時計とジュエリー、永遠のパートナーともなりうるこのふたつ。だからこそ、ブランドやそのモノの背景にあるストーリーに耳を傾けたい。いいモノこそ、いい物語があります。今回は、ブレゲの時計の話をお届けします。
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BREGUET
CLASSIQUE 8068
小さなサイズの中に老舗メゾンのエッセンスを凝縮したプレシャスなデザイン。ウォッチ「クラシック 8068」(RG×ダイヤモンド×MOP、φ30mm、自動巻き、ブラックのサテン仕上げファブリックストラップ、カラーアリゲーターストラップ2本付き)¥3,916,000/ブレゲ(ブレゲ ブティック銀座)
小顔でカラフルな新作が登場した、ネオクラシックの王道ウォッチ。
たった1本の時計で、まるでいくつもの時計を持っているかのような気分にさせてくれる。ブレゲの新作「クラシック 8068」は、そんな才色兼備のタイムピースだ。
このモデルに搭載された「ラピッド・インターチェンジ」システムのポイントは、特別な工具を使わなくても自分で簡単にストラップを交換できること。必要なのはわずか数秒。忙しい朝でもスピーディにストラップをチェンジできるのがうれしい。
ローズゴールドのモデルにはブラックのサテン仕上げファブリックストラップだけでなく、ピーコックブルーとラズベリーピンクのアリゲーターストラップも付属。その日に纏うドレスとカラーリングを合わせて、手元の時計も着替えさせてみよう。見違えるように時計が表情を変えるので、とても新鮮に感じられるはず。
この時計を生み出したブレゲは、フランス王妃マリー・アントワネットに愛され、皇帝ナポレオン1世や国王ルイ18世にも重用された時計師、アブラアン- ルイ・ブレゲが創業したメゾン。彼はマリー・アントワネットのために美しい懐中時計をいくつも仕立て、ナポレオンの皇妃たちや、その妹であるナポリ王妃からも数々のオーダーを受けた伝説的な人物。この「クラシック 8068」にも彼独自のデザインコードが生かされていて、「ブレゲ針」と呼ばれる青いスティールの針や、エレガントな「ブレゲ数字」といったディテールが、いにしえの時計のDNAを感じさせてくれる。
ニュアンスのある光沢を放つ文字盤は、上質なマザーオブパール。そこにギヨシェ彫りと呼ばれる装飾をあしらって、オーセンティックな表情を際立たせている。このギヨシェもアブラアン- ルイ・ブレゲが18世紀に考案したもの。全体に洗練された品格が漂うのは、こうしたネオクラシック様式を正しく継承しているからだ。
直径30ミリというフェミニンな小顔サイズながらも、精緻な自動巻きムーブメントを搭載したこのウォッチは、どんなシーンでも誇りを持って着けられる。正統派のシンプルウォッチであるだけでなく、コンテンポラリーな美しさも備えているから、女性たちのさまざまなライフスタイルにフィットするのだ。フォーマルな席ではブラックのストラップを。デイリーに楽しむなら、ブルーやピンクのストラップで華やかに。末永く愛用できる名作ウォッチを探しているなら、この「クラシック 8068」を推したい。
photography: Ayumu Yoshida styling: Tomoko Iijima text: Keiko Homma editing: Mami Aiko