旅の行き先はパリならず。新しいホテル、ラ・フォンダションを目指す。

Paris 2025.07.03

パリ17区に4月末にオープンしたホテルLa Fondation(ラ・フォンダション)は、関係者の間でも素晴らしいという賞賛の声を集めている。

最寄りの地下鉄駅は2号線と3号線が停車するVilliers(ヴィリエ)。あまり縁がない駅と思うかもしれないけれど、ホテルまでの道はお楽しみがいっぱいだ。常設マルシェでおなじみのレヴィ通りを抜け、右折してLegendre(ルジョンドル通り)に入ると、まるでスイーツ横丁かというほどおなじみの店が軒を連ねている。クッキーのPuffy、老舗のA la mère de Famille、人気パティシエYann Couvreur、パリっ子が愛するお餅のMaison Mochi......人気のカフェNoirも。甘い気分に満たされながら40番地まで来ると、通りの景観を一変させたというガラスの外観の5つ星ホテルが聳えている。これがラ・フォンダション!

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左:ルジョンドル通りに面したホテル。地上階にはブラッスリーのLa Baseがある。 右:ホテルのエントランス。奥が元パーキングだったオフィス棟だ。建物は建築事務所のPhilippe Chiambaretta Architecte が担当。photography: Mariko Omura

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合計1万平方メートルという広さのラ・フォンダションは3つのパートに分かれている。1つ目は、7フロアに3つのスイートを含む58室を擁する通りに面したメイン館。この地上階にはブラッスリーLa Base(ラ・バーズ)があり、秋には9階に眺めの良いガストロノミー・レストランのLa Fondationがオープン予定だ。最上階には50席のミニサイズのルーフトップも。ブラッスリー同様、ここも宿泊客以外にも開かれた場所で17時の営業開始と同時に、あっという間に満席になってしまうので、30分後には行列ができるという人気ぶり。サクレクール寺院やエッフェル塔といった眺望は、集まってくる地元のパリっ子たちにも魅力のようだ。

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左:アーティストによる作品が壁を覆うラ・バーズ。 右:前菜はブルターニュ産玉ねぎのタルト(上)、寿司風に固めたリゾットのスカーレットシュリンプのせ(下)、ヴィッテロトナートなど豊富なセレクションだ。photography: Mariko Omura

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左:前菜のシーザースサラダ(上)はメインになるボリューム。クリスピーチキン(下)にはミニサラダがセットされる。 右:営業は8時〜23時(金、土:〜24時)photography: 左 Mariko Omura、右 ©RomainRicard

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左:秋のオープンが待たれる9階のレストラン。こちらもシェフはブラッスリーと同じ、トマ・ロッシ。ニューヨークのアーティストによる木のアート作品に目を奪われる。 右:ホテルのルーフトップ。営業は17時から24時まで。©RomainRicard

2つ目はかつてパーキングだった奥の建物で、こちらは4フロアのオフィスビル。秋にはコーワーキング・ルームもできる。一階にはこのビルで働く人々のためのカフェも設けられ、良い仕事環境を提供。最上階には360度のパリの眺望が素晴らしいテラスが広がり、バー&バーベキューが楽しめる。パーキング時代の名残りは、車のためのゆったりとした螺旋スロープを階段に変身させることで残されている。ホテルの建物もそうだが、ラ・フォダションでは場所の歴史を可能な限り残すことを大切にして建築が行われた。

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左:オフィス棟、緑あふれる魅惑のルーフトップが。ここはバーでありバーベキューも、という場所で宿泊客以外もアクセス可能だ。 右:かつてパーキングだった建物のオフィス棟。ロビーの後ろの黒い帯は、かつて車が上がり下りしたらせん階段の手すり。コンクリートの柱はパーキング時代のものを活用。photography: 左 ©SALEM MOSTEFAOUI POUR PCA-STREAM、右 ©RomainRicard

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3つ目はスポーツ&スパ棟だ。地下には25メートル長さの見事なプールがある。これはセーヌ川に面したホテルのシュヴァル・ブランに次いで、ホテルのプールとしてはパリで2番目に長いそうだ。ちなみに幅は3メートル、深さは1.4メートルあり本格的である。というのも、これはラ・フォンダションの会員制スポーツクラブの一部で、その施設は宿泊客もアクセスできるのだ。フィットネスルームはもちろん、珍しいことに9メートル高さのスポーツ・クライミングの壁も備えられている。スパは施術室が4室あり、そのうち1つは二人用。フェイシャルとボディーのケアに選べるのはTypologyとHO KARANという、パリのホテルのスパには珍しい二つのブランドだ。

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ブティックやジュースバーなども設けられたスポーツクラブ。奥に見えるのがスポーツクライミング用9メートルの壁で、クラブの2階の窓の向かいにも続いている。宿泊客も利用できるというのは喜ばしいことだ。photography: ©RomainRicard

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プール、サウナ......ウェルビーイングの地下フロア。©RomainRicard

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左:ヨガやボクシングなど様々なコースがあるスポーツクラブ。 右:スパ。Typologyにする? HO KARANにする? photography: 左 Mariko Omura、右 ©RomainRicard

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食事、スポーツ、スパ......ラ・フォンダションでは眠るためだけではない宿泊が待っているのだ。といっても、客室の木の素材が目に優しい内装に寛ぎの時間へと誘われるので、部屋でのんびりもしたくなる。パリに遊びにいったはずが、外に出ないでラ・フォンダションにおこもり滞在となってしまうかもしれない。

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ホテル内のデザインを任されたのはニューヨークのRoman & Williamsスタジオ。モダンにまとめられた客室には、職人たちの仕事を生かした暖かみのある雰囲気が流れる。photography: ©RomainRicard

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客室タイプはスーペリアが25室、デラックスが20室、エグエクティブが10室、そしてスイートが3室。部屋によってはバスタブ付きだ。バスルームのアメニティはTypology。photography: 左 ©RomainRicard、右 Mariko Omura

ホテル内のロビー、客室内、パブリックスペース......いたるところに絵画、オブジェ、彫刻などのアート作品が飾られている。パリにギャラリーAmélie, maison d'artを構える一方、ホテルなどのアートキュレーションの第一人者として知られるアメリー・シャラールによるセレクションだ。ホテル内、どこにいても目を楽しませることができるのもラ・フォンダション滞在の喜びのひとつと言えそうだ。

なお、ホテル名のフォンダションという命名はパーキングだった建物の歴史を守るという姿勢から、土台を意味し、また人を集める場所とも取れることからだという。ブラッスリーの建物の基礎(ベース)を意味する店名ラ・バーズについても由来は同様である。

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ホテル内、スイートのサロン(写真)を始め至る所でアメリー、メゾン・ダールによるアートキュレーションを楽しめる。©RomainRicard

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レセプション、客室フロアの廊下にも親しみやすいアート作品が。photography: Mariko Omura

La Fondation
40-42 rue Legendre
75017 Paris
https://www.lafondationhotel.com
@lafondation.paris

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editing: Mariko Omura

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