Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

オルセー美術館のドガ展☆

オルセー美術館(Musée d’Orsay)で「パリ・オペラ座」創設350周年を記念して開催中の“Degas à l'Opéra”(オペラ座のドガ展)へ。

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昨年9月にスタートした展覧会なので人気はもう落ち着いてる頃かな?と思いきや、館内全体は比較的空いていたのにドガ展会場は大盛況。

学校授業で訪れている子供達からシニアまで客層は幅広く、言葉もフランス語以外の外国語も多く聞こえ、改めてドガ人気を認識。

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普段からオルセー美術館の常設展でも注目を集める印象派を代表する巨匠Edgar Degas(エドガー・ドガ)

2018年に鑑賞した“Degas Danse Dessin. Hommage à Degas avec Paul Valéry”(ドガ ダンス デッサン:ポール・ヴァレリーによるドガへのオマージュ展)も記憶に新しいところ。

(関連ブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/post-822.html

本展は、彼が特に愛した「オペラ座の踊り子」がテーマ☆

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1834年、パリで裕福な銀行家一家に生まれたドガ。

父親が芸術を愛し、絵画に造詣が深く、自宅では定期的に音楽会を開催されるような家庭環境で育った彼は音楽家や芸術家は身近な存在。

バレリーナではなく、オーケストラ奏者を描いた『オペラ座のオーケストラ』(左)が最初の出世作。

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当時のパリ・オペラ座管弦楽団員でフレンチ・バソン奏者のデジレ・ディオーやチェロ奏者ピレと友人関係にあり、彼らの紹介などもあってオペラ座に通うように。

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思わず「これ!」と『ラ・スルスのE.フィオークル嬢の肖像』に釘づけになった理由は、以前鑑賞したバレエ“La Source”(ラ・スルス =泉)を思い出したから。

それは美しいバレエだったことと、その公演の衣装担当がクリスチャン・ラクロワでとても素敵だったのです☆

(関連ブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/51809637.html

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私が鑑賞した際のミリアム(Myriam Ould-Braham 2012年にエトワールに昇格)が演じた泉の精も素晴らしかったけれど、ドガはどんなスルスを観たのだろう…。

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ドガの彫刻作品の中でも一際有名な『14歳の小さな踊り子像』。

今も昔もステージに立つ者の少女性には特有の魅力がある感じ。。

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今にも踊り出しそうなリアル感。

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印象派といえば日本画、浮世絵の影響を受けた画家が少なくない中、ドガもその一人。

扇面はドガが好んで用いた形式。

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油絵でも水彩でもない、ちょっと艶消し風のこの色は何?

と思って解説をチェックすると「アクリルガッシュ」いう絵の具も使用していると。

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代表作『エトワール』の踊り子を上から見下ろす構図は浮世絵の奇抜な構図構成の影響。

画面奥には黒服の男=パトロン、出番を待つ脇役の踊り子の姿からステージ上で繰り広げられる華やかな世界とは異なる、厳しい競争社会やパトロンの位置付けがわかる一枚。

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現在とは違って当時のバレリーナ(踊り子)は身分が低く、パトロンがつくことでお金がもらえたり、豊かな暮らしができるように。

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ドガは、83歳で生涯を閉じるまでに手がけた作品の半数近くはオペラ座を描いているのだそう。

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最後の展示コーナーに入ると照明が一段明るくなった?と思うくらいに、それまでの作品と比べると色濃く綺麗。

ドガは晩年視力が悪くなったそうですが、視力が衰えるほどに作品は色鮮やさ増して。

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7年半の間に180回近くもオペラ座に通ったと言われるドガが踊り子たちから繰り返し受けたインスピレーション、本番ステージの様子はもちろん練習風景、リハーサル、楽屋裏、袖とまるで密着レポートのように楽しめた展覧会でした。

☆Belle et Bonne Blogも絶賛更新中☆
 
<info>
『Degas à l’Opéra』(オペラ座のドガ展)は2020年1月19日まで
Musée d’Orsay
1, rue de la Légion d’Honneur 75007 Paris
www.musee-orsay.fr
 

KEICO

新潟県の老舗旅館に生まれ育つ。
上京、進学、就職、まさかの出逢い?で結婚し2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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