ブラッド・ピットが語る、自分らしい生き方、輝き方。

インタビュー 2023.02.09

世界的な人気俳優、映画プロデューサー、南フランスのワイナリーのオーナー……。多彩な顔を持つブラッド・ピットが、ブドウ成分配合のユニセックス&グリーンなコスメ、ル・ドメーヌを立ち上げた。南フランスのミラヴァルの彼の自宅でスペシャルインタビュー!

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1963年12月18日、オクラホマ州に生まれる。演技を志してから長い間、テレビや映画の端役などが多く、下積み時代が長かった。28歳で『テルマ&ルイーズ』(91年)で注目される。『リバー・ランズ・スルー・イット』(92年)で世界中の女性を虜に。『セブン』(95年)でデヴィッド・フィンチャー監督、『12モンキーズ』(95年)でテリー・ギリアム監督など、実力派の映画作家の作品への出演経験を重ね、自身もプロデューサーの道へ。

肌の手入れをしながら穏やかに
素敵な年を重ねていくという美容習慣は、
僕の生活の一部となった

いつもならば高級ホテルの空調の効いたスイートルームで分刻みの取材になるのだが、今回はまったく趣の違うスペシャルな取材。規格化されたエンターテインメント業界でこんな取材の機会にはそうそう巡りあえない! もっともブラッド・ピットの聖域、ヴァール県コランにあるミラヴァルのワイナリーに入るまでには、セキュリティゲートを通り、パスポートを提示して、「家の写真は一切撮影不可」という守秘義務契約にサインしなければならないが……。手続きを終えて再び車で丘陵地帯を走る。17世紀に建てられたミラヴァルの城は鳩舎、礼拝堂、付属建築物、庭園、池があり、まるで小さな村のよう。芝生には彫刻が飾られていて、彫刻を趣味とするブラッド・ピット本人の作品かもしれない。子ども用サッカー場もある。オリーブの林とブドウ畑に囲まれた600ヘクタールの広大な土地だ。

ブランジェリーナ、その軌跡。

いくつもの光景が脳裏をよぎる。世界一華麗な元夫婦ブランジェリーナは2014年にここで結婚式を挙げた。11年に3500万ユーロで購入したが、その前の3年間借りていた。ミラヴァルはふたりの大切な隠れ家であり、家族が増えた一家が過ごす別荘であり、6人の子どもたちが育った場所でもあった。そして、ここはワイナリーにもなった。有機農法のひとつ、ビオディナミ農法のパイオニアであり、著名なワイン醸造家であるペラン家とのパートナーシップのおかげでミラヴァルのワインは権威あるワイン専門誌「ワインスペクテーター」で何度も世界最高のロゼに選ばれ、いまや世界中に輸出されている。

一方でアンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピットは12年間連れ添った後、16年の離婚申請を皮切りに泥沼の争いに突入した。未成年の子どもの親権と、ミラヴァルの所有権を巡って。ブランジェリーナ劇場の最新エピソードは、アンジェリーナ・ジョリーがワイナリーの所有株式(50%)を、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)が支配するウォッカ製造販売グループ「ストゥーリ」に売却したことだ。ブラッド・ピットは売却に反対し、法的対抗措置を取った。するとアンジーは報復措置として元夫からDV被害を受けたと提訴。16年にプライベートジェット内での喧嘩が離婚原因となったのだが、この喧嘩の際に子ども2人にブラッド・ピットが暴力を振るったことを蒸し返したのだ。当時、児童保護サービスの調査により、ブラッド・ピットの容疑は晴れていたにもかかわらず。争いは激化し、互いがダメージを受けた。ブラッド・ピットが願っていること、それはミラヴァルの地所をそっくりそのまま保全し、維持することだ。そんな中、地所の取材に特別に招かれたことはなかなか意味深のように思えた。この日の取材で唯一、禁じられた話題は元夫婦の争いだったが……。さて、地所の高台にある建物に通され、ようやくブラッド・ピットが登場した。日焼けした肌にサングラスをかけ、無造作に手で髪をかき上げる。ライラック色の上質なリネンスーツをスカイブルーのTシャツに合わせ、足元はスニーカー。「ミラヴァルへようこそ。ここまでわざわざ来てくれるなんて、クールだ」と、これまで数々の映画で聞いてきたあの低い声で話しかけてくる。親しげに愛想良く話し、時には気取った表情もみせるこのクールなアイコンに思わず胸がときめく。

