絶対味わうべき余市ワインの生産者3選と、北海道の自然派ワインを楽しめる札幌の名店へ!

Gourmet 2024.06.16

余市ワインのおいしさに感動し、現地を訪れた編集カナイ。個性豊かな3軒のワイナリーを訪れ、生産者の哲学を聞いた。札幌を訪れたらぜひ行ってほしい、北海道産ワインを堪能できるレストランもご紹介!

 関連記事:ドメーヌ・タカヒコに聞いた、余市の自然派ワインが世界から注目される理由とは?


ピノ・グリと"自根"にチャレンジする「ドメーヌ・モン」。

風が抜ける丘の上に、山中敦生さんが手がける「ドメーヌ・モン」の畑とワイナリーが見えてくる。元々はスノーボードのインストラクターとして茨城から北海道にやってきた山中さんだったが、地元出身のインスタラクターたちがシーズンオフには農家として畑で働く姿を見るうち、農業を志すように。働き始めた飲食店で北海道ワインのおいしさに目覚めソムリエの資格も取得、ワイン生産者になるという夢を叶えるべくドメーヌ・タカヒコの研修生となった。研修から2年、2016年に独立して自身の畑を取得。有機栽培、自然酵母によるワイン造りを手がけ、安定剤としての亜硫酸も添加しない自然派ワインを生み出している。

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ドメーヌ・モンのワイナリー。日本海から丘に向けて風が吹き上がる地形だが、磯の香りはない爽やかな空気だ。

「耕作放棄地の斜面を購入したのですが、まさに"雑木林"が広がっていました。最初の仕事はチェーンソー持って丘を登り、朝から晩まで木を伐採すること。二度とやりたくない作業のひとつです(笑)」

東向きの斜面で朝から日が差し、日照量は抜群だ。海からの北風が夜の気温を下げてくれるが塩害は全くなく、ブドウ栽培にこれほどいい場所もない。この場所を選んだいちばんの理由は「この土地に立った時に、『ここ、いいな』と思ったんです」という直感だったそうだ。

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斜面にある畑を下る山中さん。冬には雪が降るため、山の斜面を下方向に向かうようにブドウの木を仕立て、雪の重みで木が折れないようにしている。
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畑の一部には、山が削られたエリアも。土壌の栄養状態が良くなかったが、化学肥料を使わず前年に収穫したブドウの茎やブドウの搾り滓、米糠を撒いて土造りを始めた。

ドメーヌ・モンで育てているブドウはピノ・グリ1種のみ。ピノ・ノワールが突然変異を起こして派生したとされる品種だ。

「曽我さんのドメーヌ・タカヒコではピノ・ノワールを単一で育てていますが、僕もひとりでやっているので、ひとつの品種に集中して育ててみようと。余市と気候の似ているアルザスでよく造られているピノ・グリに、繊細で複雑な、北海道らしい味わいを反映できたらと思っています」

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ワイナリーはロフト方式になっている。圧搾しプラスチックの発酵タンクに詰めたワインはフォークリフトで2階へ。発酵が終わった後はタンクにホースを繋ぎ、重力でワインを樽に移していく。作業工程を増やさないことにより、可能な限り雑菌や不純物の混入を防いでいる。

ピノ・グリは白ワインとして扱われることも多いが、果皮が薄いため皮ごと発酵させ、いわゆる"オレンジワイン"的に仕上げることもある。収穫後に積雪があり、畑での作業を急がなければならないドメーヌ・モンもあえてこの方法を採用し、皮からのニュアンスをワインに加えている。

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自身で育てたピノ・グリを使用した「ドン・グリ」のほか、ほかのブドウ生産者から買ったブドウで仕込んだワインも熟成させている。樽に書かれた「八大龍王」とは水を司る龍神のこと。亜硫酸不使用のワインが健全に仕上がるように、という祈りを込めている。

山中さんのもうひとつ大きなチャレンジが、「自根」によるブドウ栽培も行なっていることだ。19世紀末にフィロキセラ(ブドウネアブラムシ)というブドウの根を食い荒らす微小な虫が大量発生し、ヨーロッパ系のワインブドウ品種は壊滅に近いダメージを受けた。以降、世界のほとんどのワイン用ブドウはフィロキセラに抵抗力を持つアメリカ系品種に接木することで虫害を防ぐという打開策をとっている。

