
ローマ時代のカラヴァッジョ・友と敵☆
すっかりアップし忘れていた美術鑑賞ブログなのですが…。
それは先月28日でパリ8区にあるMusée Jacquemart-André(ジャックマール=アンドレ美術館)で開催された“Caravage à Rome, amis & ennemis”(ローマのカラヴァッジョ・友と敵)展。
カラヴァッジョは大大好きな画家で、その作品が見たいがためにローマに行ったこともあり、
(その時のブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/post-52.html )」
2016年に東京・
(関連ブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/post-534.html)
という訳でパリで、しかもこれまた大好きなジャックマール=アンドレ美術館でのカラヴァッジョ展開催となれば自ずとテンションアップ!
ルル、ルンルンルン♬と鼻歌スキップ気分でやって来たのはいいけれどチケット売り場に予想外の行列。
これまでの経験では平日の午前中は空いていることが多く、話題の展覧会と言っても大混雑に遭遇した事がなかったので今回も予約無しで来たところチケットを買うまでに約1時間弱並びました。
なかなか進まぬ列に話し相手は天使だけ。しかもそっぽ向かれた感じで。。
ようやくチケットを手にして館内へ。
それにしてもいつ来ても羨望のため息がでる素敵な邸宅。
この場所でジャックマール&アンドレご夫妻はどんな生活を送っていたのだろう…♡
長いドレスの裾を引きづりながらこの螺旋階段を上がっていたのだろうな〜。
館内に入ると常設展はいつも通りそれほどの混雑はなく、落ち着いた雰囲気だったのですが、
特別展のカラヴァッジョ展は沢山の人で溢れていました。
本展は、1590年代終わり頃にミラノ近郊のカラヴァッジョ村からローマに出てきたミケランジェロ・メリージ(←カラヴァッジョの本名)がローマ滞在時代に制作した10点と同時代のローマの画家、ライバル画家の作品を展示。
一部の作品を除き撮影可だったのですが、その人混みで撮影がうまくできなかったので以下の画像は図録から。
カラヴァッジョのざっくりなクロノロジーは過去のブログでも度々書いているのでここでは割愛。
私の場合カラヴァッジョ作品を初めて見た瞬間から好きになった訳ではなく、初対面の作品(そのタイトルさえ思い出せません)はなんだか暗くて怖い…ぐらいの印象でした。
なのに訪れる先々の美術館で「この明暗に惹かれる…作者は誰?」と確認すると繰り返しカラヴァッジョ 。
第一印象はあまり良くなかったのに偶然が重なって、気になる存在になって、いつの間にか好きになっていた。
って、、まさに恋愛パターンだわ♡状態。
そんなカラヴァッジョ作品の中で一番多く目にしているのが「ホロフェルネスの首を斬るユディト」↓
衝撃的残虐なシーンなのですが魅入ってしまう。
明暗を描くと言っても時代が進むほどに多くの画家も上手く描いているのですが、私にはカラヴァッジョっぽい感じに見えてしまい、カラヴァッジョ以前の時代に彼のような光と闇を描いていた人はいないのでは…?(美術史を学んでいないのであくまで勝手な主観です)と思うと、それまでにない表現方法をとったカラヴァッジョってやはり凄いよね〜と感じます。
ローマ・バルベリーニ国立古代美術館で観た時もジワジワと染み入るように感じた「瞑想の聖フランチェスコ」の感動再び↓
サンフランチェスコを観るたびに昔訪れたアッシジの風景や思い出が次々と思い出され、また本や映画で知ったサンフランチェスコの清貧・貞潔・奉仕の生活を思うと反省することがあり過ぎ。。
今回もあれこれ反省しながら初めて観た「瞑想のサンフランチェスコ」↓
こちらも8年前にローマ・カピトリーニ 美術館で観た「洗礼者ヨハネ」ですが、その当時よりも今回ずっと新鮮に感じました。
それは多分この8年間でたくさんの絵画を見る中で「洗礼者ヨハネ」を描いた作品も多く鑑賞し、そこでできたイメージとこの作品はだいぶ印象が違うからかな、と。
大きな角をもつ牡羊を抱いている少年時代のヨハネは若く、あどけなさのある美しさ。
その闇の中にフワっと浮かび上がるような明るさ、光の当たり方は図録等でなかなか伝わりづらく本物を目の前にした時にググっと心に迫ってくるものがあります。
赤の法衣が劇的に映った「筆する聖ヒエロニムス」↓
同じ「エマオの晩餐」のタイトルでほぼ同じ構図の作品がロンドン・ナショナルギャラリーにあります。
こちらはミラノ・ブレラ美術館のもの。
二つ並べて比較してみたい…。
リュートを弾く若者↓
「エッケ・ホモ =この人を見よ」(↓)は上野の国立西洋美術館で見た時にとても印象的だった1枚。
今回再会しても、この人を見て思うことは色々でやはりこの絵の前からはなかなか立ち去れませんでした。
本展で圧巻だったのは最後の展示室にあった2枚の「法悦のマグダラのマリア」。
いずれも個人蔵ということで、こうして並べて鑑賞できるのはかなり貴重なこと!
それにしてもこの表情、なんとも筆舌に尽くし難し…。
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