ブルゴーニュワイン好き必見! 青山に登場した「OMAKASE青山ガーデン byGMO」のオープニングエキシビジョンがすご過ぎた。

Gourmet 2025.12.26

YOSUKE KANAI

今日のワイン選びがちょっと楽しくなる連載「ワインテイスティングダイアリー」。フィガロワインクラブ副部長・カナイが日々、ワインを求めて畑へ、ワイナリーへ、地下倉庫へ、レストランへ、セミナーへ......。美しいワインがどのように育まれるかの物語を、読者の皆さまにお届けします。

今回は青山、スパイラルの目の前に登場した体験型文化施設「OMAKASE青山ガーデン byGMO」について。ブルゴーニュファンは必ず行ったほうがいいスポットです。


勝手な思い込みだが、ワインが好きになればなるほど、ブルゴーニュの奥深さにハマっていく気がする。基本的にはピノ・ノワールかシャルドネのモノセパージュ(単一品種)にも関わらず、生産者、村、畑、ヴィンテージの要素でまったく違う顔を見せるワインたち......。世界中に愛好家がいる、奇跡の産地。他の産地の同じ品種も素晴らしいものがあるというのに、多くの生産者がブルゴーニュを手本に味わいの方向性を組み立てる。その理由を解き明かす鍵の一端が、青山のど真ん中に出来たのだから驚きだ。その名も「OMAKASE青山ガーデン byGMO」。

IMG_2754(大).jpeg
会場に入ると四面が赤いカーテンに覆われ、ワイングラスで出来たシャンデリアが観客を迎える。正面、右手、左手はスクリーンになっており、ここからブルゴーニュへの旅が始まる。

GMOインターネットグループの創業者にして会長・熊谷正寿は自他ともに認めるブルゴーニュラバー。若き頃、ブルゴーニュワインに開眼して以来、自身の会食にもボトルとソムリエを同伴するほどの「ワイン外交」を取り入れ、ビジネス上の繋がりを築き上げてきた一面があるのだという。その情熱をもとに一から作り上げたプログラムが、このOMAKASE青山ガーデン byGMOのオープニングエキシビションとして開催されている。「東京でブルゴーニュを体感できる」と聞き、至高のブルゴーニュワインを体感できる「青山ワイン会」のメディアイベントに出かけた。

IMG_2759(大).jpeg
カシスリキュールをシャンパーニュで割ったキールロワイヤルと、熊谷が監修したアミューズブッシュを味わいながら映像を堪能。提供された皿はエルメスによるもので、ここでも一切の妥協はない。

ゲストは熊谷がディレクションしたアミューズブッシュとアペロのドリンクを楽しみながら、巨大なスクリーン三面にわたって映し出されるブルゴーニュの映像に浸る。ヴォーヌ・ロマネ村を中心に、偉大なワインがどのように生まれているのかを畑や生産者の映像、アニメーションを通じて非常にわかりやすく描き出していく。このストーリーや構成も熊谷によるというのだから脱帽だ。筆者が特に感動したのが、ブルゴーニュの傾斜と土壌を示すシーン。立体的な地図が映し出され陽光が当たる向きを目の当たりにし、さらに土壌の断面図が映し出され、標高が高いところから低いところへとどのように地層が織りなされているのかがわかる。テロワール(風土)、そして生産者の飽くなき探究心と絶え間ない努力によってワインが生み出される訳だが、現地に行った気分にさせてくれる映像に、心動かされるのだ。

---fadeinpager---

グランヴァンを飲む、という体験を。

映像が終わった後、後方に下されていた赤い幕が左右に開き、光り輝く8人がけのバーカウンターが現れた。大理石調のカウンターにはエルメスの食器とリーデルのブルゴーニュグラスがセットされ、ソムリエが本日のワインを説明する。

251225-omakaseaoyama-bygmo-01.jpg
この日のワインはオスピス・ド・ボーヌ マジ・シャンベルタン グラン・クリュ 2022。オスピス・ド・ボーヌとは1851年から始まった世界最古のワインチャリティーオークション。落札者の名前がラベル下に掲示されるが、ここにはもちろんGMOインターネットグループの名前が。

