稲垣吾郎が愛するワインとは? フィガログルメ班、BISTRO J_Oに潜入!
Gourmet 2023.09.13
フィガロのグルメ班が、足を使ってかき集めたおいしいネタをトーク! 最新ニュースから推しグルメまで、食いしん坊なら押さえておきたい耳寄り情報をテーマ別にお届け。今回は番外編! 本誌グルメ担当のまりモグとwebグルメ担当のYKが、稲垣吾郎さん監修のビストロにお邪魔して......。
まりモグ(以下M) 本日は銀座2丁目にある「BISTRO J_O(ジョー)」に来ています。稲垣吾郎さんがディレクションされた、ひとりでもふらっと入れる「ヒトリート」がコンセプトなイタリアンベースのビストロです。
YK(以下Y) 今回は個室のディナーに伺わせていただいたんですが、とにかく天井が高い! 以前は結婚式場だった空間とのことですが、エントランスやカフェ、ダイニングまで広々ゆったりした空間で驚きました。個室は2名から最大10名まで座れる個室が3部屋用意されています。
M こちらでいただけるのは、個室専用に作られた「プライベートディナーコース」。年に8回程替わるコースで、メニュー中パスタやメインの料理など2〜3品は自分でチョイスできるという趣向です。食事前の乾杯に、まずはグラスでシャンパーニュ「ローラン・ペリエ」を。ボトルワインもオーダーできますが、今回はおすすめのグラスワインのセレクトの中からチョイスしていきましょう。この日はグラスが泡、白、ロゼ、赤、デザートワイン、14種ラインナップされていました。
Y 僕は月毎に変わるスペシャルドリンク「シャイニー・ルビー・サンライズ」をいただきます。......おお、ジュレ状になったザクロのほんのりした酸味と甘みが! 若干シュワシュワ感も感じるような、アペロ気分で楽しいですね。
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M 1皿目はアミューズの盛り合わせということで、カボチャの冷製ポタージュ、タチウオと2種のブドウのエスカペッシェ、ハマグリの香草パン粉焼きと熟成生ハムです。
Y ブドウは巨峰とシャインマスカット、秋ですね! タチウオ、身がしっかりしてまだまだシーズンを感じます。
M タチウオをエスカベッシュで食べるの初めてかも。小魚とかが多い印象で。
Y 南蛮漬けってそっちのイメージ強いですよね。僕、結構タチウオのフライが好きで。脂が多いので、家で揚げるとキッチンが戦場になりますが......(笑)。
M 私はシンプルな炭火焼きが好きかな。食べてみると、この魚の脂と泡がよく合う! ハマグリの香草焼き、ちょっとレモン風味がして、これもよく泡の酸味に合います。
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Y 2皿目はアワビのロースト パセリのナンチュア風ソースです。アワビはエゾアワビとのこと。昆布で締めた後でローストしているとのこと、日本料理のようなテイストを感じますね!
M アワビのこのじんわりくる旨味、ちょっと日本酒もいけそうな......(笑)。 添えてあるのはマイタケ、サトイモとこちらも秋を感じます。マスタードを利かせたナンチュアソースで酸味を添え、上にかかっている白いパウダーはオリーブオイルを粉末状にしたものだとか。
Y アミューズもそうでしたけど、お箸で食べたくなる安心感というか、親しみやすさがある料理が続きましたね(笑)。 肉厚なアワビの食感がたまりません。
M ここでパンが登場。あ、このパン気になってたんですよね。「えびパン」! 昔、稲垣さんが出演していた料理番組で披露されていた定番のメニューをアレンジしたものだとか。私、その時のレシピブック3冊くらい持ってるんですよ。
Y シーズンによって変わるメニューやドリンクの中に、料理番組で人気だったメニューをインスパイアしたものがあったりと、隠された意図を見つけたいファンにはたまらないメニュー構成ですね。
M このオリーブオイルも見たことない! オリーブオイル専門の業者さんから手に入れたカンパーニア州のものとのことで、あまり流通していないそうです。
Y お、余韻に苦みがあっておいしいですね! このゴマパンとめちゃくちゃ合う。
M チーズがのったクアトロもトルティーヤみたいな食感が楽しいですね。
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M さて、3皿目ですがお先にワインは......私、ABC(オーボンクリマ)いただきたいなと思ってて。
Y あ、僕もちょうど同じこと思ってました。次がパスタ、火を通した魚介と来そうなので、ここらでふくよか系白ワイン、シャルドネを......と思ってたところで。
M あ、エチケットがかわいい! 日本人デザイナーの方の作品とのこと。......香りはやはりカリフォルニア、「THE 樽」といった感じですね。
M 3皿目、ポルチーニと黒トリュフのリングイネです。
Y 最近、トリュフに縁がある我々ですが、とうとう秋トリュフに......。ここでも季節を感じますね。うん、パスタを持ち上げるとポルチーニの香りが! レストランではスーパーやお店に並ぶよりちょっと先に、旬が来はじめた食材を使って季節感を先取りするようにしているのだとか。
M クリーム感というか、まったりした食感にABCが合うのではと思ったのですが、やっぱりいいですね。余韻もしっかり樽。でも甘ったるくはなくっておいしい。
Y シャルドネのリッチなバターっぽい感じと、最後余韻にほんの少しの苦味がパスタにばっちりです。
M カリフォルニアのシャルドネって樽が利きすぎてて苦手なことが多いんですけど、これはやりすぎてない感じもあって、結構好きです。
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Y さて、伊勢海老と秋の味覚のグラチネ風です。
M わぁ、思ってたよりダイナミック!
