やっぱり、京都が好き 手仕事とセンスが買える、京都の美しい店へ。
Travel 2020.12.31
うつわや骨董品、そしていにしえから受け継がれてきた工芸品――。京都では、大和心をくすぐる美しいアイテムに出合える。
〖 うつわ 〗
日本料理のために作られた、名陶芸家のうつわ。
となりの村田
料理をのせるとより一層輝きを増す村田のうつわ。上から時計回りに、染付網目文桔梗形小鉢各¥8,600、染付れんげは手前から、石榴、山水、蕪各¥5,800、羊やイノシシなど約10種の動物形を揃える染付馬形向付¥22,000、呉須で色付けした染付兎に松図皿¥9,900
陶芸家の村田森とアーティストの村上隆。北大路魯山人への尊敬の念で意気投合したふたりが始めたのは、日本料理に捧げるうつわの店。動物を象った向付のための皿に、染付網目文桔梗形の小鉢、料理店にあってしかるべき花器など、すべて村田自身が手がけた思い入れのあるもの。構想段階から料理人と相談し、使い心地を聞き、何度も練った逸品は実用性がありながら、そばにおいておきたい愛らしさがある。
入口には、禅の円相をモチーフにしたオブジェが。
となりのむらた
京都市左京区岡崎南御所町18-11
tel:なし
営)12時~18時
不定休 ※現在は不定期での営業。営業日と時間はインスタグラム等で要確
認
https://tonarinomurata.com
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時代を越えた“いいもの”と、気軽に出合える場所。
うつわと古物 幹
手前左から時計回りに、唐津の村山健太郎の斑唐津板皿八寸¥13,200、小花の文様が可愛い、崔龍熙(さいりゅうき)の印花湯呑み¥3,300、谷穹の信楽・山茶碗¥8,800、矢野直人の小服茶碗¥33,000
「もともと古いものが大好きで、若い世代にもそのよさを伝えたかった」と話す下西幹オーナー。自身の店では、時代を経てもなお魅力的と思えるものに絞り、古物と作家もののうつわを展開する。古物はヨーロッパのランプやガラスなど国内外から、作家のうつわは日本各地からセレクト。うつわも自然と、古物へのリスペクトを感じる作家の作品が多数集まる。新旧の作品が不思議と交わり合う、心地よい空間だ。
ラインナップは、作家もののうつわがおよそ7割、古物が3割。一部は店のオンラインショップでも購入することができる。
うつわとこぶつ かん
京都市上京区河原町通丸太町上ル出水町274
tel:070-2181-4605
営)12時~17時
不定休
https://utsuwatokobutsu-kan.com
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〖 西 陣 織 〗
日本の美しいテキスタイルを、五感で体感。
ホソオ フラッグシップストア
奥から時計回りに、全24種を揃えるクッション(インナー付き)¥36,300、300年ほど前からある「箔」の技法を大胆に使った、クラッチバッグとしても活用できるスクエアミディアムのポーチ¥27,500、ハーフムーンポーチ¥25,300
京都を代表する伝統工芸を、現代の生活様式に取り入れてほしいと昨年誕生したのが、1688年創業の細尾初の旗艦店。商品の中には、洋服にも合う数寄屋袋のほか、家具やホームコレクションも。西陣織の代表的な技法「箔」を織り込んだテキスタイルなど、日本の美を身近に感じられる。全300㎡以上ある館内には、西陣織を素材としたアート作品の展示やカフェラウンジも併設しているので、京文化にじっくり浸れる。
写真の1階フロアはストアとカフェラウンジ、2階には家具とギャラリーがある。
ほそお ふらっぐしっぷすとあ
京都市中京区姉小路下ル柿本町412
tel:075-221-8888
営)10時30分~18時
休)日不定休、祝
www.hosoo.co.jp
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〖 履 物 〗
山の麓で誂える、令和の履物。
履物 関づか
基本はオーダーメイド。完成までにかかる目途は1カ月~1カ月半。上から、サンダルタイプの履物¥92,400、柔らかい羊皮を使ったぞうり¥72,400、東レのウルトラスエードを使ったベージュのぞうり¥69,300
京都の老舗履物店で約10年、職人として活躍してきた関塚真司店主が岩倉の地に履物専門店を構えたのは2020年4月のこと。サンプル品をベースに、相談・採寸を経て、自分だけの履物をオーダーするのがこの店のスタイルだ。技術はもちろん、素材選びにも力量が表れる履物の世界。貴重な麻100%の新縄やスペインの羊皮、東レのウルトラスエードなどを巧みに組み合わせた履物は、和装にも洋装にもよく合う。
店は中心地から離れた、山の麓の静かな住宅街にある。敷地内に、ギャラリー岩倉AAも同時オープンした。
●新型コロナウイルス感染症の影響により、掲載店の営業時間、定休日の展示期間などが取材時から変更になる可能性があります。
●掲載している商品の価格は、取材時から変更になる可能性があります。
*『フィガロジャポン』2020年11月号より抜粋
photos : YOSHIKI OKAMOTO, KOHEI YAMAMOTO