パリジェンヌのワインジャーナリストが語る、本場「アペロ」の楽しみ方とは?
Paris 2025.04.17
ワイン大国フランスの首都、パリで暮らす人々のワインライフって? アールドゥヴィーヴルを大切にし、ワインを愛するジャーナリストが、家での楽しみ方からおすすめアドレスまで、パリジェンヌ流を指南。
à la Maison
女性ワインジャーナリスト仲間とともに
ローテーブルを囲む、自宅でのアペリティフ。
海辺で過ごしたヴァカンスの思い出を
運ぶロゼを選んで。

2014年、ダール・エ・リボーが造る「サン・ジョゼフ」に出合ったことでワインに開眼。ワイン、美食、旅の分野で「Le Figaro Magazine」誌、「Paris Match」誌などで活躍。近著に『À NosIvresses』(Flammarion刊)がある。@alicia_dorey

ワインはフランスのアールドゥヴィーヴルの象徴だが、独自の表現も多く、とっつきにくいイメージもある。そんななか、アリシア・ドレーは自分の言葉でワインを語ってきた。
「ワインは物語。歴史、地理、時には政治にも繋がるさまざまなテーマをはらみ、異なる背景を持つ人々に出合いをもたらします」
そんな生粋のワインラバーである彼女の楽しみ方とは? ワイン仲間とのアペロの現場を訪ねた。
「アペロの場合、スパークリングか白で始めるのが一般的」と言うアリシアだが、この日はあえてロゼを。
「パリでは色が濃いしっかりしたロゼを冬のアペロに合わせます。おつまみはワインの味を邪魔しない、酸味が強くないものがおすすめ」


白で始めるなら、冬なら山のワインであるジュラ産がおすすめ。
「同じ産地同士のワインと食べ物は相性がいい。ジュラには同じ地方のコンテチーズがよく合います。チーズには赤、という思い込みがありますが、実は白のほうがチーズの持つ乳糖とマッチするんです」
アペロはローテーブルを囲むのが普通。それは、リラックスしておしゃべりを楽しむためだそう。アリシアは、ホストとしてワインを開ける時、ボトルの物語を伝えることにしている。
「産地、品種、どんなふうに出合ったか。背景はとても大切よ」
そのために彼女が勧めるのが、なじみのカヴィスト(ワインショップ)を持つこと。
「ワイン愛がある店なら、客の好みを知ってアドバイスし、テイスティングさせ、銘柄の説明をしてくれます。おもたせワインを探す時も、ホストがどんな人かを話し、持参するワインを選んでもらって」

>>パリジェンヌのワインジャーナリストが教える、パリで本当に行きたいワインアドレス6選!
*「フィガロジャポン」2025年2月号より抜粋
photography: Julie Ansiau text: Masae Takata (Paris Office)