知っておきたい、注目の日本ワイン産地&造り手12選!

Gourmet 2025.04.16

ワインも「多様性の時代」を迎える中、日本ワインも各地のテロワールによってバラエティが豊かに! いま大注目の産地&生産者を、ボトルとともにご紹介。

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北海道・三笠
山﨑ワイナリー

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山﨑太地

空知に根ざした農夫が、北の大地の味を醸す。

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冷涼地に向くピノ・グリに近年注力。収穫を引っ張ってゆっくりと完熟させ全房で圧搾、一部野生酵母、一部樽発酵。熟した洋ナシや南国フルーツのとろりとした果実感。「ピノ・グリ 2023」750ml ¥3,300 http://www.yamazaki-winery.co.jp/

炭鉱の町・三笠に続く農家が2002年に創業。4代目となる亮一と太地兄弟が家業を担い、14ヘクタールの自社畑から造る北国の風土を表現したワインにプロのファンも多い。直販が少ない北海道で、多くを自社で販売する生産者。

●ショップ 
営)10:00~17:00(土、日、祝) 
※1月~3月、11月~12月は10:00~15:00 ワイナリー見学不可

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北海道・余市
キャメルファームワイナリー

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アンジェロ・トータロ

余市の風土に、イタリアの匠が融合。

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北海道の代表的な白品種ケルナーの40年を超える古木を使用し、すっきりとドライに仕上げた。ユズや洋ナシの香り、白コショウのピリッとしたスパイシーさがよい。「ケルナー 2023」750ml ¥4,235 https://camelfarm.co.jp/

余市のブドウ栽培の草分けである藤本毅の畑を引き継ぎ、イタリア人醸造コンサルタントの監修でスタート。現在はイタリア人のトータロが醸造長を務め、ケルナーやツヴァイゲルト、ピノ・ノワール、シャルドネなどを栽培。クラシックなスタイルに評価が高く、ワインアワードでの受賞を重ねる。

●ショップ休業中 ワイナリー見学不可

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山形・上山
ベルウッドヴィンヤード

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鈴木智晃

山形のヴィンテージと、気候風土をボトル詰め。

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上山産の厳選マスカット・ベーリーAを低温でゆっくり醸し、短期間樽熟成。ダークチェリーや甘草の香り、ジューシーながら凝縮感も。「マスカット・ベーリーA コレクション スペリオール 2023」750ml ¥2,750  https://bellwoodvineyard.com/

山形県内のワイナリーでマスカット・ベーリーAの名手と謳われた醸造長が上山地区の土壌に可能性を見いだして独立し開業。欧州系品種を植える80ヘクタールの自園と上山のベテラン農家が栽培するブドウから、土地や収穫年の個性を生かしてワイン造りを行う。

●ショップ
営) 11:00~17:00 
不定休  ワイナリー見学不可

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山形・南陽
酒井ワイナリー

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酒井一平

老舗生産者が始めた、新しい取り組み。

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山形が全国一の生産量を誇るデラウェアを全房で3週間、色と旨味を抽出。アンズやショウガ紅茶のニュアンスで、エチケットのシジュウカラのように親しみやすいオレンジワイン。「四十雀 2021」750ml ¥2,970  http://www.sakai-winery.jp/

一平は赤湯に代々続く酒井家20代目。東京農業大学大学院卒業後に家業に加わり、ワイナリー5代目当主に。急斜面の畑に羊を放牧して循環型農業を行うなど栽培や醸造を刷新し、再注目される。骨格のある赤ワイン「名子山」は逸品。

●ショップ 
営)13:00~16:00(月、火、木、金)、10:00~16:00(土、日) ワイナリー見学不可

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新潟・角田浜
カーブドッチワイナリー

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草野竜征

注目のアルバリーニョ、入門編に最適な一本。

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山形産をメインに新潟産とフラッグシップである自社畑のアルバリーニョをブレンドし、"ルノー(Le Nord)=北"の可能性を表現。黄桃やアンズのアロマとリッチな果実感。「アルバリーニョ・ルノー 2023」750ml ¥4,620  https://www.docci.com/ 

ボルドー左岸に似た砂質土壌に着目して拓かれた新潟ワインコーストの中心地。2024年に醸造責任者に就任した草野がどうぶつシリーズ以外を手がける。ワインツーリズムの先駆けでもあり、カフェやレストランはもちろん、トラヴィーニュ、ヴィネスパの宿泊もおすすめ。

●ショップ
営)10:00~17:00 ワイナリーツアー(予約制)あり

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富山・永見
セイズファーム

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田向 俊

美しいロゼの泡に、氷見の情景が浮かぶ。

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早期収穫のカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロを直接圧搾し、樽発酵させた瓶内二次発酵のロゼスパークリング。赤い果実の香りとフレッシュな酸、淡い色もチャーミング。「アワ ロゼ 2023」750ml ¥4,700  https://www.saysfarm.com/

海風と穏やかな光、降り積もる雪。田向が造るのはそんな氷見の情景が浮かぶようなワイン。富山湾を見下ろすワイナリーには果樹園や農園もあり、レストランやファームステイが楽しめる宿泊施設も備える。人気のアルバリーニョを増殖中で生産量増が期待される。

