クリストがポン・ヌフを梱包してから40年。サマリテーヌのノエルは「包む」をテーマに。

Paris 2025.12.19

2026年6月に一般公開されるJRによるポン・ヌフのプロジェクトが発表された。これはパリ最古の橋であるポン・ヌフを布で覆うという壮大なインスタレーションを40年前に敢行したクリストとジャンヌ・クロード夫妻へのオマージュだという。JRは橋を覆うのではなく、橋を洞窟へと変貌させるそうだ。パリ市庁舎の支援を得たこのプロジェクトは無料公開され、洞窟の中を人々が歩けるという参加型である。

このポン・ヌフに面したデパートのSamaritaine(サマリテーヌ)はそれより先に、今年のクリスマス・シーズンにクリスト夫妻にオマージュを捧げている。おなじみアール・デコの外観を飾るのは、建物に結ばれたようなリボンのイルミネーション。そこにはPARIS M'EMBALLEと書かれている。クリストが橋を包んだことにかけて、包むという意味のフランス語emballerを使用。この単語には2つの意味があるので、サマリテーヌのノエルは"パリが私を包み込む"でもあり、また"パリが私を夢中にさせる"という意味になるのだ。

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サマリテーヌのモネ通り側のファサードでゴールドのリボンが踊る。

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デパートのシンボルであるクジャクにもゴールドのリボンが結ばれて。

包むがテーマの今年のノエル。一階ではコンシェルジュリィの近くに、ラッピングに特化したコーナーStuio d'Emballage(11時~19時)も設けられている。小さな品を入れて贈るためのクリスマス用ポシェットや、ラッピングペーパーを販売。さらにパーソナリゼーションも行ってる。新館の二階に行ってみよう。アーティストElsa Tomkowiackによるカラフルなリボンのインスタレーションの中を通る体験と、クリスマス・フォト・スタジオでの体験が待っている。

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左:贈る相手に合わせたラッピングの夢を叶えるコーナー。 右:ノエルの思い出の写真をサマリテーヌで。1月6日まで。photography: Mariko Omura

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アーティストElsa Tomkowiackによるカラフルな通路は1月7日まで。

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さて、デパート内の吹き抜けで目に飛び込んでくるのは、巨大なアドベント・カレンダーだ。これは12月1日から24日まで続く、ちょっとスリリングなイベントである。毎日1つずつ窓が開かれてサプライズが登場するのだ。その日のサプライズの品はデパートにて、そしてインスタグラムのストーリーでも知ることができる。100ユーロ以上の買い物をした希望者に参加用コインが渡されるので、それをデパート一階のコンシエルジュリー脇に設けられた機械に入れるだけ。結果はその場でわかるそうだ。運を試してみる?

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12月24日までの参加型ジャイアント・アドベント・カレンダー。

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左:例えば12月17日は、CarharttのOGアクティブジャケット(写真)。18日はアウグスティヌス・バダーの3点セット! 右:コンシェルジュリィの右脇でゲームに参加する。photography: Mariko Omura

モード、ビューティー......それに加えてサマリテーヌで見逃せないのがニナ・メタイエの売場Destination(デスティナッション)だ。チョコレートのセレクションとパルミエ、クッキー、フィナンシエといった日持ちする粉菓子が揃えられている。食べて美味しく、見て美しい。オンライン購入ではなくニナ・メタイエの美味をこうして買えるのは、サマリテーヌならではの喜びである。たとえアドベント・カレンダーが当たらなくても、ここで幸せ気分挽回だ。

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地上階、列車のような作りのニナ・メタイエのコーナーでノエルの甘いお買い物。photography: Mariko Omura

Samaritaine Paris Pont-Neuf
9, rue de la Monnaie
75001 Paris
営)10:00~20:00
※12月24日 10:00〜18:00、12月25日 12:00~20:00、12月31日 10:00〜18:00、1月1日 12:00~20:00
無休
@samaritaineparis

editing: Mariko Omura

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