5月のマルシェ『初夏の愉しみ、びわのコンポートを』

5月初めの春休みに続き、3週目はキリスト昇天祭でまた祭日。週末にかけてまとまった休みをとるパリジャンは田舎に出かけているので、マルシェは閑散としているのでは? と思いきや、それなりに賑わっていました。

230523-Marché-Popincourt-01.jpg

緑地帯の真ん中に立つマルシェは、朝日と新緑がすがすがしい。

230523-Marché-Popincourt-02.jpg

ここは、行きつけの八百屋さん。ハーブの種類が多くて、どこよりも鮮度良し。

230523-Marché-Popincourt-03.jpg

ブルターニュ産のトマトが眩しいくらいに輝いてます。

230523-Marché-Popincourt-04.jpg

春先の愉しみ、青えんどう豆が出てきました。そして、もう早そら豆も!

230523-Marché-Popincourt-05.jpg

3月から9月が旬のアーティチョークも今食べたい。久々に天ぷらもいいな。

230523-Marché-Popincourt-06.jpg

フランスではパクチョイと呼ばれているチンゲン菜も最近よく出てくるようになりました。

230523-Marché-Popincourt-07.jpg

もう一軒の行きつけの八百屋さんにも旬のものが溢れています。

230523-Marché-Popincourt-08.jpg

初夏の到来、ルバーブが。週末に沢山買い込んでいる人達は、これでタルトやコンフィチュールを作るのです。

230523-Marché-Popincourt-09.jpg

中ほどまで進んでいくと、わあ、初物!  と、好物のさくらんぼに飛びつきたいところですが……日本でこれをすると犯罪になるかと思いますが、こちらでよく見かけるのは、スーパーや八百屋さんでも積んであるフルーツの中からひとつつまんで味見、気に入れば買うというスタンス。眺めていると、横にいるマダムがパクっと一口、ウーンと首を傾げてパス。どうもマダムのお眼鏡には叶わぬ様子。
とかく旬の走りものは、お値段の割にはまだ硬かったり酸味が強かったりするので、もう少し待つことに。

230523-Marché-Popincourt-10.jpg

北の港町、Dieppeディエップから来る魚屋さんは、とにかく種類が豊富。

230523-Marché-Popincourt-11.jpg

立派な蟹足が美味しそうだ!

230523-Marché-Popincourt-12.jpg

フランス大西洋側のOléronオレロン島のスタンド。ここの名産は牡蛎だけれど、ムール貝に惹かれる。週末、ムール・フリットもいいなあ。

230523-Marché-Popincourt-13.jpg

びわも初夏に心待ちにしているもののひとつ。あっという間に旬が終わってしまうので、見つけたら必ず買います。

今日は、毎年作っているびわのコンポートをご紹介します。

---fadeinpager---

■『びわのコンポート』
Nèfles au sirop

230523-Marché-Popincourt-14.jpg

<材料>
びわ  10~12個(小さめのもの) 約500g
水   鍋に入れたびわが隠れるくらい、ひたひたの量
砂糖  100g (好みでハチミツを加えても)
リキュール  大さじ1~2 (コアントローなど好みのもの)
レモン 薄切り 2枚(半分に切る)
ミント 少々

<作り方>

1.びわの皮をむいて半分に切り、種を抜く。
2.鍋にびわと砂糖を入れて、ひたひたになるくらい水を注ぐ。強火にかけて沸騰したら火を止めてリキュールを加え、紙蓋(オーブンペーパーなど)をしてそのまま2~3分置いて予熱で火を通す。火からおろして鍋ごと常温で冷ます。粗熱がとれたら、レモンを加えて冷蔵庫で冷やす。
3.器にびわとシロップを入れて、ミントを飾る。
☆残ったシロップは、タッパーに入れ凍らせてからフォークでガリガリ削って、イタリア風のシャーベット“グラ二ータ”に。びわとリキュール香る爽やかなデザートになります。
Marché Popincourt
マルシェ・ポパンクール
Bd Richard-Lenoir 75011 Paris
(rue Oberkampf と rue Jean-Pierre Timbaudの間)
営)火・金 8~13時
Sachiyo Harada/料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。16年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。近著に『LE B.A.-BA DE LA CUISINE “Ramen”』(Edition Marabout Hachette社 刊)がある。
Instagram : @haradasachiyo

料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
近著に映画の料理を紹介した本『La cuisine japonaise à l'écran』(Gallimard社)と『Le Grand manuel de la cuisine Japonaise』(Hachette-Marabout社)がフランス全土と海外県、ヨーロッパ各地で発売。
Instagram : @haradasachiyo

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

フィガロワインクラブ
Business with Attitude
キーワード別、2024年春夏ストリートスナップまとめ。
連載-パリジェンヌファイル

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories