パリ5月のマルシェで春野菜のタルト作り!

早起きした土曜日、久々にヴァンセンヌのマルシェへ出かけてきました。
お目当ては、パリ近郊農家の春野菜です。

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マルシェが立つ遊歩道の両脇にある街路樹のマロニエには白やピンクの花が開いて、もう初夏の趣。

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中に入って少し歩くと右手に私の好きな農家のスタンドが。

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ニンジン、ラディッシュ、新玉ネギ、カブ……

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そして、このキャベツを買ったら、いくつか虫食いの穴……ああ、農薬をかけてないのね、とホッとする。

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また少し歩くと、左手にメイド イン フランスのスタンド。

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名産地ロワールのアスパラも、いまが旬真っ只中。すべすべの白いお肌が輝いています。

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初夏になると出てくる野生のアスパラガス、今年は早めの登場。

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オーベルニュ名物のチーズ、カンタルやシャルキュトリーが気になります。

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週末のロティスリーはどこも大人気ですが、ここはペリゴールの地鶏。大量に並んでいるのが飛ぶように売れていきます。家に帰ってサラダを添えれば、すぐにランチをはじめられるのがいい。

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鶏の焼き汁でソテーしたポテトが香ばしいこと!

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春から夏にかけておいしいチーズは、なんといっても早春からみずみずしい新芽を食んだヤギの乳から作る“シェーヴル”。Fermier(フェルミエ=農場)で手造りされたものは、木灰やハーブを振りかけたものなど、バラエティ豊か。

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どの八百屋も、イチゴ祭り。フランスも暑くなって、やっと国産、近場のものが出てきました。
スペイン産ではなく“Produit France”(プロデュイ フランス)というのが売りです。

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暖かい南から、もうアプリコットが出てきました。

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パリ産のハチミツを扱うスタンドで、珍しいタンポポのハチミツを発見。この時季に採れた春のハチミツが売り出されるのは10月からだそう。

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長いスタンドが連なる中ほどまで進むと、パリの北にあるヴァル・ドワーズ県の農園のスタンド。“Pétillante”(ペティヨン=はつらつ)なマダムたちとやり取りして元気をもらうのも、マルシェに来る楽しみ。ここのホウレン草にカタツムリが付いていて、またホッとして買いたくなる。

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ピクルス用に小玉ネギも1㎏購入。

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ここにも、ペティヨンさん。大鍋に煮こまれているのは、ウサギのマスタードソース。

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ずっと奥まで歩いて行くと、マルシェの終わりにある肉屋Boucherie Eric(ブッシェリーエリック)。ここの肉は、いつも間違いなくおいしい。

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やっぱり春は子牛や子羊を食べたい。柔らかいところを一切れと豚のフィレを買いました。

さて、今日ご紹介するのは、たくさん買ってきた春野菜を彩りよく盛り付けたタルト・サレ。

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■春野菜のタルト 
Tarte aux légumes printaniers

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<材料(4人分)>
*トッピング野菜
アスパラ 4本
ニンジン 1本(細い場合は2本)
ミニ大根 1個
ソラ豆 20個(さやから外して内皮をむいておく)
グリンピース 一握り(さやから外しておく)
新玉ネギ  4~8本(小さめのもの)
新ニンニク 4片(皮をむいて縦に2等分)
アーティチョーク 2本(下茹でして、切り分けてからオリーブ油と塩で味付け)

オリーブ油 大さじ1
水 大さじ2
塩コショウ 適量

*タルト生地 (12㎝の型4個分)
薄力粉 250g
塩 小さじ1
オリーブ油 大さじ4
水 60㎖
クミンシード 大さじ1(又は好みのハーブ)
※もしくは、市販の冷凍パイ生地

*玉ネギのコンフィー
玉ネギ 中くらいのもの 2個
オリーブ油 大さじ2
塩コショウ 適量
水 カップ  1/2

<作り方>
1. *タルト生地 

ボールの中にすべての材料を入れて混ぜる。数分手でこねて生地がまとまってきたら、丸型にしてラップで包んで冷蔵庫で2時間ほど休ませる。
打ち粉をした台の上にのせて、麵棒を使って厚さ5ミリくらいにのばす。
型よりも大きめに切り、型の中に落として指先で角を押さえてから、型の上に麺棒を転がして、はみ出した部分を取り除く、もしくは包丁で切り落とす。フォークで7~8箇所穴を開けたら、冷蔵庫で30分ほど休ませる。中にオーブンペーパーを敷いて重石もしくは豆をのせて180℃に温めておいたオーブンで15~20分ほど空焼きする。


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2. *玉ネギのコンフィー 
タルト生地を最初に休ませている間に、玉ネギを縦方向にスライス。フライパンにオリーブ油を入れて強火で玉ネギを1分ほど炒めたら、水を入れて中火にして蓋をする。玉ネギがトロっとなってきたら、(煮てる途中で水分がなくなったら水を少し足す)蓋を外して水分を飛ばす。塩コショウで味を調えて火から降ろして冷ます。
3. *トッピング野菜
アスパラの下の硬い皮をピーラーでむいてから5㎝くらいに切る。ニンジン、ミニ大根も皮をむいて斜めにスライス。新玉ネギを2等分に切る。
フライパンにオリーブ油を入れて強火で温めてから、アーティチョーク以外の野菜と水を入れて蓋をして、中火に落として3~4分蒸し焼きにする。(色と歯触り良く仕上げる為に火を通しすぎない)
火が通ったら蓋を開けて塩コショウで味を調える。

 4. タルト生地に玉ねぎのコンフィーを敷き詰めてから、3の野菜とアーティチョークをのせる。

春野菜をいろいろとのせてみましたが、身近で手に入る野菜や山菜などをアレンジしてみてはいかがでしょうか? タルト生地は、市販のパイ生地を代用しても十分おいしいと思います。
週末のおもてなしに、旬を思いっきり愉しんでください!

■Marché Cours de Vincennes  マルシェ・クール・ド・ヴァンセンヌ
Cours de Vincennes 75012 Paris
営)水・土 7~14時30分
メトロ1・2・6・9番線Nation駅下車

 

Sachiyo Harada/料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。16年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。近著に『LE B.A.-BA DE LA CUISINE “Ramen”』(Edition Marabout Hachette社 刊)がある。
Instagram : @haradasachiyo

料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
近著に映画の料理を紹介した本『La cuisine japonaise à l'écran』(Gallimard社)と『Le Grand manuel de la cuisine Japonaise』(Hachette-Marabout社)がフランス全土と海外県、ヨーロッパ各地で発売。
Instagram : @haradasachiyo

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