鎌倉で出会う暮らしのアイテム、器、照明、香り......。今年OPENの3軒!
鎌倉ウイークエンダー 2025.11.14
長谷川真弓

鎌倉の思い出とともに持ち帰りたいアイテムを探しに。photography: HATAGO
急に気温が低くなり、おうち時間が充実する秋。鎌倉も、紅葉が本格的な見頃となる前のいまの時期は、いつもよりゆったりした雰囲気。そんな鎌倉の街でのんびりショッピングをしながら、おうち時間を心地よくするアイテムを探してみませんか。今年オープンした注目の3軒をご紹介!
鎌倉の空気感を香りに閉じ込めて
#01. HATAGO

フレグランスディフューザー 200ml 各¥12,650。ほかにフレグランスミスト100ml ¥8,250も。photography: HATAGO
鎌倉と一言でいっても、海沿いと山のエリアでは雰囲気がまるで異なる。では海沿いは同じような感じかといえば、由比ヶ浜と七里ヶ浜では、景色も流れている空気感も違う。どう違うのかを説明しようとすると短絡的な言葉になってしまい、絶妙なニュアンスが伝わらないのだが、それを香りで繊細に表現したのが、フレグランスブランド「HATAGO」だ。
クリエイティブディレクターは野口大介さん。実家のある鎌倉・稲村ヶ崎から望む景色を世界に発信したいという思いからプロジェクトをスタート。パリで活躍する調香師ジャン=ミッシェル・デュリエ氏と、çanomaの香水クリエイターとして知られる渡辺裕太氏と共にいちから作り上げた。

パリのアトリエにて。写真右が野口大介さん。ジャン=ミッシェル・デュリエ氏(中)、渡辺裕太氏(左)と共に、鎌倉の空気感を、香りとしてどう表現するかにこだわり抜いて試作を繰り返したそう。photography: HATAGO
野口さんの中にある、その土地ならではの空気感や情景、イメージを、渡辺氏が香りの言語に変換し、それをジャン=ミッシェル・デュリエ氏が実際の香りへと落としこんでいく。
約1年かけて生み出されたのは、鎌倉の4つのエリアの風景や土地の記憶をモチーフに調香された4つの香りだ。例えば、松の木がそびえる絶景の岬がある稲村ヶ崎。そこからイメージした「INAMURAGASAKI」はシダーウッドや松などのリラックスできる香り。パンケーキが美味しいカフェなどが並ぶ七里ヶ浜からイメージした「SHICHIRIGAHAMA」は、コーヒーアロマやキャラメルなど、スイートで華やかな香り。
といったように、一つひとつ解説を聞いてからその香りに触れてみると、「なるほど、たしかに!」と、納得すると共に、そこの景色や過ごした時間までも自然と思い出される、癒しの時間となった。
上質なギフトとしてもおすすめなので、鎌倉が好きな友人の顔を思い浮かべながら選んでみては。

旗艦店として、由比ガ浜大通りに8月にオープン。店内に入ると、なんとも心地よい香りに包まれる。そんな香りに惹かれてフラッと立ち寄る人も多いそう。photography: HATAGO
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暮らしを彩る、ちょっと特別な照明を探しに
#02. HERMOSA

実際のサイズ感や質感をゆっくり味わえると好評のショールーム。photography: HERMOSA
大きな窓から差し込む、光に包まれた空間。天井からはシーリングファンやペンダントライトなど、デザイン性の高い沢山の照明器具が吊るされている。ミッドセンチュリー、モダン、ヨーロッパなど、テイストもさまざまだが、どのライトにも共通しているのは点灯していないときも存在感を放っていること。
これらは、鎌倉発のインテリアブランドHERMOSAのオリジナルだ。代表である牛尾秀樹さんが2003年に設立した。
1950〜70年代のアメリカやヨーロッパのデザインから影響を受け、それを現代の日本のライフスタイルに寄り添うものに変換した物づくりを行っている。

オリジナルプロダクトを中心に、アメリカやヨーロッパなどのインポートの雑貨もセレクト。
さび加工を施したり、塗装のカケや色むらをあえて手作業で加え、使い込んだような風合いにしたりと、味わいのある質感やその独特のデザインにファンが多く、さまざまなアパレルショップやカフェなどでも使用されている。そのため、インテリアコーディネーターなどのプロが買い付けにくることも多いそう。
以前は稲村ヶ崎に完全予約制のショールームをかまえていたが、今年の7月に鎌倉・由比ガ浜に新たにショールームをオープンした。平日は予約なしでフラッと立ち寄れるのがうれしい。

カピス貝を用いたシェルランプなど、自然素材を使ったものは、海辺の暮らしに寄り添ってくれると地元の人からの支持が高い。SHELL TABLE LAMP MINI 各¥7,700 ※ショールーム限定販売商品

レトロ感がたまらない、オリジナルプロダクトの「PIVOT CLOCK」各¥17,600。
部屋の雰囲気は、照明ひとつで変わるもの。どこか懐かしさもあり、いまの気分にもしっくりくるHERMOSAのライトの数々。いつもの部屋をちょっと変えてみたくなったら、ぜひ足を運んでみて。
神奈川県鎌倉市由比ガ浜1-3-10 2F
営)10:00〜17:00
※土日、祝日は予約制。一週間前までに公式LINEにてご連絡を。
休)不定休
@hermosa_kamakura
★Google Map
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コンセプトは「暮らしに愛を届けるもの」
#03. うつわと灯り threetone

オーナーの松永さんが日本各地で買い付けた、暮らしになじむ作家の作品が並ぶ。店内では不定期で企画展も行っている。
鎌倉駅西口を出て北鎌倉へと向かう通り「今小路」には、古い民家を改装した小さな店が点々と続く。その通りの中ほど、レンガ造りの印象的な建物の1階に「うつわと灯り threetone」がある。
柔らかな灯りに包まれた店内は、小町通りから数分しか離れていないのに、時間までもゆるやかに流れているよう。
店に並ぶのは、季節の食を豊かにする器や、自然の色を取り入れた吹きガラス照明など。器は日本全国のさまざまな産地へ足を運び、作家や窯元の器をセレクトしているそう。取材時は、夏に買いつけに行ったという唐津の器が並んでいた。

デイリーに使いやすいカジュアルな器まで、幅広くラインナップ。
オーナー店主の松永千晶さんは、もともと器のオンラインショップを13年ほど前から営んでいたが、今年の3月に実店舗をかまえた。
「食事の時間は慌ただしい1日の中でほっとできる大切な時間。1日3食(three)、陶器の音(tone)が響き合う食卓にしたい」という思いから、店名をつけたそう。「灯りや器を通して、日常にゆとりを取り戻すお手伝いができたらうれしいです」と穏やかに話す。
「できるだけ色々な地域の作品を、文化も含めご紹介したい」と、さまざまな企画展も行っている。
気になった器を手に取ると、土の重みのようなものが伝わり、手の中にしっとりとなじむ。忙しい日常から離れて、自分を癒してくれる物と出合いに、訪れてみてほしい。

オリジナルブランド「yoiyoin」のガラスのペンダントライト。好きな色とサイズ、さらにコードの長さや色まで、自分の好みにセミオーダーできるのもうれしい。

木製の小さな看板が目印。看板犬のヴェリーちゃんは、お客様たちから大人気。
神奈川県鎌倉市扇ガ谷1-9-11メゾン扇ガ谷104
営)11:00〜17:00
休)月、火(祝日は営業)
@threetone_utuwa
★Google Map
text & photography: Mayumi Hasegawa








