
パリ1区☆ Halle aux grains(アール・オ・グラン)
昨年オープンしたパリの新しい現代美術館『Bourse de Commerce』(ブルス・ドゥ・コメルス)へ。
実業家で現代アートのコレクターとしても有名なフランソワ・ピノー(François-Henri Pinault)氏が世界中から蒐集した1960年以降に制作された作品に出逢える美術館。
まずは、正面にいたシルバーの人馬と記念撮影。
フランソワ・ピノー氏の美術館といえば、イタリア・ヴェネツィアの『Punta della Dogana』(プンタ・デッラ・ドガーナ)が記憶に新しいところ。
(関連記事→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/punta-della-dogana.html )
と思ったけれど、過去ブログを見たらそれは2013年こと…!
(ちょっと前のことに思えるのに、もう随分と月日が流れてしまっていること、コロナ禍で時間が止まっていたことを感じるなぁ〜)
「プンタ・デッラ・ドガーナ」が面白かったので、それに次いでピノー氏がパリの中心分にオープンさせた『Bourse de Commerce』(ブルス・ドゥ・コメルス)には興味が湧きました。
が、しかし今回の目的は美術鑑賞ではなく、館内にオープンしたレストラン『Halle aux grains』(アール・オ・グラン)なのだ♬
入口を入って左手奥のエレベーターでレストランへ直通です。
レストランのある最上階フロアに着くと美術館の吹き抜け空間が丸見え!
下から見上げても壮観でしょうが、高い視線で眺められるのはレストラン訪問の特権☆
自然光が降り注ぐ様子が美しく、感激。
建物についてちょっと触れておきますと、ここは元々は18世紀に建設された歴史的建造物で、建築家の安藤忠雄氏が全体の構造を守りつつ、伝統と革新を融合させたコンテポラリーな内観を創り上げ、その空間自体が見応えのあるアート。
レストランへ続く廊下に沿って、その宮殿のような円筒形空間をじっくり鑑賞。
美術館としても魅力的ですが、腹ペコにつきとりあえずレストランへ急ぎました。
館内レストラン『Halle aux grains』(アール・オ・グラン)は、フランスを代表する料理人Michel Bras(ミッシェル・ブラス氏)と息子のSébastien Bras(セバスチャン・ブラス氏)の監修、パリ初進出レストラン。
と、知ってオープン早々から興味を持っていました。
というのも長年私が憧れ、行くことを夢見てきたのが、ブラス親子のレストラン『Le Suquet』(ル スーケ)。
実際何度か企画したものの、タイミング悪くなかなか実現できず。
それは、フランスの山岳地帯なオーブラック地方・ライオール村にある有名店。
ライオール村と言えば、切れ味抜群なナイフで有名な村でもあります。
5皿コースをチョイス。
アペリティフは珍しくキールに。
香りの良いカシスリキュールに、目の前で白ワインを注いでいただき完成。サンテ!
アミューズは、蕎麦生地にラディッシュの芽を乗せたカナッペ。
繊細複雑で旨味凝縮のクリアコンソメスープ。
ふと気がついたのは、豆のような、種ようなデザインが施されたナプキン。
それも納得。というのも、店名「Halle aux grains」(アール・オ・グラン)とは、「穀物市場」という意味。
この建物は、その昔「穀物市場」として賑わった時代があったそう。そんな歴史を意識したであろうな店名へのオマージュを感じます。
前菜はスズキのカルパッチョ。
お、美味しい!!
窓の外は、パリのパノラマ。
景色を楽しむならデジュネの方が良いかも。
この日は13時を過ぎた頃に店内はほぼ満席となりました。
穀物感を感じるパン☆
こうい美味しいパンを噛み締めるほどにパリだなぁと感じる瞬間です。
ところで、このレストランのテーマは、「穀物、豆、種」。
ブラス親子は手掛けるにあたり様々な小麦や米、豆、ナッツ類を研究し、料理として表現する際に加熱、発酵、発芽、マリネなど多彩なアプローチを試したそうです。
魚料理は、Lieu Jaune(リュ・ジョーヌ)というタラの一種を蕎麦の実入りのバターでソテー。
肉料理は鹿肉。
ソフトな肉質、味わいとしては今シーズン暫定首位☆
付け合わせは、アリゴ☆
こんなにエレガントなアリゴは初めて!
外は薄くパリッと、スプーンを入れた途端アリゴらしくビヨーーーンと伸びる伸びる。
最初から気になっていた、視界に入りまくっていた私の席近くにあったチーズカート♡
フロマージュは、Aveyron(アヴェロン村)の3種盛り。
オレンジのコンフィや穀物を添えていただくと味変、食感変で面白い。
それにしてもチーズそのものが抜群に美味しくて、思わず白目…。
デセールは、カリカリの麦が主役のカフェ・オ・レのムースにナッティなソースが滑らか〜。
最後まで穀物の魅力満載でした。
お土産にいただいた何やらグラン。
どうやら水で戻して食すらしい。
地元食材をふんだんに使い、その独創性と美しいデザイン性に溢れたブラス親子のお料理はこれまで映画やTVドキュメンタリー、雑誌等で度々目にしてきましたが、その料理の片鱗を感じることができました。
いつかは本場オーブラック村へ行きたいものですが、それまではパリのレストラン『Halle aux grains』(アール・オ・グラン)で☆
<おまけ>
キッチンの様子も素敵でした!

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