パリ冬のマルシェ『冬野菜の滋味いっぱいのミネストローネ』
おうちでパリの味 2022.12.16
ノエルが近づいて、ぐっと寒くなってきました。こう冷えてくると、どうしても食べたくなるのは、身体の芯から温まる熱々のスープ。
秋から冬の間に何度も作るのは、大きめの鍋に塩豚と季節の野菜をたっぷり入れて仕込むPotée(ポテ)。
塩豚をメインにベーコンやソーセージを入れ、翌日はシンプルな塩味ベースのスープにトマトペースト、スパイスを加えて味の変化をつけながら頂き、最後はパスタを入れたり、カレーにしたりと、数日愉しみます。
今日は野菜をたくさん食べたい気分なので、ポテ風のミネストローネを作ろう! と思い立って、旬の野菜を探しに行きつけのマルシェへ。
まずは豚肉専門のスタンドへ。
肉のあらゆる部位、シャルキュトリーが豊富。トラディショナルで種類の多い総菜は、この界隈のお年寄りに人気。
端にあるのが“塩漬けコーナー”あばら肉、豚足、耳、テールまで揃う。今日は、3枚肉の塊を大きめなサイコロ状に切り分けてもらいます。(骨付きなので、頼めると便利) それとベーコンを少しだけ。
次は隣にあるピカルディの農園のジャガイモと新鮮ネギを。
カリンが出てくると、ああ、冬だなあと感じる。
ここの特産リンゴと梨も買います。
ブッシェリーの裏手のスタンドで旬の野菜を探す。
トピナンブ―ル(菊芋)、パネ(パースニップ)、大根など根菜がおいしくなってきました。
更に八百屋をひと回りしてると、鮮やかなBlette(ブレット/ふだんそう)が。
Navet boule d’or(ナヴェブールドー/黄かぶ)をいくつか。
カリフラワー、ロマネスコ、キャベツも旬真っ盛り。
冬のビタミン補給にクレモンティーヌもたくさん買って帰ろう。
乾物屋に寄って、クルミやレーズンを少々。
そして、アペロ用のオリーブも何種類か袋に入れてもらう。
南西部Aubrac(オーブラック)のブッシェリー“Maison Conquet”(メゾン・コンケット)のスタンドには、自家製のソーセージや熟成して食べ頃になったチーズがおいしそうに並んでる。
魚屋を覗くと鮮度の良さそうな青魚やイカが。
いつもヴァカンスで味わっているTrouvilleで水揚げされたホタテ貝。
花屋にはノエル用のリースやモミの木が並び始めました。
今日買ってきた野菜で早速ミネストローネを!
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■冬野菜のミネストローネ
Minestrone hivernal
<材料 4人分>
塩漬けの豚肉 600g(家庭で作る場合は、ブライン液=水100㎖に塩と砂糖、各小さじ一杯と豚肉をビニール袋に入れ漬けて一晩冷蔵庫に置く)
【A】
ベーコン(小間切れに) 100g
タイム 2枝(または乾燥品小さじ1)
ニンジン 2本
大根 小2本(日本のものだと4分の1くらい)
玉ネギ 1個
セロリ 2本
ネギ 1本
カブ 3個
【B】
パネ 1本
ジャガイモ 3個
トピナンブール 4個
ショートパスタ 50g
【C】
ロマネスコ 4分の1個
白インゲン 2分の1カップ(たっぷりの水に1晩つけて、柔らかくなるまで水から茹でる)
【D】 仕上げ(食べる直前に)
あらびきコショウ 少々
パセリかパクチーのみじん切り 少々
オリーブオイル 少々
パルメザンチーズ(お好みで) 少々
1.<塩豚を煮こぼす>豚肉が入るくらいのキャセロールに入れて、肉が隠れる高さまで水を入れて強火で沸騰させる(蓋はしない)、アクが出てきたら火からおろして、湯を捨て軽く肉をすすいでから大きめの厚手の鍋に入れる。肉が隠れるくらいの水を入れて強火にかけて蓋をする。沸騰してから3分ほど煮たら弱火に落として、蓋をして1時間くらい肉が柔らかくなるまで煮る。
2.その間に野菜を洗って皮をむいてから、食べやすい大きさに切る(トピナンブールは皮付きのまま切り分けて水に晒してアクを抜く。ジャガイモは皮をむいてサッと水に晒す)。
3.肉が柔らかくなったら、野菜を時間差で入れていく(煮くずれやすいものは後から加える) まずAを入れて、野菜の高さまで水を差して15〜20分ほど煮てからBを加え、火が通ったらCを加えて5分ほど煮たら味見をして調えてから火を止める。
4.うつわに盛り分けて、仕上げにDを振りかけてから頂く。
*野菜の硬さは、好みになるように煮る時間を加減してください。
*野菜の種類は多くなくても大丈夫!手に入るものだけで。
*味付けは、野菜から出るブイヨン、塩豚とベーコンの塩分と旨味に任せて、一切入れませんが、最後に味見をして、必要でしたら塩を少し入れて調節してください。
マルシェ・ポパンクール
Bd Richard-Lenoir 75011 Paris
(rue Oberkampf と rue Jean-Pierre Timbaudの間)
営)火・金 8~13時
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。16年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。近著に『LE B.A.-BA DE LA CUISINE “Ramen”』(Edition Marabout Hachette社 刊)がある。
Instagram : @haradasachiyo
料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
近著に映画の料理を紹介した本『La cuisine japonaise à l'écran』(Gallimard社)と『Le Grand manuel de la cuisine Japonaise』(Hachette-Marabout社)がフランス全土と海外県、ヨーロッパ各地で発売。
Instagram : @haradasachiyo