地中海クルーズ旅レポート 憧れの地中海クルーズ船で巡った、イタリア&クロアチアの美しき港町。
Travel 2023.09.25
ヨーロッパで初就航を迎えた大型クルーズ船「ノルウェージャン ビバ」。8月の地中海9泊のクルーズは、イタリア・トリエステから出発し、ポルトガル・リスボンに到着。途中、イタリアのアマルフィ海岸、フランスのコートダジュール、スペインのイビサなど、ヨーロッパを代表する人気ビーチに寄港するという、夢のようなクルーズだ。また「ノルウェージャン ビバ」では、バラエティに富んだ寄港地ツアーが用意されている。今回は、クルーズの前半スケジュールで寄港した、イタリア・トリエステ、クロアチア・スプリト、南イタリア・サレルノ、アマルフィの美しき港町を紹介。
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大型クルーズ船「ノルウェージャン ビバ」は、どの港に寄港してもひと際目を惹く。
まず、今回の出港地となったイタリア・トリエステは、北イタリアに位置するヴェネツィアにほど近い港町だ。かつてオーストリアに統治されていたことから、その影響が色濃く残り、快活なイタリアの港町とは一線を画すエレガントな景観が特徴だ。トリエステを象徴する運河沿いには、魚介を使ったイタリアンを提供するレストランが並び、深夜まで賑わっている。
オーストリア統治下の趣きが残る、エレガントな雰囲気の街並み。
運河を囲むようにレストランがあり、深夜まで賑わっている。
上品な雰囲気が漂う建物が立ち並ぶが、同時に人々の素朴な暮らしが垣間見える、こぢんまりとした町でもある。路面にある古書店には、町の人たちが絶え間なく訪れ、ゆっくりと本を選んでいく。愛らしいトイプードルに導かれ、入り組んだ路地を進むと、ひと際目を惹くアンティークショップ「タリエンテ ミケーレ」を発見。店内には、ヨーロッパの都市ではなかなか出合えなくなったムラーノガラスやフラワーベースからアンティークジュエリーまで所狭しと並んでいる。小さな町ならではのお宝探しを楽しみたい。
路面に並ぶ古書店の前で、朝から街の人たちが足を止める。
愛らしいトイプードルを追いかけて、トリエステの入り組んだ路地の中へ。
ムラーノグラスが並ぶ、アンティークショップ「タリエンテ ミケーレ」。
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クロアチア第二の都市で、ワインと郷土料理を堪能。
1日目の夜にトリエステを出港し、翌朝に到着したのは、次の寄港地クロアチア・スプリト。アドリア海に面するクロアチアには海岸沿いに美しい街が点在するが、スプリトは首都ザグレブに次ぐ第二の都市だ。豊かな自然とダルマチア海岸沿いのリゾート感溢れる町並み、そして世界遺産に登録されている旧市街によって、近年注目が高まりつつある。
南国リゾートらしい景観が広がる、スプリトの海岸線沿い。
この街では、「ノルウェージャン ビバ」がワインとローカルフードの寄港地ツアー(有料)を主宰。船の出港時間が決められていることもあり、土地勘のない寄港地では、あまり遠くまで足を延ばしづらいもの。しかし、オプショナルツアーは専門ガイド付きで効率的にさまざまなアドレスを案内してくれるのでオススメだ。
オプショナルツアーの参加者で集合し、船を降りてツアーバスに揺られること30分。クロアチアらしい赤い屋根の家々や雄大な岩肌が覗く山を越え、緑溢れる自然豊かな山と色とりどりの花が咲く農園が見えてくる。国土の半分が森林というほど自然豊かで、ブドウやオリーブ栽培が盛んなクロアチア。この農園の併設ギャラリーでは、そんな自然の恵みをもとに紀元前から続いてきたオリーブオイルやワイン作りを紹介している。
オリーブやブドウを栽培する農園のガーデンに、色とりどりの花が咲き乱れる。
ギャラリーには、当時、オリーブオイル作りに使用されたテラコッタの甕も。
豊かな食文化を学んだら、お待ちかねのワインのテイスティングタイム。クロアチアでは100種以上の土着品種があり、内陸部で白ワイン、沿岸部で赤ワインと、気候に合わせて多彩なワイン作りが行われている。近年では、ロゼやオレンジワインの産地としても有名だそう。ワインには、クロアチアの伝統的な家庭料理シュトゥルクリやドライフルーツとチーズを合わせて。カッテージチーズや野菜のペーストなどを重ねた薄いパイのようなシュトゥルクリは、懐かしさも感じる素朴な味わい。
クロアチアで生産された多種多様なワインを飲み比べて。
ワインのお供には、郷土料理シュトゥルクリやイチジクのドライフルーツを。
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世界遺産の旧市街で、ユニークな街の成り立ちを知って。