彼はヴェネツィア国際映画祭から戻ってきたばかりだ。映画祭では自分がプロデュースした作品『ブロンド』を披露した後、1月にフランスで公開されるデイミアン・チャゼル監督作品『バビロン』のプロモーションを精力的に行った。世間の喧騒から離れてブドウ畑に囲まれ、寛いだ表情をして、「完全な自由」を味わっている。この取材時58歳のピットは、スーパーセクシーな「オールアメリカンボーイ」視されがちだが、外見ではなく実力派として評価されるために努力を重ねてきた。ミズーリ出身の俳優はイメージを打破するような難しい映画をプロデュースし、フランスに移住した。この日、ブラッド・ピットは、新しく立ち上げるコスメティックブランド、ル・ドメーヌの話をした。ブランドのネーミングは「テロワール」や「伝統」をイメージさせる。

「このプロジェクトの哲学を理解してもらうために、自分にとって特別な場所であるこのミラヴァルを直接見てほしいと思った。自然が近くにあり、クリエイティブになれる。今回のフェイシャルケア製品もここのストーリーの一部だ。のちほど敷地内をひと回りしてみてほしい」

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自然の循環を守ったコスメ作り。

ブラッド・ピットの傍らにはビジネスと友情で結ばれたパートナーのペラン家が勢揃いしている。何年も前からペラン家は高名な科学者の協力を受け、ブドウ成分の研究を行ってきた。ワインと健康の関係を研究するピエール=ルイ・テセドル教授と遺伝学者のニコラ・レヴィ教授だ。ペラン家は早い段階からブラッド・ピットと研究内容を共有してきた。

「このブランドの根幹にある理念は循環型社会。ワインを造るには土地を耕さなくてはならない。ブドウを収穫し、果汁を搾り、皮と種は捨てる。だがこの残滓物には明らかに肌の老化を防ぐ効果があり、捨てるのはもったいない。だからこれを使って身体に良いものを作ろうというのが今回の出発点だ。自然界では捨てていいものなどなにもない。この自然循環を守ること、それが自分にとっては重要な価値だと思っている」とブラッド・ピットは語る。

こうしてル・ドメーヌが誕生した。天然由来成分96%以上、ヴィーガンでユニセックスなスキンケア製品は製品数を絞ってあり、4製品のみの構成。GSM10RとProGR3Rという特許取得済みのふたつの独自有効成分を組み合わせてある。どちらの成分も入念に臨床テストを行い、老化を遅らせるアンチエイジング効果が確認されている。製品のパッケージはデザインにこだわるブラッド・ピット自身が手がけた。こうしてブラッド・ピットはビューティビジネスをするスターの仲間入りをした。この市場に参入するセレブは多く、元恋人のグウィネス・パルトロウ、リアーナ、ハリー・スタイルズまで。とりわけスキンケアは、コロナ後に最も急速に成長している分野だ。

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ブドウを原料としたコスメティック、ル・ドメーヌ。ドメーヌとは、もちろんワインの所有地のことを指すフランス語だ。

「臨床試験に納得し、自分も1年間使ってみて効果を実感していなければ、このプロジェクトに参画しなかっただろうね。何十年も前から、いろいろなコスメブランドの製品をもらっているけれど、正直、何を使っても無頓着だった。年を取るのは怖くないから、アンチエイジングというコンセプトが嫌いで、意味がないし、ばかばかしいと思っていた。時の流れを止めるなんてできっこない。でも、肌の手入れをしながら穏やかに素敵な年を重ねていくという考え方には惹かれるし、実現可能だと感じたんだよ。この美容習慣は生活の一部となった」

自身の美容習慣について尋ねると、ピットは笑った。

「できるだけシンプルで手間のかからないもの。毎朝シャワーで顔を洗い、美容液と保湿クリームを塗る。寝る前にはまたクリームを塗る。それだけ! 過去には、いろいろな友人から、これを塗ったら次の段階は……と、あれこれ製品を薦められ、たくさん試したよ。儀礼的に3日間は試すけれど……どれも続かなかった、面倒すぎて。もともと習慣がない。僕は田舎で育って、男性は石けんを使うだけという環境だったからね。そういうメンタリティなんだ。だからこそユニセックスなビューティブランドにしたかった。もっと一般的な話をすると、男らしさの概念まで変わってきたようで、それはうれしいね。男性も弱さを見せて本音を言い、やたらと警戒せず、自分を大切にし始めた。ガールフレンドたちのおかげだ」

セックスシンボルとみなされることに対してはどう思っているのだろう?

