美しい投資術 Vol.34 新NISA切り替えにあたり、投資内容を見直したい。

フィガロジャポン2021年7月号から「美しい投資術」を連載する、個人投資家/資産運用アドバイザーの廣田里那さん。

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今回の相談者は、2018年から投資を始め、個別株を約30銘柄をお持ちという40代後半の女性。新NISAに変わったことで、現在の投資内容を見直しつつ、この制度をどう活用すればいいのかご相談です。


今月の資産相談

新NISA切り替えにあたり、投資内容を見直したい。

V子さん(47歳・既婚・子ども2人) 会社員
年収 約500万円 貯金 約400万円

子育てが落ち着いた2018年頃にNISA口座を開設し、投資を始めました。コロナ禍にYouTubeやSNSで情報収集して、米国市場に上場している企業に幅広く投資できる商品(ETF)や、米国企業の個別銘柄を30銘柄ほど購入しています。現在は、株価が上昇中の日本企業の株や、配当金の割合が高い株の購入を検討中。新NISAを活用して、つみたて投資枠で毎月3万円を投資し、子どもが成人して教育資金の不安がなくなったら成長投資枠でまとまったお金を投資したいなと。ただ、これまで著名な投資家の影響で商品を決めていたので、自分なりの選択基準を確立させたほうがいいのでは、と思っているところです。

1カ月の収支

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資産運用の見直しとご提案

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最近は、SNSやネットに投資関連の情報があふれているので、自分なりの選択基準の必要性を感じるV子さんのお気持ち、よくわかります。ただ、さまざまな意見を比較することは良いことだと思います。現状の投資内容を見ると、堅実な内容ですし、長期投資に向く銘柄を選ばれている印象。個別株は米国株中心に約30銘柄と多いので、管理が大変なのでは。類似の業種は絞ると良さそうです。

気になることがあるとすれば「分散の視点」かもしれません。米国株に偏っているので、地域の分散などリスクヘッジを意識してはどうでしょう。すでに検討されていますが、日本株を新NISAで運用することをおすすめします。それも個別株を数銘柄購入するのではなく、TOPIXなどの指数に連動した投資信託のほうが幅広い企業に分散できます。

また、高配当株に興味をお持ちとのこと。長期保有に値する銘柄かどうかは、企業の業績や業種、配当性向(会社が税引き後の当期純利益のうち、どれくらい配当金の支払いに充てているかを示す指標)やROE(投資家の資本を元手に、企業がどれだけの利益を上げたかを数値化したもの)など分析が必要です。高配当株をテーマにした投資信託の組み入れ銘柄から、優良な企業を探すのも手です。いろいろ試して自分なりの投資スタイルを見つけてみてください。

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*「フィガロジャポン」2024年4月号より抜粋

text: Yoko Sueyoshi

個人投資家/資産運用アドバイザー。1990年、パリ生まれ。現地高校卒業後、お茶の水女子大学に進学し、東京に移住。日系商社に勤めた後、通訳、金融会社を経て、個人投資家に。

instagram:@lina_saint.germain

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