだ。ううっ。
M あ、これがブショネなんだ。
Y うーん.........。
A うん、毎回何本も飲んでいけばたまにあるよ......。と言いつつ、買ってきた身としてはなんとなく責任感じてしまう......。
M これは残念だな......ブショネって全体の1%くらいだって言いますけどね。
A 一応ね、液面が低いのは選ばないというのは毎回確認しております。
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トラピチェ ヴィンヤーズ トロンテス
M なんということでしょう、この色。
A 淡い!
M 味はパンチがあるのかな? アルゼンチンで名門と言われている「トラピチェ」ものです。アルゼンチンナンバーワンみたいな。とにかく国内に畑をいっぱい持っているみたいで、これは銘醸地、メンドーサのもの。
A 淡いけど黄緑ではなく、黄色かな? ごく淡いレモンイエロー......あ、なるほど、バラ、ライチ、華やかな。お花系。
M はい、もう苦手です笑
A あれ、ライチ系ダメだとゲヴュルツ(・トラミネール)も苦手?
M ゲヴュルツの匂いは大好きなんですけど、これはちょっと......
A ああ、香水みたいな? 人工っぽい感じ?
M ぐっと香りがくるのがちょっと。バラ風呂だわ。
Y 飲むとやや爽やかなんですけどね。
A うん、バラ園の中で飲んでるような笑 海外のテラスでのランチタイム。
M ピエール・エルメ・パリのマカロンとかどうですか?
A イスパハンの香り。
Y あ、マカロン合いそうですね。ご飯ものはどうなんだろう?
M 今回、これを選んだ私のテーマが「トロンテス再挑戦」「苦手克服」だったんですけど、やっぱりダメかも。
A 私これは全然いけます。1本は辛くても、1杯なら楽しめるな。むしろ、もっと桃っぽいワインの方が嫌かな。
M あんまり食欲は湧かないな。
A それはわかる。食欲喚起系ではないね。どっちかといえば紅茶のような気分だよね。
Y アペロとかアフタヌーンティーとか、始まる前にちょっとやりたい感じですかね。
A うん、アフタヌーンティーで、予算の都合上シャンパーニュまで開けられない時とかね。
Y おうちアフタヌーンティーとかに?
A 食べるとしてもフィンガーフードとかかな。でもハムとか合うのかな?
M あんまり塩味を合わせたくないですね、このマスカット香は......。トロンテスも3種類あるらしくて、どれもマスカットオブアレキサンドリアの交配種らしいんです。
A 「今日のお昼、パン」みたいな時のお供? ブリオッシュとか。
M ちょっと甘いパンの方がいいな。
A ふんわりしたパンに具が挟んであるとかかな。そう考えるとアフタヌーンティーにはめちゃくちゃいいと思う。
M 改めてトロンテスの香りにびっくり。これソムリエ/エキスパート試験の二次(テイスティング)にでたらラッキーじゃないですか?
A 入浴剤とか香水、化粧品を彷彿させる、ちょっとむせかえるような香りの強さ。
M 私そもそも、香水が苦手だからかな。特に花の香水。
Y トロンテス、克服失敗!
M わかんない、アルゼンチンの風に吹かれて飲んだらおいしいのかも笑
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テッラ ムンディ リアス バイシャス アルバリーニョ
A 意外と今日、黄緑色がなかったですね。
Y ああ、確かにです。
M 安くて若い白っていうと、グリーン系多い気がしますが。
A 今日はちょっと薄麦わら色というか。
M これ、今日いちばん酸味を感じるかもです。
Y レモンぽい感じしますね。先日、リアスバイシャスD.O.(スペイン北西部のワイン産地)の試飲会があってアルバリーニョばかり30種類以上試飲してきたのですが、翌日は知覚過敏みたいになっちゃって歯が痛いという......酸が高いんだなと身に沁みました笑 全部ほんとにおいしかったんですけど。
M アルバリーニョってそんなに酸があるんでしたっけ? あんまりイメージがなかったというか。
A 対する甘みがないから余計に強く感じるのかも、バランスの問題で。ん、これ塩素みたいな香りもするのは私だけ? これもミネラルの一種か?
