脱クラシックが合言葉! 新しい左岸を散歩。 画家パリジェンヌが案内する、モダンに進化した左岸。

Paris 2023.04.29

クラシック一辺倒だった左岸に、話題のカフェ、ファッションやインテリアの新店が続々登場。モダンに進化したこのエリアにアトリエを持つ、画家のマルがおすすめアドレスを教えてくれた。

古(いにしえ)の芸術家に刺激を受けて、
新しいものを生むアートな循環。

Malù dalla Piccola
マル・ダッラ・ピッコーラ/画家

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大学で美術を学ぶためパリへ渡り、街に恋したマル曰く、「知識人が集まる文化の中心地として栄えてきた左岸は、いたるところに歴史の断片が見つかる。ピカソが愛したカフェ、ル・セレクトでいまでも画家に遭遇するように、6区の住人は誇りを持ってこの街のライフスタイルを継承しているわ」
マルは4年間サンジェルマン・デ・プレで暮らし、最近モンマルトルに引っ越したが、アトリエを維持して毎日このエリアに通い続けている。ここの最大の魅力は「芸術家の表現を受け入れる寛容さ」だと言う。
「インスピレーションを与えるだけでなく、昨今は新世代が才能を発揮する場に発展。それによって、独自性に重きを置いたユニークな店が増えている。過去の偉人たちの創造性に刺激を受けながら新たなものを生むアートな循環の中で、左岸は活性化しているの」

1996年、イタリア・ローマ生まれ。旅しながら、各国で個展を開催。セーヌ川沿いが愛犬モネとの散歩コース。世界遺産である露店の本屋ブキニストで、時を超えて作家と出会う。
@maluettt

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Sugaar |シュガール

海と山の幸に恵まれた、バスク地方の郷土料理。

美食家が集うスペインとフランスにまたがる、バスク地方のグルメを提供するレストラン。写真家とアートアドバイザーだった若きオーナーふたりは、現地生産者を訪れて新鮮な食材を直送してもらうために4年も交渉を続けたという。魚介や肉のプランチャ、炭火焼きなどがおすすめで、伝統的な調理法で丁寧に生み出される料理は絶品だ。

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海と山の幸に恵まれ、独自に発展したバスク料理。「Crevettes à l'Espagnole」26ユーロ、ワイン グラスで13ユーロ〜

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1階のカクテルバーは予約なしで来店可能。

Sugaar|シュガール
5, rue Gozlin 75006 
01-43-26-51-86
ⓂST-GERMAIN-DES-PRÉS 
営)19:00~2:00(水~土) 19:30~24:00(土、月)
休)月
要予約
www.sugaarparis.com

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Bourgine |ブルジーヌ

伝統手法で受注生産、SDGsな若きデザイナー。

オーダーを受けてから生地を裁断・縫製する完全受注生産の注目ファッションブランド。創設者兼デザイナーのキャロリーヌはA.P.C.で経験を積み、メイド・イン・パリにこだわった自身のブランドを立ち上げた。アートや芸術運動、歴史から着想を得て、伝統的な手法で生産された着心地の良い生地をレトロとモダンを融合させた世界観で表現する。

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店舗兼アトリエの店内で、制作現場の見学も可能。マルのお気に入りは本人着用中のアイコニックなサロペット205ユーロ

Bourgine |ブルジーヌ
15, rue Racine 750
01-74-64-76-26
ⓂODÉON
営)11:00~19:00(月~土)
休)日
www.bourgine.net

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Le Pont Traversé |ル・ポン・トラヴェルセ

ブルーが目印の古い建物はヘルシーな可愛いカフェ。

100年以上変わらない、歴史的建造物に指定された建造物。精肉店として開業し、20世紀初頭に作家マルセル・ベアリュが書店を営んだ場所が、店名をそのまま引き継いでカフェに。100%グルテンフリーの人気レストラン、ノーグルのオーナーが、オーガニック野菜を使ったサラダやキッシュの軽食からケーキやドーナツなどスイーツまで、朝早くから楽しませてくれる。

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人気スイーツの「Donuts Matcha」4.50ユーロ

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精肉店時代からある手描きのフレスコ画が歴史を物語る。2階席やテラスも心地よい。

Le Pont Traversé |ル・ポン・トラヴェルセ
62, rue de Vaugirard 75006
01-45-44-60-15
ⓂRENNES
営)8:30~18:30(月~金) 9:30~19:00(土~日)
休)無休
https://leponttraverse.com

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Rock the Kasbah |ロック・ザ・カスバー

パリシックに進化したチュニジアの工芸品。

ホテルやレストランのデコレーションを手がけるフィリップ・ゼリが立ち上げたインテリアブランドが、昨秋、左岸に2店舗目を出店。チュニジアの伝統的な工芸品をモダンな意匠で提案し、女性職人たちがハンドメイドで制作。ヤシの繊維やオリーブの木など、自然素材で作られた雑貨は、パリジェンヌの暮らしのエスニックなアクセントに。

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家具類はオーダーメイド可能。ランプシェード各45ユーロ〜

Rock the Kasbah |ロック・ザ・カスバー
28, rue Jacob 75006
07-77-89-83-11
ⓂST-GERMAIN-DES-PRÉS
営)11:00~19:00(火~土)
休)日、月
https://rockthekasbah.net

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Charlotte Chesnais |シャルロット・シェネ

大人気ジュエリーデザイナーの2軒目が登場。

シンプルモダン嗜好のパリジェンヌが愛してやまないシャルロット・シェネのデザイン。今冬、2軒目となる旗艦店がサンジェルマン大通りにオープンした。アクリル板の凹凸レリーフが生み出す効果で、抽象的なフォルムが特徴のジュエリーが空中浮遊するようなディスプレイが見事。中2階のプライベート空間にはファインジュエリーも並ぶ。

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近所に住むシェネが頻繁に立ち寄るため、運が良ければ会えるかも!? 日本未上陸アイテムも多数。ブレスレット1,050ユーロ〜

Charlotte Chesnais |シャルロット・シェネ
169, boulevard Saint-Germain 75006  
07-83-32-44-37
ⓂST-GERMAIN-DES-PRÉS
営)12:00~19:00(火、水) 11:00~19:00(木~土)
休)日、月
www.charlottechesnais.com

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●1ユーロ=144円(2023年4月現在)
●日本から電話をかける場合、フランスの国番号33の後、市外局番の最初の0を取ります。フランス国内では掲載表記どおりかけてください。 
●各紹介アドレスのデータ部分のⓂは地下鉄の駅、Ⓣはトラムの駅を示しています。 
●掲載店の営業時間、定休日、商品・料理・サービスの価格、掲載施設の開館時間や開催時期などは、取材時から変更になる可能性もあります。ご了承ください。

*「フィガロジャポン」2023年5月号より抜粋

photography: Kathrine Gulla coordination & text: Elie Inoue

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