
箱根 彫刻の森美術館☆
紅葉ドライブを楽しみながら目指したのは、『箱根 彫刻の森美術館』。
あいにくの小雨模様でしたが、その大自然のロケーションを生かし、箱根の山々を望める7万㎡の庭園に広がる野外美術館は開放感抜群☆
まず視界に飛び込んできたのは、アントワーヌ・ブールデルの「弓を引くヘラクレス」。
まさかここで再会するとは!な、パリでは度々対面している有名彫刻。
そして同じくブールデルの4作品は、高くそびえ立っていました。
その4体は、それぞれ「自由」「勝利」「力」「雄弁」の寓意像。
これはアルゼンチン建国の父、アルヴェアル将軍騎馬像の台座の四隅を飾っているもので、同国政府の依頼により第一世界大戦中に製作されたもの。
ブールデルと言えば、パリの私の好きな美術館のひとつ。
そこで開催される特別展は毎度興味深く(マダム・グレ展、アライア展、バレンシアガ展等々)、またいつ行っても比較的空いている穴場感、ゆっくりじっくり作品と語り合える落ち着いたミュゼです。
(関連ブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/post-696.html )
こうしてしとしと小雨の中を鑑賞散歩し始めると、庭園内にはまだまだ紅葉が美しく残っていました。
こちらの美術館の館内展示作品の撮影は不可ですが、庭園内のものはOK。
雨に打たれたことでブロンズが光り、それはそれで綺麗な様子。
<サンディアゴ・デ・サンディアゴ・エルナンデスの「抱擁」>
観る角度を変えると印象も変わるのが彫刻の面白さ?!
誰?
どこかで見たことあるような人だけど…
と思って近づくと、オシップ・ザッキンの「山野を歩くヴァン・ゴッホ」でした。
庭園内には、様々なテーマの広場や施設(カフェや足湯も)があります。
星の庭迷路に出くわす。
迷路好き?としては、これは彷徨いたい♬
K「どっちが先に脱出できるか勝負!」
夫「一人で遊んできてください。先に行ってます」
K「つまんね〜、ノリが悪いよ」
夫「風邪ひくよ」
そうこうしている間に雨が上がりました。
そして彫刻に導かれながら進む。
<エミリオ・グレコの「水浴びをする女」>
<エミリオ・グレコの「うずくまる女No.4>
辿り着いたのは、『ピカソ館』。
彫刻の森美術館のピカソ・コレクションは娘のマヤ・ピカソから購入した陶芸を中心に約300点ほどあり、順次公開しているそう。
館内は3つの展示室に分かれ、様々な素材や手法で新しい「形」に挑戦し続けたピカソの創作活動を作品とピカソの「言葉」と合わせて紹介。
特に印象的だったのは、大きなタピスリー作品『ミノトーロマシー』。
暴力や欲望の象徴であるギリシャ神話の怪物ミノタウルスに立ち向かう少女を描いた原画の迫力を織物で表現した作品。
色はなくモノトーンでしたが、色鮮やかな絵画より厚みと重みのあるタピスリーで表現されたその世界は観るものに迫る迫力がありました。
そんな1枚は残念ながら撮影不可なので、心のカメラにしっかり留めるつもりでじっくり鑑賞しました。
ピカソ館を出た後もしばらく庭園散策、作品鑑賞。
まるで群舞。
<後藤良二の「交叉する空間構造」>
<フランソワ=ザビエ、クロード・ラランヌの「嘆きの天使」>
泉の中に横たわる嘆きの天使は涙が途絶えることがない。
でもその顔は悲観にくれたものではなく、どこか哀愁をおびた穏やかな顔。
最後に鑑賞した作品がツボ♡
今回鑑賞した彫刻作品の中では一番のお気に入りとなったジャコモ・マンズーの「衣を脱ぐ」。
服を脱ぐという行為で、太腿も露わな様子なのにイヤらしさがなく、その体は単に細いという印象でもなく、スレンダーな肢体から醸す優美さに見惚れました。
また、服のドレープ、質感も彫刻とは思えなぬ柔らかさだな〜と。
という訳で、紅葉と素敵な作品を満喫した晩秋の秋でした。
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パリの1枚。
いかにも!なフランを食べた友人の羨ましいショット。
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