![Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜](https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/upload-files/listimage/listimage_pariblog-keico.jpg)
The Courtauld Collection ☆
お城を巡るブログはもうしばらく続くのですが、今日はもうすぐ会期終了となってしまうFondation Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン財団美術館)で開催中の“ The Courtauld Collection A Vision for Impressionism ”(ザ・コートールド・コレクション 印象派のためのヴィジョン展)を。
パリにある美術館ですっかり好きになってしまったFondation Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン財団美術館)。
(関連ブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/fondation-louis-vuitton.html )
その建物建築のユニークさ、開催される企画展は毎回とても個人的には面白く、来て観てよかった!と思うことばかり。
今シーズンはバスキア展に驚き、感動したのも記憶に新しいところ☆
(関連ブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/fondation-louis-vuitton-2.html )
さて、今回はイギリスの実業家で美術収集家のサミュエル・コートールド氏(1876〜1947)の収蔵品の中から印象派を中心におよそ110点の名品を紹介するというもの。
主にコートールドの収集品の寄贈によって構成されているロンドンの「コートールド・ギャラリー」が工事で2年間クローズするため、その間の作品展。
マネ、ルノワール、セザンヌ、ゴッホ、マティス、ゴーギャン…などなど次から次へと続く珠玉の作品の数々にこれも?これも!という驚きの連続。
例えばオルセー美術館が所蔵するマネの「草上の昼食」(Dejeuner sur l'herbe)。
オルセー作品に比べるとサイズはかなり小さめですが構図検討のために描かれたものだそうで、展示室の中でも一段と人々を惹きつけていた一枚。
いつからか個人コレクションを鑑賞するのが好きになりました。
一人の芸術家の作品に限らず色々収集する中にその人の見識眼、審美眼、センスのようなものが美術素人な私にもなんとなく感じられます。
有名アーティストの名前がたくさん並んでも個人的にはどの作品もあまり好きに感じられなかったり、ただの成金趣味?に見えたりすることもあれば、知名度等に関係なく素敵だな〜と思う作品が収集されていたり、まさにコレクターそれぞれなので自分の好みに合う合わないも感じながら鑑賞するのが面白いのです。
Pierre Auguste Renoir「La Loge」
コートールド家は17世紀末にフランスから移住した、もともとは銀細工師の家系。
19世紀には絹織物業に転じ事業を拡大。
20世紀に入り、サミュエル・コートールドが人工シルクの製造に参入して巨富を築いたのだそう。
20世紀初頭のイギリスではまだ印象派の作品は高い評価を得ていなかった中で、1917年にロンドンで開催された絵画展でフランスアートに刺激を受けて妻エリザベスとともに美術品収集を始めたと。
夫「妻、ごっついな。怖そうだ」
K「やり手(実業家)の妻は怖いぐらいでちょうどいいです」
夫「コレクションには彼女の影響もかなりあったらしいね」
K「二人で共通の趣味とかセンスを持ってコレクションするって素敵だね〜」
夫「うちにはないこと…」
Claude Monet 「Vase of flowers」
どんなジャンルにおいても人気を得て評価が高まってから手にするのと、それ以前に自分の審美眼で選ぶのとでは大違い。
美術評論家の云々ではなく、コートールドご夫妻がお二人で選んだ作品群のそのセンスに感心、感激の連続でした。
本展の目玉的な作品の一つ、マネの「フォリー=ベルジェールの酒場」。
私などは常日頃よくわからない情報に踊らされっぱなし?!
世間の評判がどうであれ本当に自分自身で「これはいい!」と自信を持って選んものがこれまでいくつあるだろう…。
自分のセンスに自信などはなかなか持てないとしても、こうして素晴らしいコレクションを繰り返し鑑賞することで自分の中に少しずつモノを見る眼を養っていければと思いながらの鑑賞でした。
Honore Daumier「Don Quixote and Sacho Panza」
Pierre Auguste Renoir「Le Printemps ,Chatou 」
このルノワール作品は近づいて見るほどにとても綺麗でした。
Georges Seurat「The Channel at Gravelines,Grand Fort-Philippe」
スーラといえば上の作品のような淡い色の点描画作品のイメージが強いですが、下のような色のないヌードは初めて見ました。
いかにもゴッホ!
でもこちらの作品もゴッホだとは作者を確認するまでわかりませんでした。
「花咲く桃の木」というタイトル。
この絵を眺めていたら、なんというかとても穏やかで幸せな気持ちが湧いてきました。不思議。。
Matisse, Henri「Woman Resting her Arms on a Table 」
ポール・セザンヌの有名作「カード遊びをする人々」もコートールドコレクションだったとは!
セザンヌと言えば!な林檎ですが、数ある林檎作品もそれぞれ違うので自分の好きなセザンヌの林檎を探し中です。
中でもこの作品はかなり好き!と思った♡
モディリアーニのヌードも私にはちょっと新鮮。
最後のコーナーは、コートールド夫妻の居間の再現スペース。
こういう再現は、これらの絵が実際どういう風に飾られていたのかわかってととも面白い。
ところで、この秋日本でも東京都美術館で「コートールド美術館展・魅惑の印象派」(Masterpieces of Impressionism: The Courtauld Collection)展が開催されるそう!
詳しくはオフィシャルサイトを→ https://courtauld.jp
www.fondationlouisvuitton.fr/en.html
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