次はここに泊まる!ブルジョワ・ポップな4ツ星オテル・ボールギャール。

PARIS DECO 2023.03.25

「もし自分がツーリストだったら、こんなホテルに泊まりたい」。室内装飾家クロエ・ネーグルがそんな思いを込めて完成させた15区の「Hôtel Beauregard(オテル・ボールギャール)」。アドリアン・グロアゲンが率いるグループTouristeのホテルで、3月にオープンしたばかり。彼がクロエと初めて仕事をしたのは9区の「Hôtel Bienvenu(オテル・ビアンヴニュ)」で、このホテルは日本人に大人気なのだそうだ。オテル・ボールギャールは両者にとってコラボレーションのふたつ目。もちろんこのホテルも、アドリアンがオープンした最初のホテルから心がけている“手頃な価格で洒落たインテリアのホテル”のひとつだ。

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オテル・ビアンヴニュに続いてコラボレーションをした室内装飾家のChloé Nègle(クロエ・ネーグル、左)とTouristeのAdrien Gloaguen(アドリアン・グロアゲン)。photos:©Romain Courtemanche

30歳の若い女性が亡くなったお祖母様の家を引き継いだら?というイメージをもとにインテリア作りは進められたそうだ。昔から家に飾られている壁のタペストリーや棚の胸像といったインテリアの要素をいくつか守りつつ、ピエール・ポラン風の家具などポップな味わいをプラスして……と。掘り出したヴィンテージの家具、クロエがデザインした家具など70年代気分がミックスされている。ロビーそして客室の壁のいかにもクラシックなタペストリーは時代ものではなく、昔ながらのモチーフなどを取り入れてPinton(パントン)の新しい工場で機械織りされたものだ。アート作品はAmélie Maison d’Art(アメリー、メゾン・ダール)によるセレクションである。

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左・中: ブルジョワ・ポップな世界が広がるロビーのサロン。天井のミラーが楽しい。右: フロントデスク。photos:©Romain Courtemanche

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左: 70年代のメタルの間仕切りを壁の装飾に。エントランスのピンク色のガラス扉が空間に明るい色を跳ね返す。 右: 朝食ルーム。一日中カフェ的にも宿泊客は利用できる。photos:(左)Mariko Omura、(右)©Romain Courtemanche

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客室に入ると、まず目に飛び込むのがベッドのヘッドボードに貼られたI love Parisのステッカーだ。さらに金庫やミニ冷蔵庫を収める扉にもパリモチーフのカラフルなステッカー……前の宿泊客が貼り付けたの?と思ってしまうけれど、これは海外からの宿泊者を意識したクロエのアイデアである。客室内のブルーとボルドーの印象的な色の組み合わせ、バスルームのストライプのタイルなど、クロエらしい遊びにあふれるインテリアにTouristeグループらしい心意気が感じられる。なお、アメニティは通常は5ツ星に限られるディプティックの品が、4ツ星ながらこのボールギャールのバスルームにも揃えられているのがなんともうれしい。6階にはエッフェル塔が眺められる小さなバルコニーがついた部屋があり、また地上階にはミニテラス付きの部屋もあると聞くと、パリの定宿にして色々なタイプの部屋を試してみたくなるのでは?

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クラシックな壁のタペストリーとポップな家具が共存する客室。130ユーロ〜。photos:©Romain Courtemanche

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左: ステッカーが部屋にポップをプラス。 中・右: バスルーム。ディプティックのアメニティににっこり! ストライプはダニエル・ビュランの仕事がクロエのインスピレーション源。photos:(左)Mariko Omura、(中・右)©Romain Courtemanche

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左: 地上階のテラスつきの部屋。 右: クローゼットはどの客室もオープンスタイルだ。photos:©Romain Courtemanche

地下鉄12番線Vaugirard(ヴォージラール)が最寄駅。パリの中央から少し外れているけれど、デパートのボン・マルシェからは7駅だし、またさまざまなフェアが開催されるポルト・ド・ヴェルサイユまではたった2駅である。またモンパルナス駅までも4駅なので、ここから汽車で旅に出るというときにもなかなか便利な立地のホテルだ。

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左: 地下鉄Vaugirard駅。住宅街らしく、駅前公園には大勢の子どもとシッターたち、老人たちが。 中: ホテルのすぐ近くに気になるブロカント店が。 右: ホテルのあるペテル通りに入ると、にょきっとエッフェル塔が姿を現す。なお、オテル・ボールギャールは4ツ星だけど、かつて3ツ星時代だった名残りの看板が見える。photos:Mariko Omura

Hôtel Beauregard
14, rue Pétel
75015 Paris
www.hotelbeauregard.fr
@hotelbeauregardparis
@touristeltd

editing: Mariko Omura

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