使い終わったコルク、どのようにリサイクルされているの?

Gourmet 2024.03.01

世界最大のコルクメーカー、アモリムグループは、伝統的にワインに使われるコルク栓のサスティナブルなリサイクルシステムを整えている。

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コルク栓はリサイクル可能な天然素材。photography : Shutter Stock

コルクは天然製品だ。主にスペイン、ポルトガル、北アフリカで栽培されている樹木の樹皮からコルクは採れる。この樹木はその名もコルクガシと言う。コルクは古代よりアンフォラ(土甕)の封印に使われてきた。近代に入り、ワインの栓として欠かせない存在となった。植物素材であること、古くから使われてきて定評があることからコルク栓はいまも絶大な人気を誇る。それが天然コルクであろうと、一部圧搾コルクであろうと、圧搾コルクであろうと。

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フランスの世論調査会社、OpinionWays が2014年に実施した調査によると、フランス国民の83%、ワイン生産者の70%がコルク支持派だ。コルク栓は、なによりもワインの保存に向いているという利点がある。とりわけ長期熟成ワインは長い間寝かせることが前提だ。コルクはわずかながら空気を通し、ワインが常に酸素に触れることを可能にする。その結果、ワインが瓶の中でじっくりと熟成されていくことになる。

コルクの環境へ及ぼす影響を懸念する向きもある。この点、世界最大のコルクメーカー、アモリム社は生態系保護のための仕組みを整えている。同グループは14年前からコルク栓の回収・リサイクルプログラムを実施しており、おかげでフランスは5億1700万個のコルクのリサイクルを実現し、コルクリサイクルでは世界のトップを走っている。重量にして2千トン以上に相当する量だ。

コルクの回収は50近い協力団体からなるリサイクルネットワークを通じておこなわれる。その後、アモリム・コルク社のリサイクル工場に運ばれ、粉砕された後に航空業界や自動車業界、建設業界で再利用されることになる。さらにこのリサイクル活動の収益は、ガン研究を支援する「Agir Cancer(アジール・カンセール)」や障害者支援をおこなう「Bouchon de l'Espoir(ブション・ド・レスポワール)」など、さまざまなチャリティ団体へ寄付される。持続可能な開発という課題への対応は整っているようだ。

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text : Agathe Pigneux (madame.lefigaro.fr)

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