ノルマンディーの旅、スパ滞在が楽しいブティックホテルMギャラリー。

Paris 2025.04.10

瀟洒なヴィラ、砂浜、漁師の家が立ち並ぶ小道、高台から見渡すパノラマ......今は亡き作家マルグリット・デュラスが「また行きたいと夢見ない人を私は誰も知りません」と讃えた、ノルマンディー地方の小さな海辺の町トゥルーヴィル・シュル・メール。磯の香りに包まれたこの土地に、リトリート&スパのThe Purist(ザ・ピューリスト)を擁するブティックホテルのMGallery(Mギャラリー)がある。

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トゥルーヴィル・シュル・メールで有名なのは、街をテーマに描き続けたイラストレーターのサヴィニャック(左)と軒を連ねる魚屋さんだ。各店の向かいにはイートイン・スペースがそれぞれ設けられている。photography: Mariko Omura

ホテルは1912年にヨーロッパ最大のカジノのために建築された建物の西翼を占めている。そこは1959年に出来たタラソテラピー・センターLes Cures Marines(レ・キュール・マリーヌ)が大勢の人々をトゥルーヴィルに寄せ集めた場所だ。1990年代以降クローズしていたのだが、アコール・グループが2015年に103室のホテルMギャラリーを作り、les Cures Marinesが復活。さらに2020年の新型コロナ感染症の流行時にウェルビーイングの重要性を確信したホテルは、ホリスティック・ウェルビーイングを意識したザ・ピューリストを2023年12月に開いて、les Cures Marinesに新たな命を吹き込んだのである。

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海辺に立つブティックホテルのMギャラリー。この建物の裏側がカジノだ。
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これからの季節はホテルの前にテラス席が設けられる。

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ザ・ピューリストの4つの柱はケア、ムーブメント、睡眠、栄養。この睡眠についてはスパだけでなくホテルの客室も役割を果たしている。ベッド脇に光セラピーランプが設けられ、また寝心地の良いベッドに加えて枕のセレクションも豊富に揃えて、上質の眠りをゲストに約束するのだ。夜、翌朝のためにレモンが1つ届けられる。ウェルビーイングを求め、レモンを絞ったぬるま湯で1日をスタートしましょう、とメッセージが添えられて。

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白でまとめられた寛ぎ感溢れる客室。
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海辺側の部屋は寝室とバスルームの間の壁に丸窓がはめ込まれ、バスルームからも海が眺められる。
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左:客室のルミノセラピーランプ。夜は赤、朝はブルーに。 右:客室フロアーに設けられたラウンジ。photography: Mariko Omura

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栄養面についてはホテル一階を占めるレストランLa Galerie(ラ・ギャラリー)が担当する。食事客を見ていると女性一人が少なくない。レストランのメニューはこうしたスパ客を意識した料理も、シェフのオリヴィエ・デュボワーズによって用意されている。スパ滞在のホテル宿泊客にはセットメニューが提案され、その食事は毎回人参や白キャベツといった野菜の甘みをベースにしたブイヨンでスタート。そして植物シードのクラッカーがパンの代わりだ。朝食のビュッフェにしても色々な野菜のピクルス、豊富なナッツ類用意されていて......。

ノルマンディーの休暇なのだから、ストイックになりすぎず。レストランにはバーが併設されている。軽いアルコールやノンアルコールのカクテルで、解放感を味わうのもいいだろう。良い睡眠への導入となるはず、とちょっと自分に言い訳して。

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レストランLa Gallery。ホテルの宿泊客以外にも開かれているので、トゥルーヴィル・シュル・メール観光時に活用できる。
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左:手前が優しい味の野菜のブイヨン、後方が植物シードのクラッカー。 右:和食がもてはやされるメキシコから来た新しいシェフは日本の味に興味を持っている。生牡蠣はエシャロットの代わりに柚子胡椒とポン酢で! photography: Mariko Omura
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シェフパティシエによるカラフルなデザート。ホテルは養蜂を行なっていて、採れた蜂蜜を使ったデザートも考案している。photography: Mariko Omura
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内容豊富な朝食ビュッフェ。
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バーにて。カクテルのJurassic Poire(左)とモクテルのOrgeat & Péjugé。©Albindurand
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地上階のパブリックスペース、バーの入り口などトゥルーヴィル・シュル・メールの懐かしさ溢れるポスターが飾られ、街の黄金時代を物語っている。

Cures Marines Trouville MGallery
Boulevard de la Cahotte
14360  Trouville-sur-Mer
https://all.accor.com/hotel/8232/index.fr.shtml

editing: Mariko Omura

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