パリのマルシェ 1月 ベットハーヴのサラダ
おうちでパリの味 2011.01.28
冬のマルシェ。朝から出かけようと思うと、「エイ!」と気合が必要ですが、どんなに寒くても行ってみると、やっぱり楽しくなって、顔がほほほ・・・
今日は、オーベルカンフのマルシェへ。
寒さのせいか、人もまばらです。
いつも必ず行くのは、パリから南へ30km、Essonneというところで野菜を作っている2人の元気なおばちゃんのスタンド。
露地ものだけを扱っているので、冬はいたって地味ですが、それも自然なことで、ここの野菜はいつも確実においしい。
たんぽぽ、トレヴィス、パセリ。
りんご、なし、芽キャベツ、にんじん。
こちらのbetterave ベットハーヴ(日本だとビーツですね)は、普通は皮付きのまま茹でたものが売られています。
美味しそうなので、今日はこれを!
ルッコラを探しに別のスタンドに行くと、もう緑のアスパラガスが出ていました。
これも春の兆し。新鮮なルッコラがあった!
日本ではあまり馴染みの無かったベットハーヴ。
どんな効能があるのか? と調べてみると・・・鉄分、カリウム、リン、ナトリウム、カルシウムなどが豊富、免疫力を高める、デトックス、抗酸化、肝臓を保護・・・と良い事ばかりではありませんか!
ビーツといえば、ピクルスやボルシチを思い浮かべるかも知れませんが、最近気に入っている食べ方は、薄くスライスしてサラダにしたもの。
切り方を少し変えるだけで、全く違うテクスチャーになるのが面白い。ドレッシングと合わせると、とろっとした食感になって大好き。
ヴァニュルス・ヴィネガーを加えると土臭さが取れるのと、こういうフランボワーズ系の香りがベットハーヴに良く合うと思います。
南フランス、スペイン国境の街バニュルスで造られているお酢は、パリのギャラリー・ラファイエットやボンマルシェで購入可。
皮をむいたものを・・・
スライサーで薄く。
これは、築地で買った"シェフご用達"のもの「ベンリナー」という名前もすてき・・・
薄切りをお皿に並べて、ヴィネガーとオリーブオイル(くるみ油もおいしい)を振りかけて、ルッコラと茹でたひよこ豆(ツナでも)をのせて、最後にマルドンの塩をぱらり。
シンプルなものですが、意外な美味しさ・・・ぜひ、お試しを!
▼パリ 1月の花 ミモザ
毎年のこの時期、お花屋さんでミモザを見つけると、「ああ、春はもうすぐ!」と感じてうれしくなる。
空も気持ちもグレーになる北国の長い冬。
この黄色を見て、いつも励まされるのです。
ずっと心待ちにしていた小さな春のきざしです。

料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
近著に映画の料理を紹介した本『La cuisine japonaise à l'écran』(Gallimard社)と『Le Grand manuel de la cuisine Japonaise』(Hachette-Marabout社)がフランス全土と海外県、ヨーロッパ各地で発売。
Instagram : @haradasachiyo