
メタルマクベス Disc3☆
パリの1枚。
暮らし始めた当初、自宅から一番近くにあったモニュメントが「パンテオン」。
以来いろんなところからパンテオンが見える度にホッとする。
1番の眺めは、行きつけのビストロに向かう途中の横断歩道の真ん中で立ち止った瞬間。
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シェイクスピアの「マクベス」好きなことはこのブログでも何度か書いておりますが、過去のマクベス観劇で度肝を抜かれ爆笑したのが十数年前に劇団☆新感線と宮藤官九郎さん(作)がタッグを組み、内野聖陽さん&松たか子さん主演で上演された「メタルマクベス」!
あまりにツボでCDもDVDも買ってしまい、今では全曲歌詞を覚えてしまったほど。
「メタルにはマクベスが良く似合う」という、いのうえひでのりさん(演出)の着想から生まれた『メタルマクベス』は、ロックバンドが劇中で生演奏する音楽に特化したスタイルで上演されました。
メタルロックはほとんど聴いたことがない私が、その演奏の激しさと歌詞の面白さに魅了され、思わずヘッドバンギング!?
(してないしてない。素人は下手にマネしたら首を痛めます、たぶん…。)
そんな大好きな「メタルマクベス」が再演されると知るや、絶対観たいと思っていました。
場所は、円形の客席をスクリーンとステージが取り囲み、客席が360°回転することで、全方向のステージとスクリーンを見ることができる江東区豊洲にある「IHIステージアラウンド東京」。
そんな「IHIステージアラウンド東京」での観劇は、「髑髏城の七人 Season花」に続き2度目。
(関連ブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/-season.html )
7月から始まった公演Disc1は、マクベス(ランダムスター)夫妻を橋本さとしさん&濱田めぐみさん。
9月からのDisc2は、尾上松也さん&大原櫻子さん。
そして先月から始まったDisc3が浦井健治さん&長澤まさみさん!
観るならDisc3と思っていたのでチケットが取れてラッキー♬
さて本公演はシェイクスピアの『マクベス』の世界観は変えずに、2218年の廃退と化した近未来と空前のバンドブームに沸いた1980年代の日本の二重の構造に置き換える、という大胆なアレンジによって創り上げられた脚本で、近未来と過去を行き来しながら劇中をかき乱し、ゆるい台詞に油断している間に核心に引き込まれるという宮藤官九郎独特のうねりを、ハードロックとヘヴィメタルの楽曲で煽りまくり、怒涛のごとく突き進む物語。
「私たち小さいの。ほんと、小さいのっ!なのにそんな小さな人間が大きな箱に手を出すから…」
と嘆くランダムスター夫人(長澤まさみ)の茫然自失状態でのセリフが一番印象的。
マクベスのストーリーは時代が変わっても、どこの世界、社会、組織でも起こり得ることなので何度見ても面白く感じます。
ところで広い劇場を見渡すと客層は老若男女混ぜ混ぜだったこともちょっと驚きました。
例えば私の左隣には私の親世代?と思しきご夫婦。
パッと見にはこんなメタルとかお芝居などが好きとは思えぬ静かな雰囲気のお二人。
が、フィナーレでスタンディングオベーションで熱い拍手喝采と思ったらカーテンコールでは流れるメタルロックに合わせて右手の拳を突き上げてノリノリ。
思わず私もつられて立ち上がってしまった…。
K「って、そんなマダムが隣りにいたわけよ!」
夫「60、70年代でレッド・ツェッペリン、アイアン・メイデンとかのヘヴィメタにハマった世代じゃない?」
K「なるほど…でも今ほど簡単に世界中の音楽に触れられない時代に洋楽、ヘヴィメタルを聴いてたってなんかカッコイイね〜。」
最近いろんな機会で接する6、70代の皆さんが本当に元気でオシャレで素敵です。
とても豊かに毎日を楽しんでるいる様子を見るにつけ、自分の20年、30年後もそんな風に元気に豊かに暮らせる未来だといいな…、と。
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