フィガロジャポン2021年7月号から連載「美しい投資術」をスタートした、個人投資家/資産運用アドバイザーの廣田里那さん。今回は投資のなかでも最もポピュラーな株式投資について聞きました。廣田さんが株取引で大事にしている「マイルール」とは?
今回は、数ある投資手法のなかでも一般的、かつ私が好きな「株式投資」についてお話しします。そもそも「株」とは、企業が資金を調達するために発行するもの。株を買いたい人が増えれば株価は上がり、上がったところで株を売れば差額が出ます。簡単に言うと株式投資は、この差額を稼ぐ方法です。一度買った株を長期で保有して優待を受けたり、持ち株数に応じて利益の還元(配当金)を得る方法もあります。逆に、企業の業績悪化などで株価が下がれば、損失を被る場合も。
私が株式投資を本格的に始めたのは昨年から。金融緩和もあり、相場の状況も良かったため、利益を取りやすかったです。現在、日本株9銘柄、米国株20銘柄を保有しています。最近は中国株が下落したので、長期保有のつもりで巨大ゲーム企業、テンセントの株を買いました。海外株は、ネット証券なら種類も豊富で、日本にいても同じように買えるんですよ。
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優良株を選ぶコツとは?
株式投資のマイルールのひとつは「購入時より株価が8%上がった時は半分利益確定、5%下がったらすべて売却」です。欲張りすぎて、もっと値上がりするかもと待っている間に値下がりすることも。私は短期売買が基本なので、利益を最初に確保することが大事だと思いますね。
株の選び方には、株価の推移を予想する「テクニカル分析」と企業の価値を考察する「ファンダメンタルズ分析」の両方を取り入れています(コラム参照)。特にファンダメンタルズ分析では、株式の割高・割安を判断するための指標となるPER(株価収益率)、過去の売上・利益率を見ます。利益率が高い会社は優秀だし、成長も期待できますから。
とはいえ、興味がない企業の情報を調べるのは億劫なもの。株式投資はその企業の経営に関与するようなものだから、まずは自分の好きな業界から調べてみては? たとえば好きなブランドの会社をリサーチして、分析結果がよければ投資してもいいかもしれません。少額でも始めることで、勉強にもなりますし、関心も広がるはずです。
株式投資は「企業価値に対して株価が割安か割高か」の判断が大切。割安なら株価上昇を期待できる。その判断に有効とされているのが「ファンダメンタルズ分析」。企業の収益に対し株価が割安かを示すPERなどの指標、ビジネスの革新性などを踏まえて判断する方法。もうひとつ「テクニカル分析」はチャートと呼ばれるグラフで、株価の値動きを予想する方法。チャートはネットで誰でも確認できる。投資家は自分なりのセオリーに従って、両方を分析する人、片方だけの人もいる。
*「フィガロジャポン」2021年11月号より抜粋
個人投資家/資産運用アドバイザー。1990年、パリ生まれ。現地高校卒業後、お茶の水女子大学に進学し、東京に移住。日系商社に勤めた後、通訳、金融会社を経て、個人投資家に。
instagram:@lina_saint.germain