CHICHI PARIS ~パリに住むエステティシャンのblog~

狂騒のパリ1920年代へスリップ!

昨年12月のことになりますが、キャバレー「クレイジーホース」の歴史アドバイザーであり1900〜39年代のアメリカのジャズの世界を蘇えらせるParis Boogie Skeakeasyの主催者でもあるイヴ・リケ(Yves Riquet )氏から招待していただき、パリ12区の遊園地博物館(Musee des Art Forain)で開かれたクリスマスのソワレに行ってきました。

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イヴ・リケ氏と一緒に。

ソワレのタイトルは《Crazy Go Round !》会場に入ってまず目に飛び込んでくるのはアンティークのメリーゴーランド。狂騒の20年代の世界の始まりです!

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1920年代のアメリカといえば、永遠の繁栄と謳われ、社会、芸術および文化が花開き、まさにクレイジーな時代。その後に続く禁酒法、世界恐慌など誰も予想できなかったことでしょう。女性のドレスコードは「フラッパー」。ストレートラインの脚が露わなドレス、ショートヘアのボブカット、真っ赤な口紅とネイル、手には長いシガレットホルダーなどの、当時欧米で流行した女性の解放を示すファッションを指します。

フランス人はドレスコードのあるパーティーが好きです。特にフラッパーは人気ドレスコードで、パーティーグッズの店でチャールストン用セットが売られています。今回は本格的なソワレということで、手持ちの裾にレースをあしらったアライアのドレスに、ヘアアクセサリーや小物をプラス。ヘアメイクはプロの方にお願いしました。ロングヘアをボブカットのようにまとめてもらい、長〜い付けまつ毛をつけて、2時間かけてフラッパーヘアメイクの完成。

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ウディ・アレンの映画「ミッドナイト・イン・パリ」の主人公ジルは、真夜中を知らせる鐘の音とともに、黄色いクラシックなプジョーに乗り、1920年代のパリにスリップします。バックに流れるのは偉大なジャスミュージシャン、シドニー・ベシェの演奏による「Si tu vois ma mère(もし貴方が私の母に会ったなら)」

実は、このソワレはケンブリッジ大学OB/OGのソワレでもあり、そして同時にイヴがウディ・アレン氏に親愛と感謝の気持ちを込めてオーガナイズしたものでもありました。

パーティーのパスワードは《 Big Chef 》。つまりビッグ・シェフ=シドニー・ベシェ。ウディ・アレンが「ミッドナイト・イン・パリ」の中で作り上げたパリの美しいイメージ、そして彼が愛するシドニー・ベシェのジャズ。そして同じくウディ・アレンが出演した1965年製作の映画「何かいいことないか子猫チャン(原題:What's New, Pussycat?)」の中でクレイジーホースが出てくるシーン。外国から眺めたパリについてのイメージにとても興味があるイヴは、映画を通じてパリのこれらのエッセンスを世界中の人々に伝えた偉大なウディ・アレンにメルシーを伝えたかったと語ってくれました。

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次のホールに足を踏み入れると、シドニー・ベシェのサックスフォーンを所有するオリビエ・フランク氏が奏でる「Si tu vois ma mère(もし貴方が私の母に会ったなら)」が流れ、私たちをたちまち映画の世界、1920年代のパリへと誘います。ジャス演奏に合わせて、チャールストンダンスを踊るゲストたち。早いリズムに合わせて両膝をくっつけたまま、足を交互に跳ね上げるのですが、皆さんとっても上手!

3人のピアニストによるブギウギの演奏も素晴らしい。実はこれもイヴのユーモア。NYに1930年代に存在したジャズクラブ ”カフェ・ソサエティ” の暗示。アルバート・アモン、ピート・ジョンソン、ミード・ルクス・ルイスの偉大なピアノ奏者が奏でるブギウギは、ウディ・アレンの2016年の映画「カフェ・ソサエティ」へと繋がるというわけ。

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機械仕掛けの人形劇やマジックのパフォーマンスに、ゲストは大喜び。本来はゲストには日本でも活躍されている有名ファッションブロガーのミス・パンドラ(Miss Pandra)や写真家のクリストフ・ムーテ(Christophe Mourthe)、アントワーヌ・プペル(Antoine Poupel) などもいらっしゃって、異業種の方達とおしゃべりするのも楽しい。クレンジーホースで28年間ディレクターを務め、かの有名な「Vestal's Desire」を作り上げたマダムに、「あなたのファッションとメイクがとっても良いわよ」と褒めていただき、すっごく嬉しかったです♡

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パリは大人が上手に楽しむことができる街、そして思い切り楽しんじゃおうという彼らの姿勢がまた素敵。星屑のように散りばめられた暗示とユーモアも大人の遊びだからこそ。まさに夢の世界に飛び込んだ一夜。「ミッドナイト・イン・パリ」のごとく1920年代の狂乱のパリに迷い込んだ私たちは、華やかな古き良きパリにはしゃぎ、真夜中を知らせる鐘の音とともに、黄色いプジョーではなくタクシーで現代へと帰路へ就いたのでしたとさ(^o^)

⭐︎ソワレの様子はこちらをどうぞ。音楽と雰囲気を楽しんでください。(注意:音が出ます)

 

 

 

 

 

chichi

立神詩帆 / Shiho Tatsugami
2002年渡仏。エコール・フランソワーズモリスで学び、エステティック・コスメティックCAP国家資格を取得。2011年からパリ7区でエステサロンCHICHI(シシィ)を自営。All About のフランス流美容ガイドとして、パリジェンヌから学ぶ美容情報やライフスタイルに関するコラムを掲載中。
好きなものは、フランスの食文化、1日の終わりのアペリティフ、アルゼンチンタンゴ、旅。

www.chichiparis.com
https://allabout.co.jp/gm/gp/1693/
Instagram: @chichi_paris7

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