
1894 Visions ルドン、ロートレック展☆
久しぶりに美術鑑賞をしてきました。
場所は東京・丸の内の「三菱一号館美術館」、先月24日から始まった『1894 Visions ルドン、ロートレック展』。
Odilon Redon(オディロン・ルドン)は、このブログではすっかりお馴染み?で、たぶん展覧会ネタでは最も記事にしている大好きな画家です。
パリで、東京で、新潟で、と繰り返し鑑賞して益々惹かれています。
(関連記事→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/post-853.html )
今回は彼のクロノロジー等は割愛。
(本展は撮影不可のため、以下の作品・写真については三菱一号館美術館公式サイトより)
《青い花瓶の花々》
好きな絵は何度観てもやはり心に響きます。
鑑賞する時は、いつも違った気持ちだったり環境だったりすることもありますが、とりわけ世界がこんなことになるとは思っていなかったコロナ禍で観たルドンの色彩はこれまでで最も眩しく感じました。
《神秘的な対話》
木炭と石版画を使った黒い作品を制作していたルドンがパステルや油彩で色鮮やかな作品を制作し始めたのは50歳を過ぎてから。
私も50歳を境にいつも華やかな気持ちと装いを楽しめる大人になりたい…ふとそんな気持ちが湧いた瞬間でした。
《ポール・ゴビヤールの肖像》
《グラン・ブーケ》
248.3×162.9cmのこの大きな作品に再会できて嬉しかった!
19世紀末から20世紀初頭にかけてルドンと同じ時代に活躍した Toulouse-Lautrec(トゥールーズ゠ロートレック)作品も多数展示。
ロートレック展と言えば、今年1月にグラン・パレ(Grand Palais)で鑑賞した“TOULOUSE-LAUTREC Résolument moderne”(トゥールーズ=ロートレック「果敢な現代人」展)も記憶に新しいところ。
というわけで、こちらもクロノロジーは割愛。
(関連記事→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/post-1101.html )
《ムーラン・ルージュにて、ラ・グーリュとその姉》
《ムーラン・ルージュのイギリス人》
《アリスティド・ブリュアン 彼のキャバレーにて》
ロートレック作品からは短い人生ながら力一杯生き抜いたような強さも感じられ、まだ先が見えないコロナですが、気持ちだけはしっかり持とう!と、ちょっと励まされた感じ。
《アリスティド・ブリュアン 彼のキャバレーにて》
ところで本展のタイトルになっている「1894」という年は、英国人建築家ジョサイア・コンドルの設計で三菱一号館が丸の内に最初のオフィスビルが建てられた年なのだそう。
そして同時期のパリでは、1889年のパリ万博で「エッフェル塔」が注目され、世界中から観光客が押し寄せ、まさに新しい時代の象徴となっていった頃。
本展では、ルドン、ロートレック作品以外にも彼らに所縁のある画家、同時代に活躍した芸術家の作品も展示されていたのですが、私の印象に残った一番の作品は、日本人画家・山本芳翠(やまもと ほうすい)の『裸婦』。
美しいヌードだな…と、ただただ見惚れてしまいました。
もっと彼の作品を観たいと思ったのですが、1887年にフランス留学から帰国する際、留学中に制作した多くの作品が積載された船が原因不明で消失し、300点とも400点とも言われる全ての作品が失われてしまったそうです。(なんだかミステリー!)
1894年を軸にパリと東京でそれぞれそれまでの時代を超える新しいものが生まれ、動き出す頃だったことを感じ考えながら楽しんだ久しぶりの美術鑑賞でした。
最後に出口手前に原寸大グランブーケの撮影コーナーがありました。
つくづく大きな作品!
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パリの1枚。
お花が好きな友人宅のブーケ。
自然体で美しく、なんだかパリっぽい…と思いました。
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