プラダが教えてくれる、二面性のエレガンス。
編集部員の、最近のお買い物。 2025.10.10
2026年SSのファッションウィークが終わりましたね。
ミラノ担当の私が、毎シーズン数あるショーの中で特に楽しみにしているのは、やっぱりプラダ。
知性とひねり、そしてほんの少しの違和感。
その絶妙なバランスに、いつも心を掴まれます。
今回、オープニングとクロージングで登場したルックは、まさにそんなプラダらしさを象徴するもの。
ミリタリーウェアに、艶やかなサテンのロンググローブ。
そして、モデルがラフにくしゃっと片手で持っていたサテンの巾着バッグ。
ユニフォームのようでいて、イブニングウェアのようでもある――そんな"二面性"を持つ提案に、思わず息をのみました。
ショーを見てすぐに思い出したのは、クローゼットの奥にある、長年愛用しているヴィンテージのミリタリーのオールインワン。
ネイビーとカーキ、どちらも持っていて、どちらも手放せない。
次にあれを着るときは、プラダが見せてくれた"艶"を、少しだけ自分のスタイルにも取り入れてみたい――そう思いました。
そんな気持ちのまま、プラダ ガレリア本店へ。
店内で見つけたのは、まさにあのショーでモデルがクラッチのように抱えていたサテンの巾着バッグ。
その瞬間、胸が高鳴るのを感じました。
柔らかな光を受けてきらめくサテン、長めのレザーコード。
ニットやスウェットに合わせても、カクテルドレスに合わせても成立する。
"ドレッシーなのに抜けている"――そんなギャップが、いまの気分にぴったりでした。
マチはないけれど、必要なものはきちんと入る。
アイウェア、名刺入れ、財布、カードケース、のど飴、小さな鏡。
それだけで十分。むしろ、この潔さが心地いい。
この秋は、この巾着バッグで"艶"というエレガンスを纏って、
いつものオールインワンを少しだけアップデートしてみようと思います。

フィガロジャポン副編集長。ファッション担当。愛車(自転車)で爆走する姿を、都内のあらゆる場所で目撃される日々。この夏は、素手でヤモリとカブトムシとコクワガタをむんずと捕まえられるようになった。真夜中に一人で湯船に浸かりながら、こっそりと読書をする時間が何よりのご褒美。今一番欲しいものは、好きな服が似合う身体。好きな野菜は豆と茄子、菌類はキノコ、細胞はマクロファージとキラーT細胞。
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