ラーメン、カレー、サンドの次は手巻き? 6区に「 ハンド」開店。
Paris 2022.11.13
パリ左岸初の手巻き寿司レストラン「Hando」。ランチもディナーも予約をとらない小さな店なので、行列覚悟で! photos:Pierre Lucet-Penato
ボン・マルシェから徒歩数分、バレンシアガを擁するケリング本社の真向かいという場所に、いきなり日本が出現した。パリではすでに右岸に1軒あるけれど、こちらは左岸初の手巻き寿司のレストラン「Hando(ハンド)」である。メニューだけでなく内装も食器も日本より日本ぽい。仕掛け人はファッション通なら、あ、Paul & Joe Hommeの! Garçons Infidèles(ギャルソン・アンフィデル)の!とピンとくるアドリアン・アルボーだ。日本文化への愛に満ち、とりわけ安藤忠雄の大ファンで、大阪で彼と偶然すれ違った際には思わずサインをもらってしまったというほど。Handoという店名にしたのは手巻きの手“hand”にかけて、Hを発音しないフランス人には“ando(安藤)”となることからだと彼は種明かしをする。
ミニマルでエレガントな店内。器類はスージー・ラピエ・ダルギイが箸置き、ローラ・モローが小皿というようにフランス人陶芸家による創作だ。photos:Pierre Lucet-Penato
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ジョージ・ナカシマ、安藤忠雄へのオマージュでコンクリートとオーク材を主体にしたピュアな内装。コの字型のカウンター席と、奥にテーブル席がある。アドリアンのこだわりはインテリアにとどまらず。和食通だけあって、手巻きの命が海苔にあることを承知している彼が選んだのは、艶々と黒く歯切れのよい海苔だ。これは中国地方の小さな村で生産される海苔で、通常はガストロノミーレストランにしか卸さないというところ、アドリアンが粘り勝ち! 魚も野菜もフレッシュそのもので、メニューはいたってシンプルだ。オーダーは日本語つきのシートにチェックを入れる仕組みである。手巻きはスペインで獲れるマグロ、スコットランドのビオのサーモン、和牛など10種あり、1本6ユーロから。セット(18〜40ユーロ/3種、4種、5種、6種)はアラカルトより割安の設定だ。手巻きのおともには、お茶、ワイン、日本酒……。コの字型のカウンターを囲むフランス人は皆、慣れた手つきで手巻きを口に運び幸せそうだ。
前菜は枝豆を始め6ユーロ〜。ワカメとキュウリ、胡麻和えなどはひと皿でけっこうなボリュームがある。刺身は9ユーロ〜。photos:(左・中)Mariko Omura、(右)Pierre Lucet-Penato
手巻きは魚が8種とアボカド、そして和牛の10種。たとえば鯛なら柚子味というように、シェフのル・シェンが各具材ごとに特製の味付けを調味しているので、お醤油なしでおいしくいただける。photos:Pierre Lucet-Penato
いまやデザートに欠かせないお餅。ハンドでは2区の和菓子屋TOMOからの3つの味が揃えられている。photos :Pierre Lucet-Penato
89, rue de Sèvres
75006 Paris
営)12:00~14:30 19:30~23:00(火~金) 12:00~15:30 19:30~23:00(土)
休)日、月
予約不可
Instagram: @handohandroll
editing:Mariko Omura