スタイリスト山本マナのスタイル塾「インスピレーション源」
スタイリストのスタイル塾 2020.07.13
フィガロジャポンおなじみのスタイリストが、スタイリングのテクニックを教える不定期連載。今回はカジュアルアイテムがお得意の山本マナさんが登場。日々、自身のテーマでもある「リアリティのある日常のアイテムを大人ならばどう着こなせるのか」を、“黒”“白”“ピンク”というカラーを軸に披露いただいた。
ラストはスタイリングのさらなる秘密に迫るべく、インスピレーション源を教えてもらった。
「私自身は、服装に関してオン・オフがとても明確にあります。アクセサリーはあまり着けないのですが、服を着た最後にその時の気分でカラーのアイラインを引いたり、マスカラをつけたり。遊びが取り入れられるスタイルが憧れです。これは仕事にも通じるんですが、服を着た時のうれしさや喜びを伝えるのが仕事だから、自分自身が服を楽しむことが仕事にも繋がると考えていて。いまだからこそ着られるカジュアルさや、かっこいいだけじゃなくて、素敵だな、とか欲しいな、とか身近に感じられることを大切にしたいと思っています。今回浮かんだ3冊の写真集は、どれもユニークでハッピーなもの。昔から大切にしている2冊と、新たに仲間入りした1冊をそれぞれご紹介します」
「自宅にもポスターが2枚ある、ティム・ウォーカーの『I LOVE PICTURES!』。夢の世界や空間のファンタジーさは、性別や年齢を問わずに楽しめるはず。自分の仕事に通じるものがあると思っていて、楽しむことを思い出させてくれるから、永く大切にしている写真集です」
「クロエ・セヴィニーの『CHLOË SEVIGNY』もずっと大事にしています。まず表紙の写真が好きです。何かを伝える――ということに関して、自分なりに考えられていると感じた写真集でした。自由に服を楽しんでいる雰囲気はもちろん、彼女の全身のバランスのよさも魅力です」
「新しい一冊は、チャーリー・エングマンの『MOM』。ヨーロッパなどでも活躍する、NY在住のカメラマンが自分の母親を撮影したもの。チャーリーさんとは4、5年前に知り合いました。ユーモアとモードのバランスのセンスが独特で、この『MOM』にはそれが詰まっています。ママにも会ったことがあるのですが、ママとしてもモデルとしても素晴らしい方でした。」
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MANA YAMAMOTO
「フィガロジャポン」をはじめ、モード誌や広告などさまざまな分野で活躍。ポジティブでハッピーな気分を引き出すスタイリングが人気。春にはウェブ上で架空のギャラリー「SNÖ」を開設。2ndエキシビション「snow night」にも注目。
stylisme : MANA YAMAMOTO, photos : SAKI OMI (IO)