
OPTION B☆
K「コリッコリのお蕎麦が食べたい!」
夫「サクサクの天丼が食いたい!」
おっ♡珍しく行きたい場所が一致したことで、ランチに出かけたのが、お蕎麦屋さん『川上庵』(麻布店)。
(関連記事→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/post-372.html )
パリはじめ外国から帰国後に真っ先に食べたくなるもののひとつがお蕎麦ですが、コロナのバタバタでその機会を逃してしまい、こうしてお蕎麦やさんに行くのは今年初めて。
麻布十番界隈はお蕎麦激戦区なので、たくさんお店がありますが、今回は比較的席間隔が広めでゆったりスペース、そしてメニューに天丼もある『川上庵』をチョイス。
まずはジャコと高原野菜のシャキシャキサラダ。
このお店で特に好きな一品「鴨ロースの炙り焼き」で舌鼓気分。
「かき揚げ天丼」に夫はご満悦。
そして私も大好きな、濃厚くるみダレでいただく田舎そばに大満足。
久しぶりに美味しいお蕎麦を食べて、ふと思ったのが去年3月に亡くなった大切な人のこと。
故人は、お蕎麦と鰻が大好きだったな…と。
その死はあまりに突然で私には心の準備とか覚悟のようなものがいっさいなかったので、失った時はただただショックで、それから時間が経つ中で感じる喪失感はじわじわと重い悲しみがのしかかるようでした。
時間とともに色々なことが思い出になってきた中で、こんな風に突然思い出されて、切ない気持ちになります。
もうあれから1年なんだ…と思った今年3月に購入したのが、『OPTION B』<シェリル・サンドバーグ &アダム・グラント(著)、 櫻井祐子 (翻訳)>という1冊。
自分に起こった1年前のことを思いながら、人は大切な人を失った後にどんな風に立ち直るのだろう…と思ってた頃に出会った1冊です。
著者のシェリル・サンドバーグさんは、フェイスブックCOO リーン・イン基金理事長。
ハーバード大学&大学院卒。フェイスブックに加わる前は、グーグルでグローバル・オンライン・セールスおよびオペレーション担当副社長、財務省首席補佐官を歴任。
マッキンゼーでコンサルタント、世界銀行で調査アシスタントとして働いた経験もあるという、絵に描いたようなバリキャリな才色兼備な女性。
そんな彼女が休暇先で最愛の夫を亡くした瞬間から始まる本書。
ここではネタバレな内容は割愛し、以下にAmazonの本書紹介文を引用します。
生きていればだれだって苦難に遭遇する。
そういうとき、考えるべきは「次にどうするか」である。
完璧な人生なんてあり得ない。
だからみんな、なんらかのかたちの「オプションB」を選ばざるを得ない。
この本は、だれもがオプションBをとことん使い倒せるようにするための本である。(「はじめに」より)
「オプションB」とは、「次善の選択肢」のことだ。
だれであれ、「バラ色」だけの人生はあり得ない。
「最良の選択肢(オプションA)」ではなく、オプションBを選ばざるを得なくなったときその逆境からどう回復すればよいのか。
夫を失ったシェリルに、友人で著名心理学者のアダム・グラントが教えてくれたのは、人生を打ち砕く経験から回復するための、具体的なステップがあるということだった。
回復する力(レジリエンス)の量は、あらかじめ決まっているのではない。
レジリエンスは、自分で鍛えることができるのだ。
失恋、挫折、人間関係のこじれ、仕事の失敗、突然の病、そして愛する人の死――
人生の喪失や困難への向き合い方、逆境の乗り越え方を、世界的ベストセラー『LEAN IN』著者と『GIVE & TAKE』著者が説く。
買ったものの、あまりにもポジティブなことばかり目にしても返って凹みそう…そんな気もしてなかなか読みだせなかったのですが、最後まで冷静に読むことができました。
著者シェリルさんの体験以外にもたくさんの人の喪失体験が語られ、世の中ではそんなことも起こるのか…と驚き悲しくなる瞬間もありましたが、それが現実なんだと。
また心理学的な検証事例も書かれていたので、ちょっとした言葉のかけ方、使い方で親が子供に、友人が友人に与える影響については興味深く、考えさせられる点も多々ありました。
例えば子供にテストの後の誉め言葉で「頭がいいね」と言った場合と「頑張ったね」と言った場合、その後の成績が違ってくるといったことなど、結果とともにその理由が心理学として面白く感じましたし、
全編にわたり響く言葉が随所にあり、読む時の自分の精神状態で心に引っかかる言葉、気づきが色々あるのでは、とも思いました。
読後、私としてはこれからも故人を思って切なくなる瞬間はあると思うけれど、なるべく幸せな瞬間に故人を思い、一緒にその幸せをシェアする気持ちで一緒に生きていこう…と。そんな感想を持って読み終えた「逆境、レジリエンス、そして喜びを得るOPTION B」でした。
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パリの1枚。
外にも砂&貝を巻いてバカンス気分を演出していた去年のウインドーディスプレー。
この夏はどこも静かなバカンスかな…。
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