しかし、ドメーヌ・モンは日本でも数少ない、接木をしない「自根」によるブドウ樹でワインを造っている生産者のひとりだ。これまで余市でフィロキセラが出たという記録はなく、一説によれば雪が溶ける時に土中に水が流れ込み、虫が窒息死するのだという。リスクもある選択をあえて選ぶ理由を、山中さんは「おもしろいからです」と朗らかに語る。

「台木への接木が当たり前になったブドウ栽培に比べ、自根のブドウは"野生感"がすごく、ひと言で言えば木が"暴れます"。栄養が分散してしまう脇芽が出やすく、花震い(花が咲くのに実が落下したりすること)や結実不良を起こしやすい。2023年は収穫量自体が少なく、昨年収穫分を追熟させているような状態です。それでも自根のブドウからできたワインからしか得られない、質のおもしろさがあります」

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「ドメーヌ・モン」の「ピノ・グリ」なので、ワイン名は「ドン・グリ」、自根のものには「ドン・グリJK」と名付けた。畑の周りには楢の木も茂り、秋には実際にドングリが転がる景色も広がるのだという。左からドン・グリ2022 ¥4,400(編集部調べ)、ドン・グリJK 2021(参考商品)

グラスを満たすのは、淡い琥珀色をした「ドン・グリ」の最新ヴィンテージ。白い花の香りに生姜やシナモンのようなスパイス感が。口に含むと、ほんのりとした甘味の後にコクのある旨味がぐわっと広がり、つい笑みがこぼれる。そして、自根のピノ・グリから造られた熟成中の「ドン・グリJK」を特別に試飲できることに。スパイスの奥に、土の香りもあるようなニュアンス。最初はちょっとミネラルのような硬さを覚えたが、その後にじわじわと開き、最後には旨味とともにやわらかさが口を駆け巡る。甘く、ほろ苦い、このボトルでしか味わえない感覚だ。

「余市はウニもおいしいです。余市のテロワールで生まれるピノ・グリと、ウニのような旨味たっぷりの海産物の組み合わせは、とてもおすすめです」

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ドメーヌ・モン
https://domainemont.com
北海道余市郡余市町登町898
※畑、ワイナリーの一般見学はおこなっていません。

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世界に誇れるワイン造りに挑む、「キャメルファームワイナリー」。

明治時代から、余市はリンゴの一大産地として名を馳せていた。かつては余市駅の前の大通りに個人経営のリンゴ問屋が軒を連ねていたというのだから、その勢いがわかるだろう。しかし1980年頃にリンゴの市場価格の下落が勃発。そんな中「これからはワインだ!」と先見の明を持ってワイン用ブドウの栽培に乗り出したのが、地元のリンゴ農家だった藤本毅さんだった。以来、ワイン用ブドウ栽培農家のパイオニアとして40年、11ヘクタールに畑を広げ、余市のワイン造りを牽引してきた。藤本さんが後継者を探し始めた頃、コーヒー豆や輸入食品を取り扱うキャメル珈琲グループと巡り会った。日本の自然の恵みを世界へ届け、地域の活性化につながることを願い、2014年に「キャメルファームワイナリー」がスタートする。2017年 醸造所を開設、2018年にファーストヴィンテージをリリースした。

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藤本さんが手がけた畑を現在はさらに広げ、新たにピノ・ノワールやシャルドネを植えたエリアも。移動にはゴルフカートを使用、ゴルフクラブの代わりに農機具を積み込んで広大な畑を進んでいく。

引き継いだブドウ樹はバッカス、ケルナー、レジェント、ブラウフレンキッシュ、ツヴァイゲルト......。いずれも寒さに強い、北海道を代表するドイツ系品種だ。近年ではピノ・ノワールやシャルドネなど国際品種も追加で植樹、19年からは除草剤の使用をやめ、減農薬にも取り組んでいる。ワイナリー長の伊藤愛さんは、取り組みについてこう語る。

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藤本さんからブドウ畑を継承した2014年当初からワイナリーに勤務するワイナリー長の伊藤愛さん。畑の仕事から醸造、熟成まで、すべてに携わるエキスパートだ。

