CHICHI PARIS ~パリに住むエステティシャンのblog~

舞踏家 有科珠々のソロ公演「La cantate solitaire - 孤独の合唱曲」

外出禁止が23時以降に緩和された夜、舞踏家の有科珠々さんからご招待いただいて、彼女のソロの舞台を観に行きました。コロナで長い間劇場は閉まっていたので、舞台を観るのは実に2年ぶり!フランスでは舞踏は「BUTÔ」と呼ばれ、日本のコンテンポラリーダンスとして人気があります。珠々さんはフランスでダンスカンパニーNUBA(射干)を主宰し、フランスや日本だけでなく世界中で公演やレッスンを精力的に行っていて、お会いするたびに彼女の舞踏への情熱と探究心に感銘を受けたり、プライベートでの彼女の独特のユーモア溢れる面白いお話に笑い転げています。

flyer_Cantate.jpeg

http://www.dansenuba.fr

タイトルは「La cantate solitaire(ラ・カンタル・ソリテール) - 孤独の合唱曲」。一部は40分間のコレオグラフィー。真っ暗な闇に着物姿に市女笠を被った珠々さんの姿が浮かび上がり、音楽が変わるたびに振り付けと装いが変化し、幽玄の世界に引き込まれました。休憩を挟んで2部はバッハのカンタータで踊る10分間の小作。普段会うときの彼女は、長い髪をまとめて帽子を被りパンツを履いているので、ベーシュのワンピースにハイヒールの女性らしい姿がすごい新鮮!どちらの作品も、素早い動き、ゆるやかな動き、静止、顔の表情、手の指先まで神経が張り巡らした動作のひとつひとつで、体の動きだけで女性の美しさや強さ、喜びや悲しさが見事に表現されていて素晴らしかった。

実は、先月ロックダウンが解除された後に久しぶりにお会いしたら、元々細っそりしていた体型が、さらに鎖骨のラインがくっきりと浮いて、顔もフェイス周りがスッキリしてシャープになっていた。写真の撮影や舞踏のために43キロまで体重を落としたと言うので痩せすぎではと驚いたら、写真や映像に写るとこのくらいがちょうど良いとのこと。でも、舞台での彼女の立ち姿や豊かな表情とどの角度から見ても美しい体を見ながら、「40年間舞踏をライフワークとして生きてきて、これからも自分の舞踏を精進していく」という言葉を思い出して、真のプロフェッショナルだと感じ入りました。コロナ渦で舞台やレッスンが出来ない状況でも即座にオンラインやYouYubeに切り替えて継続して、自分の人生を賭ける物を持っている人は芯があって清々しい。舞台俳優のオランダ人の友人も、彼女のワークショップに参加して絶賛していました。日本人でフランスの中に完全に溶け込んで、自分の目指すことを実現するのは容易いことではないし、それがやりたくても出来ない私はつくづく彼女は凄いと思う。ロックダウン中にダラダラと毎日を過ごしていた自分が恥ずかしいよ〜。

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6月は一年で最も日が長い月。帰路に向かう途中、夜10時半でも空はまだ明るくて、テラス席は楽しそうに食事をしたりお喋りに興じる人々で賑わっていました。賑やかな夏のパリが戻りつつあります!

chichi

立神詩帆 / Shiho Tatsugami
2002年渡仏。エコール・フランソワーズモリスで学び、エステティック・コスメティックCAP国家資格を取得。2011年からパリ7区でエステサロンCHICHI(シシィ)を自営。All About のフランス流美容ガイドとして、パリジェンヌから学ぶ美容情報やライフスタイルに関するコラムを掲載中。
好きなものは、フランスの食文化、1日の終わりのアペリティフ、アルゼンチンタンゴ、旅。

www.chichiparis.com
https://allabout.co.jp/gm/gp/1693/
Instagram: @chichi_paris7

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