その後は街の中心部に戻って、ガイドが旧市街を案内。街の中心には、3世紀末頃、ローマ皇帝ディオクレティアヌスが建てたディオクレティアヌス宮殿の跡地がある。ローマ帝国滅亡後、廃墟となった宮殿に何千人もの人々が住み着いて、宮殿が街として拡大していったというユニークな歴史があるのだそう。現在では世界遺産となっており、この城壁の内部に大聖堂やホテル、カフェ、住居が広がっている。
宮殿をぐるりと囲む城壁。青銅の門から、ミステリアスな雰囲気が漂う宮殿内へ。
人々が住み着き、ゴミ捨て場となっていたこともある宮殿内の地下空間。
旧市街の広場で追いかけっこをする子どもたち。レストランやカフェもたくさんある。
ランチは、リヴァと呼ばれる遊歩道の一角にある「レストラン バジャモンティ」へ。陽光が燦々と降り注ぎ、海風が吹き抜けるテラスは南国ムード満開。ここでは、白身魚や魚介の出汁が効いたリゾットなど、新鮮なシーフードをふんだんに使ったコース料理を堪能できる。クロアチアの名物であるシーフード料理は、この地で広く栽培されている品種グラシェヴィナなど、ドライな口当たりの爽やかな白ワインとのペアリングを楽しみたい。
海に面して、南国ムードが漂う遊歩道リヴァにて。
アドリア海から獲れる新鮮な魚介類を使った、定番のシーフードリゾットは絶品。
クロアチア産の白ワインはドライで辛口が主流だそう。
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フリータイムは、赤い屋根の家が並ぶ可愛い街を散策。
出港時間までのフリータイムは、旧市街の隣に続く住宅地を散策。赤い屋根の家には花が咲き乱れ、石畳の道のそこかしこで猫が昼寝をしている。
クロアチアの街は、赤い屋根の家が並ぶクロアチアの街は、『魔女の宅急便』のモデルとしても称される。
宮殿の周りの住宅街は石畳の細い坂道が続き、素朴な人々の暮らしが垣間見える。
旧市街のそこかしこで、のんびりと佇む猫を発見。
旧市街で開催されているマルシェには、フルーツや花、古本のほか、オリーブオイルやジャムも並び、お土産を購入するのに最適だ。街中にはジェラート店がたくさんあり、どこも賑わっているが、ひと際行列を成していた「スラドレダルニカ エミリアー」へ。クロアチア名産イチジクのジェラートなど、フルーツの味を生かしたバラエティに富んだジェラートが揃う。
ブドウや桃など、ローカルのフルーツがズラリと並ぶマルシェ。
人気の「スラドレダルニカ エミリアー」で、イチジクのジェラートを。
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断崖に家が並ぶ、世界一美しい海岸線アマルフィへ。
クロアチア・スプリトを出発し、翌日は1日中洋上で過ごす日。4日目の朝に到着したのが、イタリア・ソレント半島に位置するサレルノ。海と山に囲まれたこの街は、ヨーロッパ最古の医大がある場所としても有名だ。海岸沿いの遊歩道には南国らしい花が咲き乱れ、街の人たちがのんびりと日光浴を楽しんでいる。アマルフィ海岸の玄関口でもあり、「ノルウェージャン ビバ」の多くの乗船客が、サレルノを起点にアマルフィやポジターノなど、海岸沿いの小さな街へと足を延ばす。
ローカルで賑わうサレルノのビーチ。アマルフィへのフェリーは約1時間に1本。
南国らしい花々が咲き乱れるビーチ沿いの遊歩道。
昔から多くの医学生がこの街で学んできた。町外れには有名なハーブ農園も。
サレルノ港から、世界遺産アマルフィまではフェリーで約30分。コバルトブルーに輝く海と絶壁に建つ可愛らしい家々……まるで絵のような美しい風景は圧巻だ。古代ローマ時代から、複雑な地形を利用して絶壁の上に建物を作り上げたという。
フェリーの中から、アマルフィ海岸沿いの美しい街並みを眺めて。
断崖絶壁の上に、上にと、建物が建てられた複雑な街並み。
外敵の侵入を防ぐ意味もあったと見られ、街の中心であるアマルフィ大聖堂の奥には迷路のような複雑な路地が連なる。海からの絶景はもちろん、エキゾティックな雰囲気も漂う小道を探検して、ユニークな街の構造を楽しみたい。
かつて交易のあったイスラムの雰囲気も感じさせるアマルフィ大聖堂。
アマルフィ大聖堂の奥には、白壁の複雑な小道が迷路のように続く。
乗船日には船上のエンターテイメントと食を楽しみ、寄港日にはヨーロッパを代表する美しい港町を散策。一度の旅ではなかなか訪れることが難しい地中海の街だが、ラグジュアリーなホテルに滞在している気分で移動しながら、一挙に周ることができるのはクルーズ船ならでは。「ノルウェージャン ビバ」で、新しいリュクスな旅に出かけよう。
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tel : 0066-33-814567
全1586室
ツアー料金目安 1名$1,984ドル〜(1室2名)
※2024年10月19日発の地中海クルーズ、
イタリア・トリエステからギリシャ・アテネまで9泊の場合
www.ncl.com
※オンライン予約可能
Text: Momoko Suzuki