「“美しさは内面から”なんてありきたりの返事もできるけれど、スポットライトの当たる暮らしをしていると、他人からのお世辞やイメージから距離を置くことも学ぶ。さもないと足をすくわれる。演技する時はできるだけ正直に、できるだけ誠実にありたい。そのためには自分を忘れる必要がある。それはとても健全なことだ」

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過ちを公に認めて手に入れたもの。

ランチタイムになると、ブラッド・ピットは家の中へ消えていった。1時間後、彼の自宅というか、正確にはルーフテラスで1対1のインタビューは再開した。「きれいだろう?」と庭を眺めながらブラッド・ピットは言った。
「もともと素晴らしい場所だったのだけれど、庭のリフォームにはかなり力を入れたよ。あ、コーヒーを淹れようか? それともジュースがいい?」

「もう酒は飲んでいない」とブラッド・ピットは話す。これまで何回もうつになり、過度の飲酒やアルコール依存で結婚生活を失敗してきたことを取材で繰り返し語ってきた。崖っぷちに立たされた後、贖罪は極めてアメリカ人らしい形を取った。自分の過ちを公に認めたのである。子どもたちのためにブラッド・ピットはこつこつと努力を重ねた。時間をかけて内省し、アルコール依存症の治療を受け、完全に断酒した。いまも昔の悪魔と闘っている。ワイン造りに情熱を傾けつつ、6年間アルコールは一滴も飲んでいない。

ブラッド・ピットは、自分の出自をよくわかっている。ミズーリ州スプリングフィールドで育った自然児に楽な道など存在しなかった。俳優になろうと300ドルをポケットに、憧れのハリウッドにやってきた若い彼は厳しい現実に直面した。自分を使ってくれる人など誰もいない。23歳の青年は苦労してあちこちで働いて食いつなぎ、すぐに忘れ去られる映画やドラマに出演し、あがいた。『テルマ&ルイーズ』でずるがしこくてセクシーなヒッチハイカーを演じ、ついに運が向く。本人曰く、「運命のいたずら」だそう。

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南ローヌのシャトー・ヌフ・デュ・パプの醸造家ジャック・ペランの血を引くマーク・ペランとともに。カジュアルに打ち解けたムードでル・ドメーヌの商品を眺めるブラッド・ピット。

その後のサクセスストーリーは周知のとおりだ。あっという間にセレブの仲間入りをし、数々のカルトムービーに出演、大作にも作家性の強い映画にも出演して申し分のない経歴を作ってきた。『セブン』『12モンキーズ』『ファイト・クラブ』、「オーシャンズ」シリーズ、『イングロリアス・バスターズ』。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』ではアカデミー賞、BAFTA賞、ゴールデングローブ賞を受賞した。映画が斜陽産業になりつつある現在、彼は映画館を満員にできるごく少数のスターのひとりだ。

2022年夏に公開された『ブレット・トレイン』はフランスで観客動員数100万人を突破した。

「映画館の大スクリーンが好きだ。家庭の小さな画面よりもはるかに、感動やスリルを感じられる。もっとも、明日には何もかもが終わりになる可能性もあることはわかっている」

それは映画界のことなのか、それとも自分のキャリアの話なのか? 彼は微笑んだ。離婚や年を重ねたことが彼を変えたのだろうか。あるアメリカの新聞にも最近、「これがラストスパート、最終シーズンだ」と語っている。だからだろうか、クエンティン・タランティーノから「完璧主義者」と呼ばれた彼が行動範囲を広げ続けているのは。映画製作、建築、デザイン、彫刻、ファッション(カシミアのブランドを立ち上げたばかり)、美容ビジネス、ワイン造りなど、縦横無尽な活躍は止まらず、挑戦し続けている。

「年齢を重ねると、自分の存在意義とか、人生の目的や意味をどう保っていくべきか、悩む時がある。自分も時々そうなるが、どんな形であれクリエイティブでいることでモチベーションを保てる。俳優やプロデューサー(バリー・ジェンキンス監督『ムーンライト』、エイヴァ・デュヴァーネイ監督『グローリー/明日への行進』、ジェームズ・グレイ監督『アド・アストラ』など)として物語を語ることもあれば、そのほかのアートプロジェクトや共同プロジェクトを展開することもある」

映画製作会社を、プランBエンターテインメント(22年冬に持ち株6割を売却)という社名にしたことからして、ひとつに留まらず別なアプローチを模索する気持ちが伝わってくる。

