
ゴッホ展☆Van Gogh à Auvers-sur-Oise, les derniers mois
Musée d'Orsay(オルセー美術館)で開催中の『Van Gogh à Auvers-sur-Oise, les derniers mois』(オーヴェル・シュル・オワーズのファン・ゴッホ 最後の数ヶ月)展に行ってきました。
本展は始まるやいなや連日盛況で、すごい人混み!と聞いていたので、少し落ち着いてから行こうと思っていたのですが、出かけたこの日も賑わっていました。
時間枠予約済みとはいえ、こんなに並ぶ特別展も久しぶりで、そんなことからも改めてゴッホ人気が伺えました。
展示作品は、ゴッホがオーヴェル=シュル=オワーズに移り住んだ1890年5月下旬から7月下旬に亡くなるまでの約2ヶ月間に制作された74点の絵画、33点のデッサンのうち約40点の絵画と20点のデッサン。
パリでは初公開となる作品も多いと聞き、個人的には今シーズン最も楽しみにしていた展覧会☆
<自画像>
パリの北西約30キロの村、オーヴェル=シュル=オワーズにゴッホが住んだ理由は、精神科医で美術愛好家のポール・ガシェ医師を頼ってのこと。
<ガシェ医師の肖像画>
その村、今も美しい素敵な田園田舎町のオーヴェル=シュル=オワーズには私も以前友人夫妻と訪れたことがあります。
(関連ブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/post-342.html )
(関連ブログ→https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/post-344.html)
それはちょうど5月で、ゴッホが暮らし始めた季節と重なることを思い、描かれた風景画と当時の景色が重なりました。
<Champ de coquelicos>(ケシの花畑)
<Vignes a Auvers-sur-Oise>(オーヴェルが見える葡萄畑)
<Peita>(ピエタ)
これまで観た記憶がほとんどない?と感じたゴッホの宗教画「ピエタ」。
本作品は、ドラクロワのピエタの模写で、ゴッホが所有していた石版画のピエタを誤って壊してしまったことがきっかけだと。
<Verre avec œillets>(カーネーションのあるグラス)
1枚1枚にインパクトがあり充実の展示ですが、中でもゴッホが夢中になって取り組んでいたというダブルスクエアフォーマットと呼ばれる1辺50cmの正方形を横に2つ並べた横長の風景画コーナーは圧巻。
<Champ de blé aux corbeaux>(カラスのいる麦畑)
<Champde de blé sous des nuages d'orage>(荒れ模様の空の麦畑)
中でも私が一番好きだったのは、<Pluie-Auvergne-sur-Oise>(雨のオーヴェルの風景)。
青と緑が美しく、グラフィックな雨の様子が広重の浮世絵を彷彿。
ゴッホが拳銃自殺をする数時間前に描いた<Racines d'arbres>(木の根の幹)。
ところで、ゴッホ最晩年な死の直前までの作品の展覧会となれば、なんらかその死について触れられているかも?自殺に使われた拳銃が展示されているかも?!とちょっと期待したのですが、本展ではそれについて触れられていませんでした。
というのも、以前読んだ原田マハさんの小説「リボルバー」では、ゴッホは自殺ではなく他殺というお話で、その死についてあれこれ妄想が広がりました。
小説に関しては、ドラマチックな作り話にもほどがある...(犯人があの人だなんて!)と最初は感じたものの、実際に近年では他殺という説、見解もあるようで興味深く感じています。
亡くなる前の2ヶ月間に油彩画74点制作、ほぼ1日1点仕上げていったと思いながら鑑賞すると、その最期は細々弱っていたわけではなく、創作意欲に溢れたパッション迸る作品の数々。
蝋燭が燃える尽きる直前にフワッと炎が大きく燃え上がるようにゴッホの最期に感じ入る圧巻の展覧会でした。
******K子のつぶやき******
あら!パリで引越しのサカイ。
海外で何度かの引越しをして思った、日本の引越し業者さんは素晴らしい。
丁寧、迅速、ものが壊れることもほとんどなくて。
ある国での引越しは、家具がボッコボコになった...。
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