M うん、酸っぱい! 日常使いにはとてもいいと思う。
Y よく言われるのが、「ヨーロッパで唯一タコを食べる土地だから、タコと合わせて」っていう。
A さっきのトレッビアーノはバターに合わせてだったけど、こちらは断然オリーブオイルね。さっぱりと。
M パスタもクリーム系よりはオリーブオイルでさっぱりしたやつですかね。なんかアルバリーニョってよく「生魚と合わせて」って言われるけど、あんまりそんな気分にはならないな。カルパッチョにレモン汁を添える感じで合うと思うんですけど。生魚に合う白ワインってなんだろうと思って。
A 生魚に合う白って、そうそうない。特にサッパリ系白は難しいです。どんなに安い刺身でもボリュームのある白を合わせること。リッチな白と合わせていただくのはアリです。高級なポテンシャルある白、できれば熟成したもの、あるいは安くてもチップを入れているのかと思うくらいの樽香のする白はいけるかもしれない。合うというより、臭みを出させないという意味で。今度やってみよう。
M じゃなかったら日本酒と合わせろって話ですもんね。
A こういうさっぱり系のを飲んだ時に、つい「さっぱり、刺身なんか」って言いたくなるんだけど、いざ合わせると生臭さがね。わかりやすい最近のところでは「ブレッド&バター」とか、ボリューム感あふれるやつでどうですか。
M タコですけど、イカもいけるかな笑
Y 最後にシャバっと、ミネラル感。
A スペインワイン、ムカゴみたいなムワッとした青い匂いが苦手で、カバとかも。これはしないけど、今回持ってくるか迷ってたヴィーニョ・ヴェルデがどちらかといえばムカゴ系で笑 でも時々巡り合う青臭くないおいしいカバがある。
M おいしいカバって、熟成度が高いとかそういう?
A そうね。そこで何かが消えるのか、元のポテンシャルなのか。それはイコールってことか? それにしてもこれはスッキリしてて、食事には合わせやすそう。
Y さっぱり感はありますよね。すごいスッキリしてる。
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セラフ ヴァン・ド・フランス ソーヴィニヨン・ブラン 2022
M じゃあ次はソーヴィニヨンブランを。これも麦わら?
Y これはちょっとグリーン見えるんじゃないすか?
A 微妙な色。でもクリアです。
M あ、きたきたソーヴィニヨンブランの香り。
A あれ、まりモグさんってソーヴィニヨンブラン、ダメなんだっけ?
M 私、ロワールのは飲めるんですけども。(嫌な女感笑)
A これ紀ノ国屋で大人気なんですよ。人気につき再入荷。値段も1188円っていう。
M それは信じられない!
Y 僕好きですね。そもそもソーヴィニヨンブラン好きってのはあるんですけど。
A 2000円以内っていうとどうしても2000円ギリギリを狙いがちだけど、こういうのもいいかなって思って。
M いやあ、この値段でこの味が飲めるんだって思って。
A 紀ノ国屋、カード会員は年会費990円、こんな割引があって。(チラシ持参)ブルゴーニュの5000円台が2980円とか、40%オフ、50%オフのワインが毎月必ず2本か3本は出て大変お得。クラシカルフランスワイン好きは絶対入るべき。
Y すご!通いそう!! それでいうとイオンリカーも、元値1本5500円のワインと1500円くらいのワインがセットになって、なぜか合わせて5000円になるとか、一瞬「値段あってるのかな?」っていうセールが何かしらありますね笑
M 福袋的な!
A 買えば買うほどお得の謎。
Y 帰り道のカバンの紐が肩と背中に食い込みますけど、酒の重さは愛の重さということで笑
M んー、でもやっぱりこの独特な香り、私はちょっとダメかも。
Y そうか、僕やっぱりこのハーブ感好きで。結構料理に合わせて買ってますね。
A 料理合わせるより、料理作りながら飲みたい感じかな?
