パリから農園へ! 旬のものとおいしい空気を求めて。
おうちでパリの味 2020.07.03
初夏を迎えたパリは、再開したカフェテラスやセーヌ河畔が賑わっています。
最近ハマっているのはパリ近郊の農園に出かけてフルーツや野菜を収穫すること。
毎週末出かけて楽しんでいます。
パリ中心部から車で西に40分ほど走り、ヴェルサイユ宮殿近くの農場フェルム・ド・ガリ―へ。
ここはルイ15世の頃1746年より代々続く農家で、1980年代から収穫農場に。60haの敷地には、フルーツ、野菜、ハーブや花などが栽培されていて4月から11月まで収穫を楽しむことができます。
目の前に広がるビオのイチゴ畑に歓声をあげてしまいました。
太陽をいっぱい浴びた露地物よ、食べたかったのはこれ! 早速ひとつほお張って笑いが込み上げてくる。
見事に実がなったサクランボですが、食べてみると酸味と苦みが強くて吐き出してしまった。採っている人に、これはどうするの? と尋ねると、リキュールと砂糖でサクランボ酒を作るそうな。
グロゼイユGroseille(和名フサスグリ)の他にはカシス、ブルーベリーやブラックベリーなどなど、初夏だけの愉しみですね。


フランボワーズはフランス人が大好きなもの。摘み取りながら“アメリ食い”をしてしまいました。(映画“アメリ”ファンならご存知のはず)
ああ、なんて気持ちがいいの! と何度も言ってしまう。なによりも街を抜け出して人の少ない自然の中でマスクをせずに息できる事が、とにかくうれしいのです。
畑のそばには蜂の巣箱が。イチゴ畑で蜂たちがせっせと集めたハチミツは、ここのエピスリーで売られています。
さて、野菜畑の方は……
空豆は、このところの陽気で急成長だそう。
おかげでたっぷり収穫できました。
大好物のラディッシュを採ってから畑で洗い、幸せな気分。
サラダ(Salade)と呼ばれるレタスの一種で、ファイユ・ド・シェンヌ(Feuille de Chêne)の畑。こんな風に自ら採ったもので作るサラダは、一層おいしく感じるものです。
これからどんどん大きくなるズッキーニの赤ちゃんは、花も天ぷらにするとごちそう。
こちらはブレット(Blette、和名フダン草)。苦みのある菜っ葉は日本ではなじみのないものですが、フランスではよく食べられています。
ミントを摘んだ途端に鮮烈な香り。
畑の後は、800mほど離れた所にあるファーム別館のサン・シル・レコール(Saint-Cyr-l’école)へ。
ここにはガーデニングコーナーや畑の産物で作られたオイル、ジュース、ハチミツなどを販売するエピスリーやマルシェがあります。牧場には動物と触れ合いながら親子で楽しめる見学コースやピクニックエリアもあり1日のんびりできそうです。
さて、家に戻ってから畑で採れたもので何を作ろうか?と思いめぐらすのもまた楽しいもの。
可愛らしい赤いフルーツをめでながら簡単なデザートを作ってみました。
季節の材料を代用しながら、ぜひどうぞ!
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■赤いシロップとミルクゼリー
Sirop de fruits rouges, agar agar et lait
― 材料(分量5個分)
<ミルクゼリー>
牛乳 500㏄
砂糖 大さじ4
粉寒天 2g
水 大さじ1
<シロップ>
ハイビスカスティー(濃い目に入れる) 150cc
砂糖 大さじ2~3
レモン汁 小さじ1
<フルーツ>
イチゴ、フランボワーズ、グロゼイユ(フサスグリ)などの赤いもの 適量
(サクランボ、ブルーベリー、スモモ、スイカなどで代用しても)
ミント 少々
― 作り方
1. <ミルクゼリー> 鍋に牛乳と砂糖を入れて中火にかける。小さな器に粉寒天と水大さじ1を入れて良く混ぜてから鍋に注ぐ。泡だて器で混ぜながら2分程沸騰させ火を通す。火から下ろして3分程置いて冷ましてから器に注ぐ。粗熱が取れたら冷蔵庫に入れて冷やす。
2. <シロップ> ハイビスカスティーを濃い目に入れて熱いうちに砂糖を混ぜてとかす。冷めたらレモン汁を入れ、冷蔵庫で冷やす。
3. フルーツを洗い、イチゴは2等分に切り冷蔵庫で冷やしておく。
4. ゼリーが固まって冷えたら冷蔵庫から出し、シロップの中にフルーツを入れ混ぜて、ゼリーの上にのせミントの葉を飾る。
アドレス/ RD7 Route de St Cyr l'Ecole78870 Bailly
www.lesfermesdegally.com
Instagram : @lesfermesdegally
収穫農園の案内はこちら。
料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。2016年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
Instagram : @haradasachiyo
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料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
近著に映画の料理を紹介した本『La cuisine japonaise à l'écran』(Gallimard社)と『Le Grand manuel de la cuisine Japonaise』(Hachette-Marabout社)がフランス全土と海外県、ヨーロッパ各地で発売。
Instagram : @haradasachiyo