ギフトや手土産にもおすすめ! お茶好きが愛する茶葉と茶道具。
Gourmet 2025.07.04
ギフトや手土産にもぴったりな日本茶。お茶をこよなく愛する俳優や業界人たちが、心を奪われた茶葉と茶道具について語る。
市川実和子
女優・モデル
「生活の身近なところにあったせいか、時折、湧き上がるように、日本茶が飲みたいなぁと思うことがあります。旨味はあるけれど味が強すぎることもなく、食事と一緒に飲んでも合う。気が付くとそっと生活に寄り添っていてくれるところに魅力を感じます。夏はたくさん飲むので、水出し茶を常備しています」
葉や茎、枝ごと焙じた風味を楽しむ。
300g¥966
月ヶ瀬健康茶園
『有機ほうじ番茶』
貯蔵庫で一定期間熟成した番茶を、出荷直前にじっくり焙煎。渋みがなく、番茶特有のすっきりとした甘さと香気で飲みやすい。「大好きなお店で知ったお茶。なんとも優しく穏やかなほうじ茶で、たっぷり飲めます」
力強い香りの品種で作る釡炒り茶。
90g¥972
宮﨑茶房
『有機釡炒り茶上級』
やぶきた、さきみどり、かなやみどり種などの茶葉をブレンド。「釜炒り茶を初めて飲んだ時、その香ばしく爽やかな香りと味に驚きました。特にこの釜炒り茶は、わぁ~!と声が出たくらい。それからずっとファンです」
冷たいお茶をじっくりと。
グラス(φ4.7×H7cm)¥3,190
木村硝子店
『モールグラスS』
料理家の渡辺有子からリクエストを受け、木村硝子店が制作。「夏は水出しした緑茶を、この小さなグラスでじっくり飲むのが好き。形のせいか、香りをよく感じられます」
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はな
モデル
「祖母と暮らしていた頃、目が合うたび『はなちゃん、お茶飲む?』と聞かれていました。その時、最後の一滴まで注ぎ切る大切さを教わり、以来、お茶を飲むことは特別な時間に変わりました。茶道を始めて9年目になりますが、家でも余裕がある時は抹茶を点てます。朝は和食なので、食事中はほうじ茶をいただきます」
手土産にも喜ばれる京都限定品。
20g¥1,620
一保堂茶舗
『京極の昔』
ふくよかな旨味と甘味を感じながらも後味はすっきり。薄茶、濃茶どちらにもおすすめ。「京都限定品なので、京都駅で見かけたら買うようにしています。旨味と甘さのバランスがよく飲みやすいので、家で抹茶を点てる時の定番に」
毎日飲めるおいしさと安心感。
80g¥540
一心園
『茎ほうじ茶』
有機栽培したお茶の茎だけを鉄釜でじっくり焙煎。旨味の後に、やわらかな甘味が広がる。「取材で訪れてからずっと飲み続けているお茶。無農薬なので気軽に飲めて、食事にも合います。いつも多めに淹れて、保温ボトルに移して持ち歩いています」
きめ細かな泡立ちにときめく。
茶筅(11cm)¥6,380(編集部調べ)
和北堂 谷村丹後
『茶筅(ちゃせん)』
室町時代から一子相伝で受け継がれてきた、20代目谷村丹後の茶筅。「かがり糸の色が豊富で、季節や趣向に合わせて選べます。好きな色の糸で茶筅が作れる糸かけ体験もおすすめ」
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彗星菓子手製所
和菓子作家
「茶菓の会を開くようになって、自分が作る菓子に合うお茶を探すようになりました。その中で感じる日本茶の魅力は、いまを丁寧に味わうところ。春は煎茶、初夏は新茶、秋は和紅茶、冬はほうじ茶など、その季節に飲むとおいしいお茶を想像しながら、合わせる菓子や料理、その時の気分によって選んでいます」
心がゆるむ響きと味わい。
50g¥756
つきまさ
『自然製法 ぐり茶 ちんがりまんがり』
農薬や化学肥料を使わない、自然製法のお茶。ユニークな名前は、茶畑と工場がある静岡県島田市の古い方言で「曲がりくねった道」という意味。「人生を応援してくれているような、肩の力が解けるネーミング。飲むと心もほっとします」
