経年変化を楽しみたい、一生もののロエベのレザージャケット。

冬の気配がいよいよ濃くなる頃、何気なく自分のクローゼットの前に立って、ふと思ったのです。

「黒はもう、十分持っている。いまの気分にフィットする色が欲しい」。

そんな気持ちがじわじわと湧き上がって、気づけばブラウンのレザージャケットを探していました。黒は私の定番ですが、今年らしさと少しだけ新しい自分を感じたくて。そんなときに出会ったのが、このロエベのナッパレザーのジャケットでした。

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柔らかなナッパラムスキンを贅沢に使った、バルーンシルエット。軽やかさと構築的なフォルムが同居していて、羽織った瞬間に驚くほど上質であることが分かります。

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裾のドローストリングでシルエットを調整できるから、パンツにもスカートにも、その日の気分で表情を変えられるのも嬉しいところ。ストームフラップ付きで、見た目以上に暖かいという実用性も、きちんと備えています。

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そして背中には、控えめに、でも確かに主張するLOEWEのアナグラムのエンボスレザーパッチ。


試着した瞬間、心の中で何かが弾けました。「これは買うしかない」。
決して安い買い物ではありません。今年最後の大物買いだと自分に言い聞かせて、清水の舞台から飛び降りる覚悟を決めました。

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レザーとは思えないほど、なめらかで美しいドレープ。自然な艶があり、傷さえもいつか"味"になってくれそうな予感。長く着て、少しずつ自分の体に、そして時間に馴染ませて。流行を追いかけるというより、時間を重ねることを楽しむ一着。

このロエベのレザージャケットとともに、季節を、そして自分自身を、少しずつ更新していけたらと思っています。

フィガロジャポン副編集長。ファッション担当。愛車(自転車)で爆走する姿を、都内のあらゆる場所で目撃される日々。この夏は、素手でヤモリとカブトムシとコクワガタをむんずと捕まえられるようになった。真夜中に一人で湯船に浸かりながら、こっそりと読書をする時間が何よりのご褒美。今一番欲しいものは、好きな服が似合う身体。好きな野菜は豆と茄子、菌類はキノコ、細胞はマクロファージとキラーT細胞。

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