「ワイナリーを始めて10年目になりますが、有機的な栽培はまだまだわからないことだらけです。畑で虫を発見したらすぐに写真を撮って調べ、それが益虫なのか害虫なのか、チームにデータを共有しています。ウサギが枝を齧って折ってしまったり、狐や鳥がブドウを食べにきたり、鹿が畑を荒らしたり......。下草も生えすぎると風通しが悪くなるので、草刈りも欠かせません。『ギシギシ』っていう葉の大きな繁殖力の強い雑草は抜くのもひと苦労で、スタッフたちとは『これがほうれん草だったらいいのにね』なんて話しながら作業しています(笑)」

藤本さんが画期的だったのは、通常は専門の農家が栽培するワイン用ブドウの苗木も自分で育ててしまったことだ。温室を自力で製作、細かく作業日誌を付けていた。畑の一画には苗木を植樹する台木育成用の畝も準備。そのノウハウを受け継ぎ、キャメルファームワイナリーでも一部の苗木は自社で育てることが可能になった。

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藤本さんから受け継いだ苗木生育用の温室。入り口には事細かに作業メモが貼られ、これまでの試行錯誤を未来に伝えている。

1シーズンの収穫で100〜120トン、瓶詰めすれば10万本以上になるキャメルファームワイナリーの醸造設備は、まさに近代的だ。いちばん大きなタンクで8000リットル、巨大なタンクが整然と並ぶ。

「キャメルファームワイナリーの主力商品は、冷涼地で採れた酸味が豊かなブドウで造るスパークリングワインです。タンクの中で二次発酵させる『シャルマ方式』で造るスパークリングワイン用のタンクも複数稼働しています」

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大きなステンレス製のタンクが並ぶワイナリー。品種、畑ごとにワインを醸造し、さらに奥にあるセラーへと運び込んでいく。

醸造されたワインは品種と使用用途に応じて特性を見極め、木樽やステンレスタンクで熟成工程に。同じ品種でも畑の区画ごとに味わいが異なるため、それぞれ別の樽で熟成させる管理を行なっている。木樽が並ぶ熟成庫は空気を動かすことなく温度調整ができるシステムにより、温度は常に一定に。また湿度も管理し、樽の乾燥を防いでいる。

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熟成庫ではスピーカーからモーツァルトの交響曲が常に鳴り響く。「音の微振動が熟成にポジティブな影響を与えるという研究もいくつか発表されています」と伊藤さん。

また、高価格帯となる瓶内二次発酵ワインは、瓶内の澱を集めるためボトルを回転させ、徐々に傾きをつけていくルミアージュという作業を人の手で行う。澱の上で熟成を重ねながら、繊細で滋味深い味わいを生み出している。

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ピュピートルと呼ばれる、二次発酵で生じた酵母の澱を瓶の入口に集める台。1本ずつ手作業でボトルを動かす、根気のいる作業だ。

ボトリングからコルク封入、キャップシール、ラベリングの作業はすべてベルトコンベアに乗せられ機械で行う。最後にスタッフの目視でボトルをチェックし、箱詰めへ。余市のワイナリーから、連綿と受け継がれた珠玉のワインが全国へと運ばれていく。

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キャップシール、ラベル貼付作業を終え、目視による点検で箱詰めしていく。

「10年前、私たちが来た時は後継者不足や離農が相次いでいて、どうやったら農業を続けていけるのかという問題に直面していました。キャメルファームワイナリーは、"企業だからこそ持続可能な農業"が叶うのではないか、と考えて活動を続けてきたんです。ありがたいことに国際品評会で『ピノ・ノワール プライベートリザーブ 2019』は2021年に、『ブラウフレンキッシュ プライベートリザーブ 2020』は22年に賞をいただくこともでき、余市のワインのおいしさを世界に広げる夢も少しずつ実現できてきました」

余市の丘の上で育まれたブドウから生まれたワインはいずれも完成度が高く、特に2023年から初出荷となったシャルドネの優美さには驚かされた。白い花、蜂蜜の奥に、ミントのような清涼感のある香り。口に含むと柚子やスダチのような和柑橘系の柔らかい酸味とふくよかな果実味があふれ、ヘーゼルナッツの余韻を残しながらゆっくりと口の中にとどまる。最良の区画から採れたピノ・ノワールは、驚くほどに滑らかなタンニンと綺麗な酸味、長く伸びていく余韻が夢心地だ。瓶内二次発酵で造られた繊細な泡はキレのある酸と豊かな果実味、ミネラル感に満ち、記念日にこそ開けたい祝祭感が漂っている。世界にも通用する余市のワインが、全国のカルディコーヒーファームや公式オンラインストアで購入できる......。 この幸福は、もっと知られていいはずだ。

