パリ冬のマルシェ、グラタンで日曜日のブランチを。

久々に、パリ5区のマルシェ・モベールに出かけてきました。
いまは、学校の冬休み(スキー休暇)の最中なので、地元民が少ない代わりに観光客で賑わっています。

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2018年にクロワッサンのコンクールで優勝したというのを看板に掲げた、ブーランジェリー(写真右)で買ったクロワッサンを早速ほお張っている観光客の3人娘がうれしそう。

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フランス各地のチーズを揃えたここは、観光客に人気。

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こちらは、新しくできた農家のスタンド。ときおり、春らしい暖かな陽が差す日々が続いたので、つい目は春野菜を探してしまうけれど、ここ北国の地野菜は、まだまだ冬。

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キャベツ、カリフラワー、ケール、ネギに根菜。地味ながら、これがイルドフランスのいま。

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春らしいのは、少し前から出始めた芽キャベツ。

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やっぱり、農家のジャガイモはおいしそうだ。

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魚屋には旬のホタテ。ホタテ漁ができるのは、10月1日から5月15日までの間なので、いまのうちに愉しんでおきましょう。

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ノルマンディー北西にあるGouville-sur-mer グヴィル・シュル・メール、ジャージー島を望むマンシュ県のきれいな海で養殖されているのが自慢です。

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いつもお客さんに囲まれて賑やかで楽しそうな様子の地鶏屋さん。肉切り包丁と鋏を使いながら鮮やかに捌いていく、砂肝やレバーも大事に扱っている。初めて見る若い人は、きっと息子さん……お鼻の形がそっくりだから。注文に、はいよ~!と笑顔でテキパキ応えていく職人技は、この子にも受け継がれて行くのだなあ、と眺めていました。

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昼近くになって行列ができていたのは、モロッコのマンマが焼いている粉もん勢ぞろい。
モロッコのパン、ボブズやクレープのようなムサンメン、後ろで発酵した生地を伸ばして作っているメロウイなどなど、やっぱり焼きたてがうまそう。

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寒い日々のビタミン補給にクレモンティーヌとキウイをたくさん買って帰りました。

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春の到来を知らせてくれるミモザは、南仏ニースから届いたもの。このまばゆいような黄色から元気をもらう。

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マルシェに行った翌日、日曜のブランチにグラタンを作ってみました。添えたサラダは、ちぎったレタスの上にザクザク切ったトマトとパセリをちらしたものに、熱湯から6分で茹でた半熟卵を入れて。皿の上に取り分けたレタスの上に卵をのせて、ナイフで割りトロ―っと黄身が流れ出したところにオリーブオイル、ヴィネガー、塩を少々、混ぜると即席のマヨネーズのようになっておいしい!
合わせたワインは、大好きなナチュラルワインの作り手、ボージョレのJoubertジョベールさんの白。
ノンフィルターで軽い、にごり酒のようなピュアな味は、ホタテにぴったりでした。

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■ホタテ貝とじゃがいものグラタン
Gratin de st jacques et pomme de terre

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<材料 2人分>
ホタテ貝 6個(下味に料理用日本酒大さじ1、塩少々)
ジャガイモ 4個
玉ネギ(みじん切り)  1個
ニンニク(みじん切り) 1片
ベーコン(みじん切り) 50g
オリーブオイル 大さじ2+1
小麦粉  大さじ1+1/2
豆乳(又は牛乳) 500㎖
鶏ガラスープの素  小さじ1(キューブなら1個)
塩  少々 枝豆(茹でてさやから出したもの) 50g
エメンタールチーズ(おろしたもの) 50g
ローズマリー あれば少々又はパセリなど

【ホタテの下準備】
殻から外して、貝柱、卵巣(ピンクもしくはベージュの部分。フランス人は貝柱しか食べませんが、新鮮なものは、ここもおいしいので)を取り出して洗う。ヒモも、ひと手間ですが余裕があれば良く洗って包丁でぬめりをこそぎ取って使います。貝柱に横から包丁を入れて2等分にします。 キッチンペーパーで水気を拭いてから、日本酒と塩少々を振りかけて下味をつけておきます。

<作り方>
  1. ジャガイモの皮をむいて、厚み7~8ミリくらいに輪切りしてから、サッと水に晒す。水から茹でる、又は電子レンジで5~6分加熱。(ナイフの先がスッと通れば良し。茹ですぎると崩れるので注意)
  2. その間にソースを作る。大き目のフライパン(直径28cmくらい)の中にオリーブオイルとニンニクを入れてから点火、弱火にして、オイルにニンニクの香りがでたらベーコンと玉ネギを加えて中火で炒める(色付かないように)。玉ネギが透明になってきたら鶏ガラスープの素と小麦粉を振り入れて、ヘラでよく混ぜる。そこに少しずつ豆乳を入れて伸ばしながら混ぜていく。フツフツと煮えだしてから、2~3分くらいして小麦粉に火が通ってとろみがついてきたら火からおろす。味見してから、足りなければ塩を加えて味を調える。
    ※粉がダマにならず、ホワイトソースを作るよりも簡単です。
  3. 小さめのフライパンでホタテを焼く。オリーブオイル大さじ1を入れて強火で温めてから、ホタテを入れてサッと焼いて皿に取り出し、焼き汁はソースの中に入れる。
  4. フライパンのソースの中に茹で上がったジャガイモと枝豆を入れて静かに混ぜる。
  5. グラタン皿に薄くオリーブオイルを塗る(分量外)。4の半量を入れてから、チーズの半量を入れて、さらに4の残りをのせる。上に残りのチーズとホタテをのせて、200℃に温めておいたオーブンに入れて5~7分ほど焼く。具が温かく、すべてに火が通っているので、ホタテに香ばしい焼き色がついたら出来上がり。オーブンから出したら、風味付けと彩りにローズマリー(又はパセリなど)をのせる。
■Marché Maubertマルシェ・モベール
Place Maubert Mitualité
営)水・土 8時~13時
メトロ)Maubert Mitualité駅下車
Sachiyo Harada/料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。16年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。近著に『LE B.A.-BA DE LA CUISINE “Ramen”』(Edition Marabout Hachette社 刊)がある。
Instagram : @haradasachiyo

料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
近著に映画の料理を紹介した本『La cuisine japonaise à l'écran』(Gallimard社)と『Le Grand manuel de la cuisine Japonaise』(Hachette-Marabout社)がフランス全土と海外県、ヨーロッパ各地で発売。
Instagram : @haradasachiyo

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