この体験イベント「青山ワイン会」は完全予約制で、営業日や提供されるワインは日毎に変動するのだという。メニュー表には「今夜の奇跡は」と記されており、イベントごとに提供されるワインの詳細がテイスティングノートから畑の情報、ラベル情報まで実に細かく記載されている。ワインの説明書きも熊谷の手によるものだと聞き、その情熱に感服してしまった。

この日グラスに注がれたのはオスピス・ド・ボーヌ マジ・シャンベルタン グラン・クリュ 2022。香りを嗅げば、バラやスミレが立ち上りながら、どこかに苔、雨の降った後の庭のような香りが抜けていく。口に含むとイチゴ、ラズベリーのフレッシュな感覚に、ちょっとした鉄分のニュアンスが心地いい。タンニンはどこまでもシルキーで滑らか、余韻は長く酸味が口を引き締めてくれる。間違いなくいま飲んでもおいしいし、ワインセラーの中でどのような熟成を経るのかが楽しみな、ポテンシャルに満ちあふれた一本だった。

IMG_2781(大).jpeg
メディアイベントに駆けつけてくれた熊谷会長。ブルゴーニュにかける情熱を全力でプレゼンテーションしてくれた。

「『青山ワイン会』はもちろん、この施設にはキッチンも、映写設備も、そして200人を収容できるスペースがあります。あらゆるシェフやクリエイターに創造性を発揮してもらえるホワイトボックスとして、この空間を使って欲しいんです」と熊谷は語る。実際、前日にはカウンターを利用して寿司職人を招き、ワインと寿司のペアリングディナーを行ったのだという。

「隣には『青山ブルゴーニュ.shop』というワインショップも併設しました。日本最大級の品揃えで、スタッフがお客様の要望をお聞きして最高のボトルを選ぶお手伝いをします」

また、2026年春には会場の外に「青山ワインテラス」という立ち飲みができる空間もオープン予定だ。

「ブルゴーニュワインの『角打ち』をつくりたかったんです。ショップで買っていただいたワインは、抜栓料なしでその場でお楽しみいただけます。料理は、近隣の青山のお店で買っていただいたものや、ケータリングを取り寄せてもOKにしようと思っています」

ワインと食事を求め、近隣のTWO ROOMSやWALL南青山によく訪れている筆者だが、来年はさらに青山に出没する機会が増えそうだ。もしこれを読んでいる読者と次の春、青山ワインテラスで同席すること機会があったら、ぜひグラスを掲げ、ブルゴーニュに想いを馳せながらぜひワイン談義に花を咲かせたい。

OMAKASE青山ガーデン byGMO
https://omakase.in/ja/aoyama-garden

フィガロJPカルチャー/グルメ担当、フィガロワインクラブ担当編集者。大学時代、元週刊プレイボーイ編集長で現在はエッセイスト&バーマンの島地勝彦氏の「書生」としてカバン持ちを経験、文化とグルメの洗礼を浴びる。ホテルの配膳のバイト→和牛を扱う飲食店に就職した後、いろいろあって編集部バイトから編集者に。2023年、J.S.A.認定ワインエキスパートを取得。

記事一覧へ

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest
年末年始に読みたい本
35th特設サイト
パリシティガイド
フィガロワインクラブ
Business with Attitude
BRAND SPECIAL
Ranking
Find More Stories

Magazine

FIGARO Japon

About Us

  • Twitter
  • instagram
  • facebook
  • LINE
  • Youtube
  • Pinterest
  • madameFIGARO
  • Newsweek
  • Pen
  • CONTENT STUDIO
  • 書籍
  • 大人の名古屋
  • CE MEDIA HOUSE

掲載商品の価格は、標準税率10%もしくは軽減税率8%の消費税を含んだ総額です。

COPYRIGHT SOCIETE DU FIGARO COPYRIGHT CE Media House Inc., Ltd. NO REPRODUCTION OR REPUBLICATION WITHOUT WRITTEN PERMISSION.