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キャメルファームワイナリー
https://camelfarm.co.jp
北海道余市郡余市町登町1408
※現在畑、ワイナリーの一般見学、直営ショップの営業はおこなっていません。
※販売店により価格、取扱状況が異なる可能性があります。

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余市の可能性をさらに押し広げる「リタファーム&ワイナリー」。

余市の丘を車で進み、草丈の高い山道を分け入っていくと、中腹に開けたブドウ畑とワイナリーが突如見えてくる。左手にはニセコ山系、右手には日本海を望む、風の気持ちいい傾斜。ワインのインポーターをしていた菅原由利子さんと、醸造機器メーカーで勤務していた経歴を持つ誠人さんが夫婦で営むリタファーム&ワイナリーだ。

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畑を登って行くと余市の街、そして日本海を見下ろせる。朝と夕に山から吹き下ろすように風が吹くため、潮の香りはあまりない。

「リタファーム」とは、由利子さんの母がリンゴ園を営んでいた時の名前。NHKの連続テレビ小説でも話題になった、余市でウィスキー造りを始めた「マッサン」こと竹鶴政孝の妻、リタにあやかってつけた名前だったが、一度は離農し家族は札幌へ。ワイン好きが高じてインポーターになった由利子さんは、シャンパーニュでワイン造りの研修を開始。フランスで自然派ワインに出合い、その魅力に惹かれていく。東京でもナチュラルワインのブームが起きていることを目の当たりにした夫妻は、日本でのワイン造りを決める。各地で畑を探すうちに、家族が手放したリンゴ畑の土地を購入できると知り、地元で起業することに。2011年、余市の地元出身者としては初めてのワイナリーが誕生した。

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同じ品種を同じ時期に植えても、山の上と下では栄養バランスや保水量が変わるため、樹幹の太さが異なる。概して丘の上の木になるブドウのほうが、細い幹でも糖度が上がりやすい傾向にあるという。

「当時の余市はワイン造りという文化が浸透しておらず、原料の町と見なされていました。育て始めたのはメルロー、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、そしてピノ・ノワール。親戚も契約農家でしたから、自然派で濁りのあるワインを造ることやフランス系の品種を造ることには、結構反対されました」

畑を案内しながら誠人さんはそう語る。北と南に植えたピノ・ノワールから造られた「1824 風のヴィンヤード ピノノワール 2019」はインターナショナルワインチャレンジ2023で銀賞に入賞、自社畑から初リリースとなった「1824 風のヴィンヤード ソーヴィニヨンブラン2021」は銅賞を獲得するなど、由利子さんが手がけるワインは世界からも注目を集めている。

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ワイナリーでは研修生が瓶詰め、コルク封入の作業を行なっていた。こちらもすべて手作業で行なっている。

2024年6月には、念願だったオーベルジュも開業予定。会員向けにワイナリーでのイベントや宿泊体験なども行なっていく。余市というテロワールを全身で体感する、"アグリツーリズモ"を実現するワイナリーへと進化を続けているのだ。

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工事中だったオーベルジュを特別に撮影させてもらった。1階はカウンターキッチンを備え、2階は宿泊設備が整う。大きなガラス張りの窓からは畑の斜面が一望できる。

その取り組みはワインだけにとどまらない。「ワインを造る際、ブドウの絞り滓がどうしても発生します。これをどうにか利用できないかと思っていたのです」と誠人さん。余市を流れるヌッチ川の畔にあった元農協施設を再利用し、ここでぶどうの絞り滓から蒸留するグラッパ(=マール、ブランデー)造りを行う蒸留所を稼働させることに。醸造機器のメーカーにいた経歴を活かし、設備のデザインは誠人さんが自ら手がけた。

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単式蒸留器と複式蒸留機を組み合わせた、日本初上陸となるハイブリッド蒸留機を準備。その後ろにはウィスキーを蒸留する単式蒸留器を設置。

