Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

木ノ下歌舞伎☆三人吉三廓初買

とても久しぶりの歌舞伎鑑賞。

しかもそれは、いつもの後援会がらみの観劇ではなく、初めての『木ノ下歌舞伎』。

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K「キノシタ歌舞伎?初耳なんだけど現代歌舞伎かなんか?」

夫「俺も詳しいことは知らないんだけど、今回東京芸術祭で三人吉三を通しで全幕やるっていうから興味が湧いてさ」

K「あ〜、三人吉三巴白浪。泥棒が主役の白浪物超人気作品のあれ?」

夫「そう。でもこれまで歌舞伎座で観てるのは、そのほんの一部。実はかなり長くて複雑な話なんだって」

(関連記事→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/post-915.html

というわけで、会場の東京芸術劇場へ。

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長年の歌舞伎ファンですが、恥ずかしらながらこれまで木ノ下歌舞伎について存ぜず。

木ノ下歌舞伎とは、木ノ下裕一氏が主宰する、歴史的な文脈を踏まえつつ、現代における歌舞伎演目上演の可能性を発信する団体。

あらゆる視点から歌舞伎にアプローチするため、主宰である木ノ下氏が指針を示しながら、さまざまな演出家による作品を上演するというスタイルで、京都を中心に2006年より活動を展開しているそう。

(すっかりこちらも通い慣れた劇場です)

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会場で「ご自由に」と置かれたフリーのプログラムは、フリーとは思えぬ充実内容。

あらすじ、相関図、場割、用語集、コラム、木ノ下氏推薦の黙阿弥ガイドブック、出演者プロフィール等。

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ウォーリーを探せチックなこのプログラムは、出演者が皆同じ衣装、ヘアスタイルなのですが、よーく見ると皆さんそれぞれキャラクターを感じさせる表情をしているから面白い。

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さて、今回の三人吉三廓初買』は全編公演ということで、その上演時間がなんと5時間20分。

しかもこの日は、上演後にアフタートークイベントも開催。

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長いわ...。眠くならずに楽しめるだろうか?と最初は思ったものの、それは全くの杞憂に終わりました。

ちょっと複雑な背景、人間関係でありながらも、原作とは流れを少し入れ換えることでストーリーが大変わかりやすくなり、テンポの良い場面展開と台詞回しで臨場感あふれる一大スペクタル作品で、笑って泣いて物語の中に引き込まれました。

(↓プログラムより:事前にあらすじを読んでもこんがらがっていた関係もプログラムの相関図でスッキリ!)

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ここであらすじは割愛ですが、本作は河竹黙阿弥による江戸時代を舞台にした物語で、三人の盗賊が中心となる複雑な人間模様を描いた作品です。

ストーリーやキャスト、詳細についてご興味がある人は、公式サイトをご確認ください→https://kinoshita-kabuki.org/kichisa2024

話の中心となる三人の、偶然同じ名前の「吉三」がとにかくキャラ立ちしている...!

和尚の吉三、お坊の吉三(おぼっちゃんのお坊で、もともと御家人のボンボン)、お嬢の吉三(振袖姿で強盗をする盗賊、本当は男)のキャラクターが濃くて強烈なのです。

そんな彼らがそれぞれ抱える悩みと深み、心の葛藤に観客は惹き込まれるわけです。

そして話が進むほどにお互いの運命が交錯し、次第に悲劇的な結末へ向かっていく...というお話。

本作は江戸時代に限ったことではなく、今に通じる世界観と、ある意味ドロドロな人間ドラマが見事に描き出された作品であることを改めて知りました。

それはこれまでの歌舞伎で一場面だけでを観ただけでは感じ得なかったもので、私にとっては本公演は、三人吉三深掘り体験でした。

また今後機会があればもっと鑑賞してみたい!と思った『木下歌舞伎』です。

<info>
木下歌舞伎
東京芸術劇場
東京都豊島区西池袋1丁目8−1
 

*****プチッとパリ*****

パリに暮らす友人(日本人)へお土産に『御菓子司 瑞月院』 の和菓子をチョイス。

私自身は滅多に食べない羊羹ですが、わりとリクエストされるんですよね〜。

日持ちもするし、やはりこの餡子味は日本味☆

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KEICO

新潟県の老舗旅館に生まれ育つ。
上京、進学、就職、まさかの出逢い?で結婚し2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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