The Dochester London ~London~ 由緒正しき名門グランドホテルは、斬新なデザインと最新鋭のテク搭載!
ホテルへBon Voyage 2024.02.26
ロンドンのハイドパークに隣接し、ロンドン屈指の一等地であるメイフェアの中心に位置するランドマークホテル「ザ・ドーチェスター・ロンドン」。その歴史は1792年まで遡り、当時ドーチェスター伯爵の邸宅だった場所に1931年に創業しました。
ホテルは、すでに今年で93年目を迎え、ロンドンの世界最高峰ラグジュアリーブランドとして、長い時を刻みながら錚々たる顧客を迎えています。驚きは、歴代のジェームズ・ボンド6名全員、14人のボンドガールまでゲストに名を連ねていると言います。
そんなホテルに2023年12月に滞在する機会を得ました。ホテル内は著名な建築デザイナーにより改装が行われたばかり。1階の大改装を完了したホテル内は、歴史に敬意を払いながらも、未来に向けて進化するホテルであることを感じさせてくれました。美しさ極まる新たな輝きは1階のエントランスに始まります。その奥に広がる有名なザ・プロムナード、客室とスイート、さらに外部との繋がりがある眩いばかりのケーキ&フラワーブティックなど、1階は、世界のラグジュアリーな空間を多く手掛けるピエール=イヴ・ロション氏(銀座の高級レストラン「ロオジエ」も手掛けたデザイナー)がデザイン、1階の最奧に位置する「アーティストバー」もピエール・イヴ・ロションが手がけ、マーティン・ブラドイツキによる「ヴェスパー・バー」が新たにオープンしました。
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目を見張ったのは、"世界が恋したピアニスト" リベラーチェの伝説的なミラーピアノを復元したグランドピアノの輝きでした。もし滞在が金曜日に当たったら、バーでは午後6時~11時にさまざまなライブ演奏があり週末の夜を盛り上げてくれます。さらに、シグネチャースイートやペントハウスに滞在するなら、住まうように寛げる広く贅沢なスイート(101㎡〜165㎡)が、ロンドン市街を見渡せる広いテラス付きで待っています。
新しくなったメインダイニング「ザ・プロムナード」は、変わらずにオールデイダイニングとして朝食からディナーまで楽しめます。またロンドンでも高い人気を誇るアフタヌーンティーは、座席の予約を取るのも難しいと言われる難所。ホテルの予約時にはアフタヌーンティーもあらかじめ予約必須のようです。
館内の居心地の良さはもちろんですが、家具調度品、アートの織り成す高級感は斬新で、彩りや明るさも含めとてもフレッシュな印象です。カラーリングで言うなら客室にも新鮮な印象がありました。淡い優しいグリーン、淡いフォグピンク、ゴールド、そしてバスルームの白い大理石など、高級感、品格に加え、肩に力の入らない優しい色遣いに、きっと、心を落ち着かせてくれるでしょう。
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語り出したらきりのないホテルのディテールです。改装を終えたとはいえ、斬新さばかりではなく、英国の伝統を感じさせるバランスの取れた内装がどこも魅惑的でした。1階角地にある真っ白な印象の「ケーキ&フラワーブティック」は、なんだか夢物語の中に入り込んだような世界。ディーナリー通りの角に位置する専用の入り口があり、中に入るとユニークなタペストリーや、ホテル専任のフラワーデザイナーのブーケが飾られ、季節ごとのストーリーを飾りにし、まるで絵本の世界のよう。私の訪れた12月は、クリスマスムードで華やかそのものでした。伝統ある最高級のホテルでありながら、気取らない温かいもてなしと、ポップな新しさも感じさせ、コンテンポラリーな英国と変らぬ伝統を備えた老舗名門ホテルとして、未来へ継がれる高級感とホテルの冠が持つ変わらぬ誇りを感じさせてくれました。
The Dorchester
53 Park Lane, Mayfair, London, London W1K 1QA, United Kingdom
www.dorchestercollection.com/london/the-dorchester
tel: 44-2076-298888
Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com