黄金色の芳ばしい味わい。
50g¥1,200/アラボン
清水善行
『童仙房在来ほうじ茶』
京都の陶芸家・清水善行が、地元童仙房で収穫される一番茶を土鍋で焙じたお茶。「旅先で出合い、一期一会のお茶と思って大切に飲んでいました。すると翌年、仕事で清水さんとお会いしてほうじ茶の作り手と知り、ご縁が繋がりました」
茶会で大活躍! チタン製ピッチャー。
ピッチャー(φ7.8×H16.3cm)¥35,200
サスギャラリー
『Pitcher(S)』
チタン製の真空二重構造により優れた保冷・保温力を実現。「熱いお茶も2煎目も、30分は飲み頃の温度が保てる茶菓の会に欠かせない道具。10年愛用しています」
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宮濱祐美子
フォトグラファー
「母が静岡県出身で、子どもの頃から日常的に静岡茶を飲んでいました。日本茶の中では特に深蒸し茶が好きで、適当な温度で大らかに淹れてもおいしく飲めるので気に入っています。湯呑みはその時々で好きな形があり、最近は細いタイプがマイブーム。好きな茶器を揃えていくと、お茶の時間がより楽しくなります」
赤紫蘇が香るモダンな和紅茶。
30g¥2,800
山中温泉 花紫
『No.18 花紫ブレンドティー(紅)』
石川県で唯一お茶作りをしている打越町の和紅茶に、県内ハーブ農園の赤紫蘇をブレンド。「赤紫蘇入りなので、甘いものに限らず、和食とも相性抜群。フレンチの最後に出されるミントティーのように、食後に飲むとすっきりします」
高原の風を感じる爽やかさ。
30g¥540
健一自然農園
『自然栽培 煎茶』
標高300m以上の奈良・大和高原で農薬・肥料不使用で育てた茶葉の新芽を、蒸し緑茶製法で揉み上げた煎茶。「茶園で自然のままに育つ茶葉や、優しい手摘みの作業を見て心惹かれました。日頃飲んでいるお茶の中でも、味の深みが格別」
ゆるく真面目な染付の美。
湯呑み各¥11,000/ともにギャラリー一番館 ※湯呑みは8月入荷予定
丸田宗一廊
染つけ湯呑
佐賀の陶芸家・丸田宗一廊による初期伊万里を彷彿とさせる湯呑み。「あまり出合えない丸田さんの作品に唐津で巡り合い購入。絶妙な線のゆらぎがよい」
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KAORU
フードアーティスト
「祖母がいつも煎茶を淹れてくれたので、幼い頃からお茶は日常的なものでした。その影響からか、いまでも煎茶は季節を問わずいただいており、夕食後は特にほうじ茶を好んでいます。日本茶の魅力は、種類が豊富で食前、食中、食後の合わせができること。何より飲むとほっとするので、その時の気分で選ぶのも好きです」
茶人にも愛される香しいほうじ茶。
180g¥2,160
柳桜園茶舗
かりがねほうじ茶 香悦
厳選した茶葉の茎を完熟させ、独自の技術で丹念に焙煎した浅煎りのほうじ茶。「京都の旅館でいただいてからファンに。上品な中にも力強い香ばしさがあることが印象的。お腹を落ち着けたい食後にいただくのが好きです」
宇治茶本来の香りと旨味を凝縮。
100g¥1,620
童仙房茶舗
無農薬有機栽培宇治茶 かぶせ茶
宇治茶の産地として知られる京都・童仙房で、農薬や化学肥料を使わず有機栽培した一番茶のみ使用。「玉露のように風味もよく、まろやかな味わい。しとしと雨が降る日の朝などに、ぼーっとしながらいただくのが好き」
使うほどに味わいが増す名品。
茶こし(φ6.5×H5×W16.5cm)¥4,180
辻和金網
『茶こし 銅×ステンレス(中)』
編み目の美しさと細かさが特徴で、緑茶や紅茶、粉茶にも対応。「長年検討して、最近ようやく購入。手仕事が息づく茶こしを手にすると、お茶も丁寧に淹れたくなります」
