旅して味わう、日本ワインのふるさとへ。#05 八ヶ岳の自然を、そのままボトルに詰めたようなワイン。

造り手に会い、畑を眺め、その土地に思いを馳せればおいしさも一層アップ。若い醸造家や新ワイナリーの誕生で、いま注目の日本ワインを巡る旅。南アルプスを望むドメーヌ・ミエ・イケノに訪れたいなら、星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳の宿泊者向けのワイナリー見学のアクティビティに参加するのがおすすめだ。

山梨県北杜市｜ドメーヌ ミエ・イケノ

標高750mの八ヶ岳の麓に広がるブドウ畑は3.6ha。畑の南西には南アルプスの甲斐駒ケ岳、北岳がそびえる。

　リゾナーレ八ヶ岳から車で南に約15分。小さな看板横の階段を上ると、なだらかな丘陵地を生かしたブドウ畑が広がる。その先に見えるのは南アルプスの山々だ。人里離れた畑には、深呼吸を誘う清涼な空気が満ちていた。

　「ここはワイン造りに適した気象条件と土壌に加え、ブルゴーニュのグランクリュ（特級畑）のような水はけのよい傾斜地があるんです」
　醸造家の池野美映さんに案内されて畑の斜面を歩けば、シャルドネ、ピノ・ノワール、メルローの各種ブドウは、のびのびとした表情。除草剤も化学肥料も使わないため、ブドウの出来はその年の気候に左右される。しかし、それをヴィンテージの個性とする「自然をそのままボトルに詰め込んだようなワイン」が池野さんの理想だ。それを叶える醸造施設には、ブドウの繊細な個性を生かせる醸造法グラビティフローシステムを日本で初めて採用。ポンプを使わず、土地の高低差と重力を利用して樽詰めや瓶詰めを行うので、液体への衝撃が少ないという。

　注目の銘柄は、2014年に登場した「月香シャルドネ」。ブドウの糖度、酸、アロマが高い真夜中に収穫して醸す白ワインだ。凛としたまろやかな液体には、夜の畑の空気が詰まっている。

左：「月香シャルドネ」¥5,940
右：国立モンペリエ大学で醸造学を学んだ池野美映さん。

2011年秋に完成したワイナリー。ブドウは1階で除梗、破砕、圧搾し、地下の発酵タンクへ自然落下。高低差と重力を利用して樽詰め、瓶詰めされる。

畑へ続く道。猫の足跡がたくさんあったことから畑に「レ・バ・デュ・シャ」（猫の足跡）と名付けた。

>>ドメーヌ ミエ・イケノからの立ち寄りスポット

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ワイナリー見学が魅力の、ワインづくしの宿。

星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳

周辺に多くのワイナリーが点在する立地を生かし、ドメーヌ ミエ・イケノといった提携ワイナリーの見学プログラムを主催するなど、ワイン関連のアクティビティが好評。今年4月にリニューアルした客室は、赤ワインを思わせるボルドーカラーが基調。コルクを模したスツールを設えるなど、ワインを飲まずにはいられない気分になるインテリアだ。併設のショップで購入したワインを部屋で気軽に楽しめるよう、使い勝手のいいオリジナルワインタンブラーやオープナーを完備。夜はメインダイニングのオットセッテ（別料金）で、地元の野菜を生かしたイタリア料理11皿に、長野県産と山梨県産のワイン9種類をマリアージュさせて楽しむ特別コースを満喫したい。

マリオ・ベリーニが築いた15mの塔が印象的なピーマン通りには、カフェなど19軒の店が集まる。

左：キッチンカー(10時〜16時)のワインは4種以上。グラス¥500
右：24種類のワインを25mℓから楽しめる、八ヶ岳ワインハウス。ドメーヌ ミエ・イケノのワインも販売する。

オットセッテの料理11品とワイン9種を合わせて楽しむ¥24,000の特別コース「ヴィノ・エ・ヴェルドゥーラ」から、20種類以上の野菜を使った前菜。

ペアリングワインの一例。個性豊かな9種のワインを楽しめる。

客室に持ち帰って楽しむ、八ヶ岳ワインハウスのワインとおつまみのセット「ヴィノボックス」¥1,850〜。ボックスは要返却。

ボルドーカラーが印象的な「2階レジデンステラスルーム」。

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