Y グラタン風に焼かれたエビの身、その下にクリや銀杏を敷き詰めてあります。殻の下にはクスクス。そしてカボチャのドライチップスということで。白ワインは引き続きABC、ちょっとこのバター感を合わせてみたいですが......。
M あ、このカボチャチップスおいしい。サクサク、軽やか。
Y 栗もおいしい......ん、これ梨かな?ジューシーなやつが。
M シャキシャキジューシーな、これ柿ですね!また秋だわ。
Y エビ味噌も味がしっかりして。シャルドネが進みますね。
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Y では最後の肉に合わせて赤ワインを......。
M 私はやっぱりピノ・ノワールかな。「ピクニック」、ニュージーランド、セントラルオタゴのものです。ニュージーランド最南端なので、いちばん寒いところですね。
Y 僕はメルローでお願いします。アメリカのコロンビアバレー「レコール」、馴染み深い名前です(笑)。 あ、エチケットに学校が描いてありますね。
M 和牛ヒレ肉のロティ、今回は近江牛をご用意いただきました。......うん、肉質がとても柔らかくて味わいも繊細、ピノ・ノワールの品のある感じにもマッチした味わいだと思います。
Y デミソースの濃さにはメルローの力強さも......。はい、かなり土っぽいメルローらしい味わいで、お肉にもよく合いますね。この辺りは好みかもしれません。
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Y デザートには秋のモンブランプレートを。
M (ワインリストを眺めながら)かなり注文しやすい値段ですね。「エコノミー」「ビジネス」「ファーストクラス」とランク分けされているのもわかりやすい!
Y 旧世界が多めかな、と思ったら新世界系のワインも結構リスト入りしていて......。稲垣さんは全部テイスティングの上、「みんなにおすすめできるものを」という思いでリスト作成しているのだとか!
M そんなBISTRO J_Oがおススメするラインナップがこちらですね。
Y ううむ、壮観......。とはいえ、何人かでお金を出し合ってシェアしながら飲むには最高かも。極上の時間を過ごせること間違いなしのセレクトですね。
M 産地&品種的に、全部ツボです。私、BISTRO J_Oのおすすめと趣味が合うのかもしれない(笑)
Y 僕もこのラインナップは大好きですよ!!(笑)
M ファンの方はもちろんですけど、これだけワインにもこだわっているお店なので、気軽にひとりで立ち寄ってダイニングで軽く食事を楽しみながら、お酒をゆっくり飲むのもいいかもですね。
Y 有楽町駅からもとてもアクセスがいいですし、買い物や映画、観劇の帰りにちょっとワインを......というのもいいですね。迷ったりわからないことはぜひソムリエに質問を!
M いろいろと使い方を考えたくなる、素敵なビストロでした。ありがとうございました!
東京都中央区銀座2-4-6 銀座Velvia館9階
tel: 03-6271-0388(問い合わせ用)
050-3627-5556(予約専用/24時間対応)
営)11:00〜16:00 / 17:00〜21:00(金・土:〜22:00)
休)月(月曜が祝日の場合は通常営業、翌火曜休)
https://friendshop.tokyo/
※10月3日からは4周年記念スペシャルメニューの提供をスタート!
YK/大学時代、元週刊プレイボーイ編集長で現在はエッセイスト&バーマンの島地勝彦氏の「書生」としてカバン持ちを経験、グルメの洗礼を浴びる。ホテルの配膳のバイト→和牛を扱う飲食店に就職した後、いろいろあって編集部バイトから編集者に。好きなものはオーセンティックバーとトラットリア。目前に迫るワインエキスパートの二次試験(テイスティング)に向け、ワインに溺れる毎日。
photography: Mirei Sakaki