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茂木雅世
日本茶アーティスト
「小さい頃から急須でお茶を淹れることがとても好きでした。日本茶の魅力は、心地いい句読点になってくれること。朝起きたらまず白湯を飲み、その後かりがね茶を飲むのが日課です。呼吸が浅い時はほうじ茶や香りに特徴のあるお茶を、寝る前は玄米茶や寒茶など、音楽を選ぶように気分に合わせて楽しんでいます」
茶園の風を感じる爽やかな一品。
80g¥1,620
高梨茶園
『丹沢遠山茶極上煎茶』
八十八夜前後のみる芽(若い芽)を使った上品な味わい。「秦野の山奥にある茶畑は、近くに湧き水もあり、訪れるたび癒やされるリトリートスポット。清らかな空気に包まれた茶畑の心地よさを感じたい時、爽やかなこのお茶をいただきます」
その時期のベストな品種茶を厳選。
200g¥1,620
つきまさ
『日本緑茶党』
茶師が扱ってみたい個性的な品種を、期間・数量限定で販売するシリーズ。今年2月に発売された第9弾は、静岡県牧之原産の品種「香駿」。「万人受けするお茶より、クセになるお茶を作りたいというコンセプトが好き。心に残るお茶です」
桐の香に癒やされるミニ茶箱。
茶箱(W8×H9.1×D12.8cm)¥6,500/オモイデバコ
桐箱 オザキショウタロウ
『ちゃばこ~すえる~』
両手に収まる小さな茶箱。茶葉を入れると、ほのかな桐の香りも楽しめる。「オザキさんが造る桐箱は、乗せただけですーっと閉まる蓋の感覚が唯一無二」
日本茶の種類
キホンのキ
煎茶 Sencha
茶の生葉を蒸した後、揉みながら針状の形に乾燥させた緑茶の総称。品種によって甘味、渋み、香りがさまざまで、茶葉の量、湯温、湯量、浸出時間を調整しながら、自分好みの味わいを探っていけるのが魅力。
玉露 Gyokuro
一番茶の新芽が開き始めた頃から茶畑に覆いをかけ、20日以上日光を遮断して栽培する緑茶の一種。とろりとした口当たりで旨味が強く、50度前後のぬるめの湯で淹れるか、じっくり水出しするのもおすすめ。
番茶 Bancha
新芽が伸びて硬くなった茶葉や茎などを原料としたお茶。三番茶・四番茶などを指すことも。熱めの湯でカジュアルに淹れてもおいしく飲める。地方特有の番茶もあり、京都の"京番茶"は独特のスモーキーな香りが特徴。
ほうじ茶 Hōjicha
主に煎茶や番茶などをローストしたもので、香ばしくさっぱりとした味わいが特徴。焙煎時間や焙じるお茶の種類によって、味わいもさまざま。フライパンなどで茶葉を焙煎すれば、自宅でもほうじ茶が作れる。
かぶせ茶 Kabusecha
摘採前7日前後から日光を遮った茶園で栽培した生葉を、煎茶と同様の工程で製造した茶。玉露と普通煎茶の中間的存在。玉露にも似た上品な味わいが楽しめる。渋み、苦味が控えめであっさりしている。
抹茶 Matcha
玉露同様、覆下栽培した若い芽を蒸して乾燥させたものを"碾茶"と呼び、それを石臼で挽いて粉状にしたもの。茶筅で点てることでクリーミーに仕上がり、抹茶独特の甘味、苦味、旨味を楽しむことができる。
和紅茶 Japanese Black Tea
日本国内で生産されている紅茶のことで、生葉を萎れさせ、酸化酵素を最大限に働かせて作ったもの。国産紅茶は比較的渋みが少なく、柔らかな印象を受けるものが多く、近年さらに注目を集めている。
アラボン
https://arabon.jp/
オモイデバコ
https://boitedesouvenirs.jimdofree.com/
ギャラリー一番館
https://www.1bankan.com/
*「フィガロジャポン」2025年7月号より抜粋
photography: Yumiko Miyahama styling: Misa Nishizaki text: Chiaki Tanabe