
ヴェネツィアに行きたくなるティントレット展☆
ここ数年で益々虜になっているのがイタリア・ヴェネツィア。
旅ファイルを見ると多い年では1年に3回も行ってる!?とは自分でも驚きます。
2月、8月以外のヴェネツィアはほぼ経験し、その中で何度か軽く「アクア・アルタ」も体験。
「アクア・アルタ」は秋から春の季節の満潮時に季節風「シロッコ」の影響で街に浸水する現象ですが、昔は数年に1度という頻度だったのに最近では1年に5、60回以上発生しているのだそう。
今年は行けそうもないかな…と残念に思ったところで気持ちを慰めるべくヴェネツィア絵画の鑑賞へGo!
やってきたのはパリ5区の“Musée du Luxembourg”(リュクサンブール美術館)。
只今、“TINTORET. NAISSANCE D'UN GÉNIE”(「ティントレット、天才の誕生」展)を開催中です☆
このブログではすっかりお馴染み感のある画家Tintoretto(ティントレット)は、16世紀ヴェネツィア派を代表する画家。
(関連記事→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/post-612.html )
本名は、Jacopo Robusti(ヤコポ・ロブスティ)なのに父親が染物師“tintore”だったことから「ティントレット」という呼び名で知られるようになったそう。
彼に限らずこの時代の画家は村名や職業に関連した呼び名になることが多いのがちょっと面白いけれど、確かに覚えやすい。
やはりティントレットの色彩は綺麗だし、観ている者に迫ってくるような迫力が独特。
大きな作品が多くその迫力に飲み込まれそうな気がする瞬間も。
比較的落ち着いて鑑賞できるこの美術館は、こうしてゆっくり椅子に座って心ゆくまで作品の前に居られる。
それにしてもパワフルな作品たち…。
さて本展は、ティントレットの生誕500周年記念の展覧会。
画業の初期15年間の創作に光を当て、ティントレットの絵画的特質がもっとも顕著に示される作品を中心に紹介。
師匠ティツィアーノに学び、その後は伝統的な主題を革新的な手法で表現することを目指したティントレット。その多様な芸術的成果を知るという主旨。
どうでもいいことですが空調効き過ぎ?!
寒くてシャカシャカ素材のアウターを羽織りました。
1日の中でも気温差の大きいこの時期(ここ数日は朝が特に涼しいです)に意外と活躍度が高いのがシャカシャカなナイロン素材のウインドブレーカー的なもの。
日本じゃ蒸れるので着る時期が限定されますが、ヨーロッパではこの季節の旅行に軽くて便利。
閑話休題。
テーマとしてはよく扱われる“ Le péché originel”(原罪)も画家によって解釈や表現が色々なのでその比較が楽しい作品の1つ。
「ほら、食べてみなよ、アダムぅ〜。絶対美味しいから!」
そんな誘惑の声が聞こえてくる!?
ティントレット個人ではなく、ティントレット工房(アトリエ)でグループ制作された“La Mort Adonis”(アドニスの死)。
これはギリシャ神話でアフロディーテに愛され、命を落としアネモネの花になった美少年アドニスのこと。
ある日アフロディーテ(ヴィーナス)がエロスと遊んでいる時に一目惚れした相手が美少年・アドニス。
アフロディーテは、彼にメロメロ♡
女神のお仕事そっちのけで、狩りをしたり野山を駆け回って楽しくアドニスと過ごす日々。
そしてアフロディーテが彼に忠告したのは、
「凶暴なオオカミやクマやイノシシなどには近づかないように!自分の力を過信してはいけませんよ!」
と言い残してアフロディーテはキプロス島に向かいました。
が、若い男子は女神の忠告を聞かずイノシシ狩り。
その結果、アドニスはイノシシの牙で脇腹を貫かれてしまいます。
(天使好きとしては、作中のエロスに魅入ってしまった…)
アドニスの叫び声を聞いたアフロディーテはすぐに引き返し、アドニスの元へ。
アフロディーテは息絶えようとしているアドニスを抱きかかえ、嘆き悲しみます。
「アドニスは永遠に私の悲しみの思い出となり、毎年彼のために祭が開かれ、その死にざまは繰り返し舞台となるでしょう!」
と、アフロディーテがアドニスに傷口に神酒を注ぐと真っ赤な花が咲きました。
それが命の短い「アネモネ」☆
ところで、アドニスを襲ったイノシシは一説ではアフロディーテの愛人・軍神アレスだと。。
(男の嫉妬も怖いわー)
じっくり「アドニスの死」を鑑賞した後は、いつものようにお土産コーナー。
ヴェネツィアンガラスのグラスやアクセサリーなども素敵でしたが、やはり現地で買いたい…と我慢して美術館を後に。
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