「ほかにも余市のリンゴで造ったシードルも蒸留してアップルブランデーを造ろうと思っています。また、ハイブリッド蒸留機の後ろには2機の単式蒸留器を準備し、北海道で育てた麦芽から造るウィスキーを仕込んでいきます。余市のものはなんでも蒸留してみよう、という気概です(笑)」

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蒸留設備の裏にある、かつての備蓄米倉庫で蒸留酒を貯蔵している。大正時代に基礎が建てられた、夏場も冬場も温度変化の少ない石造りの倉庫だ。

新たな試みを続けるリタファーム&ワイナリーのワインは、どこまでも優しく滋味深い。野生酵母だけで発酵させた、身体になじむような味わい。余市産のデラウェアを使った「タルデラ バタフライ」は、優しく甘いフルーティな果実味がしみじみと伸びていく心地よさ。旅路、という珍しい品種を使った「十六夜 旅路」は、酸味がじっくりと広がる、どこか懐かしいようなおいしさだ。ボトルによっては、信濃屋を始め都内の酒販店で購入することも可能! ぜひこの世界観を味わってみてほしい。

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左から十六夜 旅路¥1,980、風のヴィンヤード ソーヴィニヨンブラン2018¥3,528、タルデラ バタフライ2023 ¥2,310、野薔薇 デラウェア ローズ¥2,450
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リタファーム&ワイナリー
www.rita-farm.jp
北海道余市郡余市町登町1824
※畑、ワイナリーの一般見学はおこなっていません。

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「ホッカイドウ キュイジーヌ カムイ」で、北海道ワインを堪能し尽くそう!

札幌駅から徒歩15分、ランドマークであるテレビ塔の向かいに2021年にオープンしたホテル、ザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌大通公園。その1階にあるレストラン「ホッカイドウ キュイジーヌ カムイ」は、北海道産ワインが揃う"発信地"だ。

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ホテルエントランスを入ってすぐ左にある、開放感あふれるレストラン。カウンターキッチンではシェフの手仕事を堪能でき、奥のラウンドテーブルであればラウンジのようにワイン片手にくつろぎの時間を過ごせるだろう。

ワインのコーディネートを手がけてくれたのは、北海道ワインに精通したスタッフの野村稜希(いづき)さん。月に3度は畑の手伝いに行き、生産者と交流を深めているそう! 生産者たちとの信頼関係も深く、ほかではなかなか飲めない希少な北海道ワインが揃う。「収穫の時期はレストランのスタッフが交代で現地を訪れ、作業を手伝いながら理解を深めています」と語ってくれた。

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ドメーヌ・タカヒコやドメーヌ・イチなど、人気沸騰で入手困難な余市産ワインを中心に、次世代の注目生産者が台頭する空知地方のワインも紹介してもらった。

レストランの食材も北海道産にこだわり抜いている。また、北海道が誇るチーズの盛り合わせもぜひトライしてほしい。札幌にいくことがあれば、必ず立ち寄りたいスポットのひとつだ。

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素材の味を活かす、シンプルな料理が身上。北海道自慢の野菜や乳製品を、ワインと堪能しよう!
 

帰りの飛行機の時間が近づくのを感じながら、しみじみとグラスを傾ける。次はいつまた北海道のワイナリーを訪れることができるか、旅の予定を立てはじめるのだった。

ホッカイドウ キュイジーヌ カムイ
北海道札幌市中央区大通西1丁目12 1F ザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌大通公園
営)モーニング7:00〜L.O.9:30、ランチ11:30〜L.O.14:00、アペロ15:00〜17:30、ディナー17:30〜L.O.21:00
※イベントや予約状況等により、時間変更の可能性あり。詳しくは直接レストランへお問い合わせ下さい。
tel: 011-212-1361
https://hc-kamuy.jp
カナイヨースケ フィガロジャポン編集部、WEBグルメ担当。大学時代、元週刊プレイボーイ編集長で現在はエッセイスト&バーマンの島地勝彦氏の「書生」としてカバン持ちを経験、グルメの洗礼を浴びる。ホテルの配膳のバイト→和牛を扱う飲食店に就職した後、いろいろあって編集部バイトから編集者に。2023年、J.S.A.認定ワインエキスパートを取得。好きなワインのタイプはイタリアをはじめとした日当たり良好系。

photography: Mirei Sakaki text: Yosuke Kanai(madame FIGARO japon)

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