「自分を職人だと思っている。何かを創ったり、人やモノと関わったり、新しい才能を発見したりすることが好きだ。人や創作に関わることがとても楽しい。プロジェクトは僕にとって重要な原動力。幸運にも、建築家のフランク・ゲーリーと親しくさせてもらっている。疲れを知らない93歳の彼は、家族や友人に囲まれながら先を見通す力をもって創作活動を続けている。彼からは、日頃からインスピレーションをもらっている。人との関わりこそが重要なんだ」

この人生哲学が具現化したのがミラヴァルだ。

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ここをアーティストが集まるハブにしたい。

「最初は、フランスに家が欲しい、そこで過ごして子どもたちに、もっとヨーロッパ的な価値観を身に付けてもらいたいと思っていた。自分はフランス語があまりよく喋れないけれど、子どもたちには言葉の問題はないし、それもここにくる理由のひとつだった。そしてみんなでこの場所が大好きになった。この地所には特別なオーラがある。14年前から定期的に来ていて、充電したい時は1カ月半ほど滞在している。多くの友人がやってくる。みんな仕事をしたり、充電したり。ここミラヴァルは画家、シェフ、脚本家、ミュージシャン等々、アーティストのコミュニティに開かれた場でありたい」

ブラッド・ピットはリニューアルオープンした伝説の録音スタジオ、ミラヴァル・スタジオを特別に案内してくれた。母屋から100メートルのところにある鳩舎を全面的に改装したものだ。1977年にジャック・ルシエがここにオープンさせた録音スタジオは、当時最新鋭の設備機器を備え、長い間、偉大なアーティストたちが訪れる有名なスタジオだった。ピンク・フロイドが『ザ・ウォール』を録音した場所であり、テレフォン、ザ・キュアー、AC/DC、スティング、アンドシーヌもここでアルバムを制作した。その後閉鎖され、放置されていた録音スタジオを復活させようと、ブラッドがタッグを組んだのがエミー賞受賞歴のある若きフランスの天才プロデューサー、ダミアン・クインタードだった。こうしてリデザインされたスタジオがここに完成した。キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』に出てくる宇宙船のごときサウンドデスクを備えた未来的なコントロールルームを抜けて隣のレコーディングルームは独特の音響設備が置かれ、樹齢100年のオリーブの木の眺めが美しい。

「ありきたりのスタジオを作ることに興味はなかった。そんなものは世界中どこにでもある。この場所がユニークなのは、超高性能な設備に加えて、ミラヴァルが提供する総合的な体験にある。ここで録音する際にはこの土地に滞在し、素晴らしい自然の中に身を置くことになる。歌手のシャーデーを迎えてオープニングを行った。ビッググループもやってくるが、無名の若手アーティストにも利用してもらいたい。誰もがこの場を創作と仕事のためのサンクチュアリとしてみなしてくれればと思う。自分にとってミラヴァルはそのような場所、サンクチュアリなのだから」

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インタビュー当日のブラッド・ピットと醸造家マーク・ペラン。

いつか自分のアルバムをレコーディングしたいと考えているのだろうか? ヴェネツィアではギターを手にした姿を見かけたが……。

「とんでもない! 自分は下手な日曜ギタリストだからね、コロナの頃に弾き始めて毎朝の習慣になった。メディテーションのようなものでやらずにはいられない。でも、正直なところ、1曲完成させられたら奇跡だね(笑)」

取材した日の午後はよく晴れていて、ブドウ畑やオリーブの林、西洋ヒイラギガシの森の中を私たちは自由に散策した。野性的でありながらきちんと整えられている。

「ここは自分にとって原点回帰の場所。ミズーリにいた子どもの頃はマーク・トウェインの小説の主人公、ハックルベリー・フィンのように、森やオザークス湖畔を歩き回って育った。エコロジーへのこだわりはその体験から来ている。自然は最初の先生であり、ガイドだった。ごく早い時期からその強さと同時に、人間の手にかかると環境が壊れやすいことを感じていた。地球とその資源を守らなければと思う。エコロジーの完璧な手本にはなれないけれど、できるだけのことを心がけている。ミラヴァルでもロサンゼルスでも、できる限り無駄にしないよう、できる限りリサイクルするようにしている。子どもたちが小さい頃から、こうした価値観を伝えていくことが大事だと思う。感心するのは子ども世代が積極的に環境保護の取り組みを行っていることだ。若い世代が行動を起こし、関わることで世界を変えていく」