●ショップ
営)10:00~17:00 宿泊者のみ施設見学可

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長野・東御
ヴィラデストワイナリー

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小西 超

先見の明で産地を醸成、未来を拓くワイン造り。

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栽培の難しいピノ・ノワールをきれいに仕上げた逸品。古樽で1年熟成、赤系ベリーや甘草、キノコのニュアンスもあり、落ち着きのあるエレガントな佇まい。「ピノ・ノワール 2019」750ml ¥5,500  https://www.villadest.com/

多くの研修生や委託醸造を受け入れて、千曲川流域を一大ワイン産地に導き、日本ワインの発展に寄与するエポックメイキングなワイナリー。開業から携わり、後進の指導にもあたる小西のワイン造りは繊細で緻密、確かな品質を誇る。

●ショップ
営)10:00~17:00 
休)冬季 
ワイナリーツアー(土、日、祝・予約制)あり、自由見学可

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長野・塩尻
井筒ワイン

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野田 森

安定した量と価格は、デイリーワインに最適。

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18カ月樽熟成。プルーンやクローブ、カカオのニュアンスも。なめらかなタンニンが優しくふくよかな果実味に溶け込み、肉料理や蒲焼きと楽しみたい。「メルロー 樽熟 2021」720ml ¥4,430  http://www.izutsuwine.co.jp/

1933年にメルロの銘醸地・桔梗ヶ原に創業し、自社畑と100軒超の契約農家のブドウから年間80万本を生産。30種近くの品種を安定した味わいに仕上げるのが野田の手腕。シャルドネやメルロなどいずれも良心的な価格設定で、日々のテーブルにぴったり。1000円台のワインの質の高さにも驚く。

●ショップ
営)9:00~17:00 施設見学不可

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長野・高山村
信州たかやまワイナリー

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鷹野永一

注目エリア・高山村のワイン造りを牽引。

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標高500~700mの日当たりのよい畑のブドウを区画ごとに仕込んでブレンド。柑橘や青シソの香り、豊かな酸と果実感。余韻に塩味も。「ソーヴィニヨン・ブラン 2022」750ml ¥3,025  https://www.shinshu-takayama.wine/

シャルドネで成功し、長野を代表する産地のひとつとなった高山村。大手ワイナリーで研鑚を積み、ボルドーでのワイン造りも経験した鷹野はワイン産地形成も担う醸造家。技術共有や実践の場の提供を通じて人材育成に努める。酒質に優れた高品質のワインでその実力がわかる。

●ショップ
営)9:00~16:00 ワイナリー自由見学可

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山梨・塩山
機山洋酒工業

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土屋幸三・由香里

ワインの佇まいに、哲学と美学が表れる。

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甲州100%を瓶内二次発酵させた名品スパークリングワイン。微細な泡立ち、青リンゴをかじったような果実感とシャープな酸。「キザンスパークリング トラディショナル ブリュット」750ml ¥3,430(ワイナリー直売価格、2025年3月再販予定) https://kizan.co.jp/

いずれも大阪大学で発酵工学を学び、醸造試験場研修時に出会った土屋夫妻は旧家・土屋家がワイン製造を始めて3代目。甲州やブラック・クイーンを中心にアイテムを増やさず価格も上げず、ストイックにワインを造る。茶人でもある幸三の哲学と美学は信奉者多数。

●ショップ
営)9:00~16:00 
不定休 ワイナリー見学不可

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岡山・新見
ドメーヌ・テッタ

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菅野義也

石灰岩土壌が生む、ミネラリーなワイン。

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パンダのエチケットでおなじみ。完熟を待って収穫したシャルドネを樽熟成。白桃のコンポートやユリの花、吟醸香。リッチでまろやかな口当たり。豚や鶏に合わせられる。「シャルドネ・ドール 2022」750ml ¥6,490  https://tetta.jp/

日本で稀有な石灰岩土壌の耕作放棄地を開墾して設立されたワイナリー。山梨で修業した2代目醸造長の菅野が代表の高橋竜太とともに未来を見据えたワイン造りを実践。醸造所は、ポンプを使わず重力を利用して液体移動させるグラヴィティフローシステムを採用。

●ショップ
営)11:00~16:00(予約制) 
不定休 ワイナリー見学不可

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大分・安心院
安心院葡萄酒工房

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古屋浩二

雨にも台風にも負けず、人の知恵で品質を維持。

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水捌けの良い畑の糖度の高いアルバリーニョで造る上級キュヴェ。華やかな香りと厚みのあるテクスチャー、ボリュームがあり飲みごたえあり。「安心院ワイン 極果 アルバリーニョ 2023」750ml ¥7,315  https://www.ajimu-winery.co.jp/

シャルドネやスパークリングワインはコンクールの常連で、品質、生産量ともに日本を代表するワイナリーのひとつ。南のアルバリーニョの雄でもある。名門カリフォルニア大学デイヴィス校に学んだ古屋の指導下、不安定な気候に対峙しつつ優れた酒質のワインを造る。

●ショップ
営)9:00~16:00(月、水~日)  ワイナリー自由見学可

*「フィガロジャポン」2025年2月号より抜粋

illustration: Chii Yasui text: Hiromi Tani

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