M おお、キッチンドリンカー!
Y なんならコップで飲んでもいいくらいの値段感だし、とはいえグラスに入れればちょっと優雅な感じも楽しめそうで。
A うん、複雑さはないけどすごくきちんとしたソーヴィニヨンよね。グラスで1杯1000円でも納得するし、そしたら元が取れちゃうね笑
M ある種、お手本のようなソーヴィニヨンブランですね。
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M では最後のおかわりタイムということで
A イタリア良かったね。
M やっぱり「安ウマはイタリアワインを選べ」っていう定説が証明されたような感じですね。
Y ではアブルッツォ州のトレッビアーノから。
A 例の寒天の香りのやつ! うん、やっぱり好き。
M ツンツンした感じがないっていう。フワッと丸みがある。
A おいしい甘味処で食べるしっかり作った寒天食べる時を思い出してください。こんな香りです。缶詰のみつ豆はこの香りない。ん。ちょっと麹? ぐっと匂うと日本っぽい香りもあるような。
M 寒天、海のミネラルなのかな? ミネラルはありますよね。......あ、地理調べたらトッロ村は海ですね! やっぱり信頼のトロワザムール。裏切らないおいしさ。
Y 信頼できるワインショップ見つけるのは大事かもですね。僕も土日は大体、妻と散歩しながら世田谷のワインショップを巡ってます。イタリア系のお店が多いですけど笑
A じゃあ最後にこのトスカーナ州のヴェルメンティーノを。......あ、いい! 私が好きなブルゴーニュの白系のミネラリーな。
M やっぱりペトロール香もする!
Y ああ、このタイミングでゴムホースみたいな、はいはい。上がってきました。温度あげてもいけますね。
M 温度上げたら旨味が出てきた。
A 結構複雑ね、これ。
M 買いだ!これ。さて、お腹が空く大賞はこのアルバリーニョかな?
Y 最近、日本でもアルバリーニョを育ててるところも増えましたし、注目品種ですね。
A 温度上がると若干甘みも出てきたかな?
Y ほんとだ。ブドウの皮の厚さですかね?
M うん、ちょっとした渋みもあって。
Y 僕が店を開くとしたら、グラスワインはソーヴィニヨンにしますね笑
A ビストロとかカジュアルワインバーで、近場で買った特価ワインをグラスワインで提供してるお店、結構あると思う。いや、全然いいんですけど。青山周辺で紀ノ国屋ワインには何度かお目にかかった笑 それだけ品質、コスパがいいってこと。
Y では今回、あとは浅妻さんの(ブショネだった)グレケット評をお待ちする、ということで笑
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カンティーナ・トゥデルヌム グレケット・ディ・トディ、その後
直射日光が当たらない玄関に置き、後日交換してもらうために店に持って行ったところ、栓を開けたらシュワーっと泡立つ感覚が。グラスに注いだら普通に果実味があっておいしくて驚く。
本来飛んでいるはずのネガティブな香りが揮発しないで籠ってしまった(=「還元」酸欠状態のこと)のではとのこと。瓶に詰めるときに低温の状態だとこんなことが起こることもあるそう。人工コルクやスクリューキャップでブショネは発生しにくくなっており、還元香か? と思う時には、しっかりもう一度栓をして押さえながら思い切り振るのがおすすめとのこと。もちろん、グラスに注いだものは回しながら飲むのも効果あり。要は、溶け込んでしまった臭いを出す作業が必要なのだ。
戻って冷蔵庫に入れて翌日。冷やしすぎるとムカゴのような青臭い感じが出るが、グラスを回すとかなり落ち着く。このワインは際立って自然な造りをしているそうなので、まだ残っている還元香なのか? 温度を上げると果実味が広がってきて、そちらの方が勝ると青臭さを感じにくくなる。厚みもあり、骨格がしっかりした印象で、温度が上がってダレる感じはしない。鶏はもちろん、豚までいけそう。
text: Chieko Asazuma