俳優、斎藤工。そして、映画監督、齊藤工。表舞台であらゆる「男」を演じ、裏方にまわり物語をクリエイトしていく。齊藤工がいま見つめるものとは、何か。彼自身がシャッターを切り、選び出す。モノクロームの世界に広がる、「愛」を公開していきます。

フィガロジャポン本誌とmadame FIGARO.jpの連載「活動寫眞館」。今回のゲストは、俳優の中川大志、19歳だ。

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急に冷え込んだ11月の終わり、神楽坂のムギマル2という喫茶店にふたりは集まった。「僕も写真が好きで、ここにずっと来たいと思っていて」と話す中川。都内にギャラリーを営むこの店に以前から興味があったのだとか。若い女性客で満席の2階とは打って変わって、1階は古いストーブでジワジワと温められた静かな空間。「昨日会いましたね」とふたり。偶然遭遇したというから奇遇だ。少し話をしてから、18時過ぎに撮影が始まった。

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 昭和の情緒が流れる空間のせいか、いつもよりゆっくりとシャッターを切っていく齋藤。「6時になったら猫が帰ってくるんです」という店主の一言があり、いつ猫が戻ってくるかを少し気にしながら、あっという間に撮影は終わった。

「中川さんのパブリックイメージは、明るく爽やかで、真ん中にいる存在。最近は“変則的な役者”が目立ち、評価されているけど、中川さんの王道さは、限られた人間にしか醸し出せない。ストン、と“真ん中”にいる。若くして、すでに内側に宿している経験値が高く、早熟。それをあえて見せない。それが、いまの中川さんだと思います。ATG(1960年、70年代のサブカル的映画のシーンを作った日本アート・シアター・ギルド)の時代にいたら、自然に溶け込むような気がする」

王道の銀幕スターのようなムードを持っているからこそ、インディペンデントな世界にも飛びこめる。俳優・中川大志の持つ可能性が想像できる言葉だった。

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「今回はとても若い役者さんですが……」と切りだした際、齋藤は「年齢を意識するのは人の特性。でも、真意はいつでもその本人の魅力にある」と話す。

最後、「また何か一緒にできたら」と握手をして別れたふたり。年齢や経験で区別するのではなく、ただ、お互いを尊重する姿が印象的だった。

TAISHI NAKAGAWA
俳優。2011年に放送されたドラマ「家政婦のミタ」に出演し注目を浴びる。『きょうのキラ君』『ReLIFE リライフ』(ともに17年)と立て続けに主演映画が公開。2018年は『坂道のアポロン』(3月10日公開)、『虹色デイズ』(夏公開予定)に出演。
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TAKUMI SAITOH
移動映画館プロジェクト「cinéma bird」主宰。映画監督作に『半分ノ世界』(2015年・国際エミー賞ノミネート)。18年2月3日公開の初長編監督作『blank13』は、国内外の映画祭にて作品賞、監督賞、俳優賞等、現在6冠を獲得。

Tシャツ\17,280/elephant TRIBAL fabrics(IROZA)
プルオーバー\29,160/YANTOR
その他/スタイリスト私物
IROZA tel:03-6822-9004
YANTOR www.yantor.jp

stylisme : AYUMI UCHIDA (creative GUILD), coiffure et maquillage : GO IKEGAMI

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