午後5時になった。最後の質問をしよう。ブラッド・ピットは、自分自身のことをどう見ているのだろう。

「自分のことはなるべく見ないようにしているけれど、鏡が嫌いというわけではない。朝はよれっとしていてひどい状態だけど、そんな感じの自分が好きだ! 自分の顔にはもちろん、時の経過が刻まれている。逆説的かもしれないが、自分は変わっていないと感じる。そこにいるのはベストを尽くそうとする人、自分の愚かさを笑い飛ばす人。そうありたいんだ。他人に気を配り、誠実で優しくあろうとする人。間違いを犯すけれど、あまり自分を責めたてないように心がけて、何かを創ることで気を取り直す人。いろいろ試みる人。そう、そんな自分を見たいね」

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科学とテロワールが出合って生まれたコスメティック、ル・ドメーヌとは?

2022年秋にヨーロッパとアメリカで発売がスタートしたスキンケアライン、ル・ドメーヌ。プロダクトディレクターにブラッド・ピットを迎え、ワイン醸造家のマーク・ペランが材料を提供、そしてペラン家ととともに、皮膚科学者たちがシャトー・ドゥ・ボーキャッスルの13種のブドウ品種の効能を10年以上に及ぶ長い年月をかけて調査・研究した末に作られた話題のブランドだ。ワイン造りの際に出るブドウ種皮などを原料にし、ポリフェノールによる抗酸化作用が期待されるアンチエイジングコスメで、独自開発した有効成分GSM10®とProGR3®を高配合。ブラッド・ピット自身は特にクリームがお気に入りで、「肌への浸透がよく、毎日のように使っている。カリフォルニアの太陽に晒された僕の肌にも効果がある」と話す。

ヴィーガン対応、90%以上の成分が自然由来、ジェンダーレス使用や、リサイクルガラスやワイン樽に使われたオークの廃材をパッケージにしたリサイクル素材の活用など、現代的なコンセプトにも注目。

アイテムは、クレンジングエマルジョン、セラム、フリュイドクリーム、クリームの4種のみで、シンプルケアを目指している。今年中にはローションもローンチ予定だ。日本への上陸の予定はまだだが、現在、フランス、イギリス、イタリア、ドイツ、スイス、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、アメリカなどで販売がスタート。それらの国ではオンライン(le-domaine.com)で購入も可能だ。価格帯は日本円換算でクレンジングで約1万円、セラムで約5万円。ハイプライスながら、スキンケアとしての可能性はもちろん、美しいデザインと物語にあふれたコスメティック、興味津々!

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ブラピ主演のスペクタクル映画、ぜひ大スクリーンで!

欧米でエンターテインメントが変化していく1920年代のハリウッドで、ブラッド・ピット演じる大スター、ジャック・コンラッド、女優を夢見るネリー・ラロイ(マーゴット・ロビー)、映画界に魅せられ撮影所で働こうと企むメキシコ移民マニー・トレス(ディエゴ・カルバ)の3人を描いた物語。サイレントからトーキーに変わる時期を、デイミアン・チャゼル監督が「ワイドスクリーンで表現されるべき」と表現するロサンゼルスを舞台にして撮られたスペクタクル。華やかな映画界で一旗上げようとするならず者の中にあって、常に余裕を漂わせながら過ごすジャックを演じるピットは、「過去の作品、ギルバート、フェアバンクス、ヴァレンチノの映画をたくさん観た」と語る。チャゼル監督もピットに関して、「当時の伝説的スターが一見何の苦労もなく発散できたオーラが彼にはある。現時点のキャリアにおいて特にね……苦労が目に見えないのは魔法みたいだ」と言う。「この物語はブラッド自身の経験を語るキャンバスとなり、彼の根底にある人間性、つまり脆さや不安を見ることができる」(チャゼル)。鷹揚に見えて繊細なジャックは、ブラッド・ピット自身と重なる部分も多い。
ファン必見の一作!

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『バビロン』
●監督・脚本/デイミアン・チャゼル
●出演/ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー、ディエゴ・カルバ、ジーン・スマートほか
● 2022年、アメリカ映画
● 189分(予定)
●配給/東和ピクチャーズ
●2月10日より、TOHO シネマズ 日比谷ほか全国にて公開
https://babylon-movie.jp
© 2022 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

*「フィガロジャポン」2023年3月号より抜粋

photography: Serge Chapuis (Madame Figaro) text: Clara Dufour (Madame Figaro)

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